東京農業大学第一高等学校で「キャリア授業」を実施 -- さまざまな職業の保護者が講師を務め、仕事や生き方について生徒に講義

大学プレスセンター

大学通信から中学・高校のニュースリリースをお送りします。 東京農業大学第一高等学校・中等部(東京都世田谷区)では9月5日に、高校1年の生徒を対象とした「キャリア授業」を実施した。これは、同校生徒の保護者らが講師となって行うキャリア教育。幅広い職業の保護者らが講演し、生徒の将来に向けた興味関心を引き出すとともに、保護者も自身の職業を見つめ直し、学校を通じて社会に貢献する機会となっている。 ◆東京農業大学第一高等学校の「キャリア授業」 【実施の背景】  東京農業大学第一高等学校・中等部では、保護者を中心とする講師陣が職業についての講演をするという形で「キャリア授業」を実施している。同授業は学校の想いと、生徒のニーズと、保護者の願いという三位一体の企画として、2009年に産声を上げた。受講対象は高校1年生だが、講師は中等部から高校3年までの6学年全ての保護者から募っており、6年連続講師を引き受けてくれている保護者や、夫婦で毎年講師を務めている家庭もある。  以前はキャリア授業と言えば、業者に委託して外部講師が講演を行うのが常だった。しかし、そうしたキャリア講演はいわゆる一般的な職業観などについての話が多く、生徒の将来に向けた興味関心を引き出すものではなかった。「どうしたらもっと多様な生徒のニーズに応えることができるだろうか」と模索する中、進路指導部で協議して生まれたのが、保護者に講演会の講師を依頼するという授業だった。  同校は私立の中高一貫校という環境から、保護者の職業も医師、弁護士、起業家、デザイナーなど多岐にわたり、生徒たちが将来を考える上で必要な講師の確保が可能だった。そして、もう一つは講師を募集してわかったことだが、保護者も自分の出来ることで学校に何か還元したいと願っていたことにより、「キャリア授業」が実現。この企画は生徒にとってだけでなく、保護者にとっても自身の職業を見つめ直し、学校を通じて社会に貢献するという側面も持っている。 【導入後、毎年ブラッシュアップしている点、気づきや進化・深化について】  同授業の運営においては生徒や保護者の感想・意見を大事にしており、講師を務めた保護者から「生徒が疑問に思っていることを事前に知りたい」という要望を受けてからは、全ての講義において生徒に事前質問をとって講師に送っている。これにより講師の保護者は、生徒のニーズに合った講義ができるようになっている。  また、生徒の感想は基本的にすべて事後に講師の保護者に送っており、保護者自身の励みや次年度のキャリア授業に活かされている。 【コロナ禍で実施した「キャリア授業」、例年との違い】  希望制で講座を2つ受講するスタイルから、各ホームルーム教室に講師を招いて4つの講義を受講するスタイルに変更。これは生徒の移動を無くすことで感染拡大を防ぐ狙いがあるが、希望しない職業の話を聞くことで新しい発見があることも狙っている。  また、今年はZOOMによる遠隔講義も取り入れた。遠隔授業の講座数は全体の1割にも満たなかったが、コロナ禍でも授業が十分実施可能であることを確認することができた。 【「キャリア授業」の今後の展望】  以上のような経緯で始まったキャリア授業は、現在も試行錯誤を繰り返しながら進化している。同校では今後も卒業生や保護者の力を積極的に借りて、キャリア教育を展開していきたいと考えている。現在企画しているのは、就職している卒業生を数名招いてパネルディスカッションを行うなど、先輩たちを巻き込んだキャリア教育。身近な先輩たちの社会での活躍を知ることで、在校生の将来に向けた可能性の芽を育んでいければと考えている。  講師を務めた保護者からは、「生徒の発言が活発で楽しかった」「難しい内容を易しく伝えることに苦労した」など、各クラスの印象を交えて前向きな感想が出ている。  「伝えたいことがある」という強い思いが、授業という形で実現されていた。 ◆キャリア授業を受けた生徒の感想 【花農家の講座を受けた生徒】  菅官房長官(現・総理)が農家に生まれた話を聞いて、人は人生の中で1つを極める人もいれば、さまざまなことに挑戦する人もいて、どちらにしても、物事に全力で取り組んでいることが素晴らしいものだと思いました。自分のやりたいことや好きなこと、興味のあることが仕事となり、それが続けていられたらいいなと思います。 【建設の講座を受けた生徒】  今回は、私たちのために貴重なお時間を割いて頂き本当にありがとうございました。自分が知らなかっただけで、災害中は色々な策が講じられていたのだと思いました。しかし、策を講じても、いつ自然が暴れるかは誰にも分かりませんし、対策をしても一瞬で被害が収まるということも中々ないと思います。だから、やはり減災の考えをもう少し広めて一人一人の意識を高め、それに努めていくべきだと思いました。  また、自分で住んでいる地域でいつ非常事態が起きてもいいように、コミュニティをしっかり築いていかなければいけないと感じました。 【音楽の講座を受けた生徒】  人生は思い通りにならないことが多いということがよくわかりました。進路が自分の好きなことややりたいことと違っても、それがのちのち繋がることもあると分かりました。だから、とりあえず目の前にあることに色々と挑戦していくことが大切だと思いました。  私はまだ将来の夢や行きたい大学は決まっていませんが、目の前のことを一生懸命やっていれば、それがのちのち将来につながるので、頑張ろうと思いました。 【メディアの講座を受けた生徒】  「おうち授業」など、授業で紹介されたコンテンツの多くを知っていて、それらを考えた人にお話を聞くことができて嬉しく思います。映像を作ることに興味があるのでとても勉強になりました。中でも、ビッグデータを活用するということには感心しました。時代背景に合わせた情報収集と、流行りに敏感になって企画を練っていくことは今後の動画制作においての自らの課題になりました。「みせる」シーンを意識するということも大切なことだと感じました。  今は独学ですがこれからも頑張ろうと思います。 (参考記事) ・東京農業大学第一高等学校が9月5日に「キャリア授業」を実施 -- 生徒の保護者らが仕事や生き方について講義するキャリア教育(2020.09.02)  https://www.u-presscenter.jp/article/post-44272.html ▼本件に関する問い合わせ先  東京農業大学第一高等学校・中等部  電話:03-3425-4481(代表) 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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