日本TI、新たな温度限界への到達を実現する業界最小のリニア・サーミスタを発表
精度が50%向上した、高感度、シングルポイント・キャリブレーションの新しい温度センサ
NTCサーミスタは、そのコストの低さから広く利用されていますが、温度が両極端なときに性能が低下することや複雑なキャリブレーション要件があるなど、設計する上でいくつかの課題があり、そのため設計時間が長くなります。TIの新しいリニア・サーミスタは、同程度の供給価格でありながら提供できる価値は著しく高く、とりわけ、設計時間の短縮、部品数の削減、そしてシステム性能の向上につながります。
システムの性能と信頼性が向上
TIの新しいサーミスタでは、特に80℃を超える温度環境で、信頼性の高い、高精度の温度測定値が得られます。このことは、リアルタイムの精密な温度測定がシステムの性能と保護の基盤となる、産業用、車載用、および消費者向けのアプリケーションで特に重要です。NTCサーミスタとTIのリニア・サーミスタの違いについて詳しくは、ホワイト・ペーパー「サーミスタによる温度センシング回路」をご覧ください。
NTCサーミスタは、極端な温度環境において感度が低く抵抗誤差が大きいため、温度読み取り精度が低下します。このような難点をおぎなうために、多くの設計で、温度範囲の中の3点でキャリブレーションを行ったり、複数のサーミスタを使って別々の温度範囲をモニタリングしたりしています。しかし、これらの方法を用いても信頼性の低い温度測定値しか得られないことがあり、システムが本当の温度限界に達する前にシャットダウンをしなければならない場合があります。線形で高精度のTIのサーミスタはシングルポイント・キャリブレーションを可能にし、これによりシステム性能が最大化され、設計がシンプルになります。
TIのサーミスタのドリフト標準値は0.5%と非常に低く、温度測定の信頼性が向上するため、安全な動作を維持しながらシステム性能を引き上げるような設計が可能になります。TI.comのサーミスタ製品ページにあるTIのサーミスタ設計ツールとデータシートをぜひご利用ください。温度抵抗値の計算が素早く簡単にでき、コードと変換方式の実例を使ってすぐに設計を開始できます。
システムのコストとサイズを削減
TIのサーミスタでは、線形化回路の追加や余分なNTCサーミスタが不要になるため、設計がシンプルになり、システムのコストが下がるとともに、NTCサーミスタと比べてプリント基板(PCB)のレイアウト・サイズが33%以上も削減されます。そればかりでなく、TIのサーミスタは、似たようなシリコン・ベースのリニア・サーミスタに比べサイズが10分の1であり、薄型で小パッケージ面積なので、発熱箇所にさらに近づけて配置することができ、熱に対してより素早く反応できるようになり、一貫した温度測定が得られます。
パッケージ、供給と価格について
『TMP61』、『TMP63』、『TMP64』などが含まれるTIの新しいサーミスタのポートフォリオは、現在TIと正規販売特約店より1,000個受注時の単価は0.05ドルより供給中です。これらのデバイスには、スルーホール・パッケージと表面実装0402および0603フットプリントのオプションが用意されます。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:サミュエル・ヴィーカリ、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における外資系半導体サプライヤです。当社に関する詳細はホームページ(http://www.tij.co.jp )をご参照ください。