日本製鉄 衝突安全性に優れた高延性造船用鋼板「NSafeⓇ-Hull」及び原油タンカー用高耐食性鋼板「NSGPⓇ-1」「NSGPⓇ-2」が超大型原油タンカーに世界で初めて同時採用

日本製鉄株式会社

日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)の開発した耐衝突安全性に優れた高延性造船用鋼板「NSafeⓇ-Hull(*1)」と、原油タンカー用高耐食性鋼板「NSGPⓇ-1(*2)」「NSGPⓇ-2(*3)」が、この度、今治造船株式会社(以下、今治造船)が新たに開発した最新鋭の超大型原油タンカー(載貨重量31万トン型)に世界で初めて同時採用されました。今回、同時採用が決まった原油タンカーは、2018年に今治造船が受注したナビオスグループ向けの4隻です。

貨物油及び燃料タンク側部の船側外板など高い衝突安全性が求められる箇所には、1隻あたり約3,000トンの高延性造船用鋼板「NSafeⓇ-Hull」が採用されました。「NSafeⓇ-Hull」は、鋼板の延び特性に優れるため、船舶の衝突時においても、従来鋼に比べて船体に穴が開きにくく、貨物油及び燃料油漏洩による深刻な海洋汚染に対するリスクの軽減が可能な鋼板です。従来鋼の規定要求値より5割以上の非常に高い伸び特性を有する鋼板として、日本海事協会や米国船級協会より認証を取得しております。2014年に今治造船が建造した大型ばら積み船に初採用されたのを契機に、その高い安全性が評価され、これまでに大型ばら積み船を中心に12隻に採用され、受注量は総計2万トンを超えました。

また、当原油タンカーの貨物油タンクには、原油タンカー用高耐食性鋼板「NSGPⓇ-1」及び「NSGPⓇ-2」が合わせて1隻あたり約9,000トン採用されました。「NSGPⓇ-1」は2011年に、「NSGPⓇ-2」は2014年に、船級協会から世界で初めて承認を取得(*4)し、防食が義務付けられる原油タンカーの貨物タンクに適用する際に、塗装無しでの使用ができる様になりました。貨物油タンク底部及び天井部の塗装を無くすことで、建造時や竣工後の定期的な維持管理に際し、塗装・点検用足場設置などの作業が不要となることから、塗料費削減や工期短縮が図られ、環境負荷軽減にも寄与します。2004年から開始した原油タンカーへの実船適用試験を経て、2007年から本格受注を開始し、その高い性能が評価され、これまで10隻以上の原油タンカーに採用され、受注量は総計3万トンを超えました。

なお、「NSafeⓇ-Hull」は2018年度に、「NSGPⓇ-1」は2010年度にその高い性能が認められ「市村産業賞(貢献賞)(*5)」を受賞しています。

日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した、優れた製品・サービスの提供を通じて、船舶のより一層の安全性向上と地球環境への貢献に取り組んで参ります。


*1:NSafeⓇ(Nippon Steel Safe)は日本製鉄の登録商標です。
*2:NSGPⓇ(Nippon Steel Green Protect)は日本製鉄の登録商標です。
  NSGPⓇ-1は原油タンカー貨物タンク底板用の高耐食性鋼板です。
*3:NSGPⓇ-2は原油タンカー貨物タンク上甲板用の高耐食性鋼板です。
*4:2013年以降に建造契約されるタンカーには腐食対策が義務付けられており、耐食性鋼板を使用する際には、IMO(国際海事機関)および船級協会の規定を満たしたものとして、船級協会等の公的機関から承認を得ることが必要となります。
*5:わが国の科学技術の進歩、産業の発展に顕著な成果をあげ、産業分野の進展に多大な貢献をされた個人またはグループに授与される賞です。


(お問い合わせ先)総務部広報センター TEL:03-6867-3419、2146、2977、2135


図1.NSafeⓇ-Hull適用部位(概要図)


図2.NSGPⓇ-1及びNSGPⓇ-2適用部位(概要図)


 

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