東日本大震災以降も、2016年4月の熊本地震をはじめ大きな災害が続いており、特に今年は大阪府北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震などが立て続けに発生している。こうした状況に対して、各大学はさまざまな研究や防災・減災に関するシンポジウムなどを実施し、対策に取り組んでいる。
【北海道科学大学、酪農学園大学、江戸川大学、青山学院大学、大妻女子大学、共立女子大学、中央大学、東京都市大学、東洋学園大学、関東学院大学、文教大学、立命館大学、大阪成蹊大学、大阪電気通信大学、関西大学、近畿大学、摂南大学】
北海道科学大学(札幌市手稲区)保健医療学部理学療法学科の宮坂智哉教授、川嶋恵子准教授、鴨志田麻実子助教は、株式会社サンワ、札幌市消防局と連携して「車いす用階段避難車」を開発した。介護者1名で、車いすに乗ったまま階段を使って避難することができ、モーターなどの動力が不要のため停電時にも使用可能。高齢者施設や病院、ホテルなどでの利用が想定される。現在、実証試験を経て、2019年3月の商品化に向けて改良を重ねている。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40285.html )
酪農学園大学(北海道江別市)環境共生学類の金子正美教授(環境GIS研究室)、小川健太准教授(環境空間情報学研究室)、小野貴司研究員は、9月6日の北海道胆振東部地震発生後に、NGOや民間企業の有志と「北海道胆振東部地震緊急地図作製チーム(Emergency Mapping Team:EMT)」を結成し、航空写真や衛星画像などから被害状況を示す地図を作製。厚真町や安平町へ無償で提供し、自衛隊などによる救助活動や復興に貢献している。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40156.html )
江戸川大学(千葉県流山市)メディアコミュニケーション学部の隈本邦彦教授は、トルコ・マルマラ地域での地震研究をまとめた防災教育映像作品を制作した。これは、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)とJICA(独立行政法人国際協力機構) が共同で実施する取り組みの一環。トルコは地震多発国として知られ、特にマルマラ海域は近い将来、巨大地震が発生する可能性が高いとされている。隈本教授は、映像作品やアニメ作品などを制作し、トルコの防災教育でこれまで触れられていなかった地震による津波や帰宅困難者の問題について最新の研究成果とともに伝え、防災意識の向上を図った。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/04/post-39235.html )
青山学院大学(東京都渋谷区)は、被災地の状況をリアルタイムでネット上の地図に反映し、救援・復旧活動を支える「クライシスマッピング」と呼ばれる活動に、全学的に取り組んでいる。その中でも、NPO法人クライシスマッパーズ・ジャパン理事長である古橋大地教授(地球社会共生学部)による「ドローンバード」プロジェクトは、最新のドローン技術を使うことにより、空撮画像の公開と被災情報の地図への反映を最短で2時間以内で行うことが目標。同大キャンパスをはじめ全国100カ所に基地を設置し、一般市民の中から操縦士を育成する計画となっている。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/02/post-38868.html )
大妻女子大学人間関係学部(東京都多摩市)は11月2日に、多摩安全・安心講座「生活と防災~多摩地域特有の帰宅困難とは~」を開催した。これは、学校法人大妻学院創立110周年記念事業の一環として行われたもの。同学部の教員が、災害時に交通手段が断たれてしまった場合に必要な知識や、どのような判断を下せばよいのかなどを解説した。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40189.html )
共立女子大学・短期大学(東京都千代田区)は11月10日に「イザ!カエルキャラバン!」を開催した。これは、ゲームやワークショップ等を通して楽しみながら防災について学ぶイベント。2017年度まで八王子キャンパスの共立女子第二中学校高等学校で行っていたが、今年は神田一ツ橋キャンパスに会場を移し、学生主体の「共立Stand Up! プロジェクト」の一環として実施した。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40374.html )
