耐震性「2倍」の家づくりが、カナダ発の耐力壁で実現

カナダウッドジャパン

一条工務店が「ミッドプライウォールシステム」(MPW)を積極採用

カナダ林産品の普及活動を行う非営利業界団体カナダウッドの日本事務所、カナダウッドジャパン(所在地:東京都港区、代表:ショーン・ローラー)から、日本国内における耐力壁の普及に関する情報をご紹介します。

日本は地震をはじめとする自然災害の発生が多く、世界の0.25%の国土面積に対してマグニチュード6以上の地震の20%以上が日本に集中しています。耐震性は家づくりにも欠かせない要素であり、建築基準法も過去の大地震の検証から改正を重ねて耐震基準を高めてきました。

今年3月から、この建築基準法の耐震基準の2倍の性能を実現した家づくりを大手ハウスメーカーの一条工務店が手掛けはじめたことで注目を集めています。現在、建築基準法で定められた最低限の耐震性能を「耐震等級1」とし、その1.25倍の性能を「耐震等級2」、1.5倍の性能を「耐震等級3」と評価されるなか、最高等級の「耐震等級3」を大幅に上回る耐震性能です。理論上の数値だけでなく、国立研究開発法人 防災科学技術研究所の耐震実験施設において実際の建物で様々な要件のもと検証を繰り返した上で開発されました。2020年6月末現在、約600棟の住宅購入が決まっており、1棟1棟の間取りに対して許容応力度計算が行われています。

 



耐震実験の様子

 
 
建築現場の様子

今回、2倍の耐震性能の実現で特に重要な役割を果たしたのが、カナダの林産研究機関FP Innovationsとブリティッシュコロンビア大学で開発された高耐力壁「ミッドプライウォールシステム」(MPW)です。MPWは、ツーバイフォー工法で用いられる一般的な木材をもとに、枠材を面材で挟み込む従来の構造から、面材を枠材で挟み込む(平使いに配置)構造へと再設計されています(図1)。この構造により、壁を変形させようとする地震力を釘などの接合金具が二面で支えることが可能になり、耐力が大幅に向上しました(図2)。また、面材への釘の打ち込み過ぎによる性能低下や、枠材への釘の打ち損じなどの作業不良も防ぎやすい利点があります。

 

ミッドプライウォールシステム(MPW)

 
 

MPWで内壁の強度(壁倍率)を高めることにより、間取りの自由度を損なわずに耐震性の向上が実現可能です。ツーバイフォー工法だけでなく在来軸組工法にも採用できるため、日本国内におけるMPWの一層の普及が期待されます。

 
本件に関するお問合せ先: カナダウッドジャパン TEL 03-5401-0531

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