中央大学(東京都八王子市)の学生団体「チーム防災」は「防災百人一首」を作成し、10月21日に日野市で開催された「まちづくり市民フェア2018」で初披露。小学校高学年から高校生までを対象に、かるたで楽しみながら防災の大切さを学んでもらうイベントを実施した。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40269.html )
東京都市大学(東京都世田谷区)工学部建築学科の西村功教授と東急建設(株)技術研究所による研究チームは、新型ハイブリッド制震構造の実証実験を行った。これは、油圧ダンパーと積層ゴム支承を組み合わせたもので、従来のパッシブ型制震構造を大きく上回る性能があることを示した。研究チームは2020年を目途に建物に適用することを目指している。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40187.html )
東洋学園大学(東京都文京区)は、文京区が設立した「文京区プロテクトベイビーコンソーシアム」に参画した。これは、赤ちゃんを災害から守る社会の実現を目指すためのもの。同大は2012年から同区の「妊産婦・乳児救護所」に指定されており、今回の参画を機に、災害時に妊産婦・乳児の一時受け入れ先となる救護所を学内に開設するほか、液体ミルクを備蓄するなど、乳児支援物資の充実化を図る。また、学生ボランティアによる普及・啓蒙活動の推進も予定している。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/11/post-40510.html )
関東学院大学(横浜市金沢区)防災・減災・復興学研究所は、特別講座「命と希望を未来へ繋ぐために、私たちは何が出来るか」を4回にわたって開催中。12月8日(土)の第3回「巨大地震を''正当にこわがる''」では、首都直下地震のリスクや備えについて、理工学部の鳥澤一晃教授が解説。12月22日(土)の第4回「''いざ''というときの心理学」では、緊急時の人間の心理や行動について、社会学部の細田聡教授が考察する。各回100名、無料、申込みはメールにて。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/11/post-40437.html )
文教大学大学院国際学研究科(神奈川県茅ヶ崎市)は、11月24日に公開シンポジウム「災害復興の国際学」を開催した。近年、世界各地で猛威を振るう自然災害に耐え、立ち直る力(レジリエンス)を構築するために何が求められるのか、第1部のシンポジウムと、第2部の黒森神楽(国指定重要無形民俗文化財。江戸時代初期から旧南部藩に伝わり、三陸沿岸一帯を回る「廻り神楽」として知られる。東日本大震災後、人々の心の復興を支えている)の上演を通して、市民社会の視点から考えた。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/11/post-40487.html )
立命館大学情報理工学部(滋賀県草津市)の西尾信彦教授が代表をつとめるG空間システムコンソーシアムが「G空間地下街防災システム」を構築した。これは、防災センターでの災害時行動計画を支援するもので、大阪・梅田の地下空間におけるゲリラ豪雨時の浸水対策として「梅田地区地下空間防災対策検討会」にも採用されている。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/09/post-40057.html )
大阪成蹊大学(大阪市東淀川区)の学生が、「キャリアデザイン3」の授業において、連携協定を結んでいる東淀川区から提示された3つの課題、(1)「安全で安心できる避難所」、(2)「自助(自分の命を守る)の取り組み促進」、(3)「伝達手段の確保」に取り組んだ。防災センター見学や自主学習などを行い、企画書を作成。それぞれ、(1)は避難所で部屋の表示をピクトグラム等で表したシールを貼り付ける「ペタッとステッカー」、(2)は自助の取り組み促進のために、児童・幼児等を対象としたアニメーションを制作する「テジタル紙芝居」、(3) はフェイスブックやツイッターなどのSNSを通じた広報も実施する「マンガでわかる防災」が採用された。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/11/post-40551.html )
大阪電気通信大学(大阪府寝屋川市)総合情報学部情報学科の升谷保博教授が委員長を務める「ヒト型レスキューロボットコンテスト実行委員会」は、11月4日に同大寝屋川キャンパスで「OECU杯ヒト型レスキューロボットコンテスト2018」を開催した。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40311.html )
関西大学(大阪府吹田市)社会安全学部は京都府京丹波町と連携協定を締結した。「安全・安心なまちづくり」というテーマに特化した全国的にも珍しいもので、京丹波町ケーブルテレビと連携して番組・CM制作等を通じた防災啓発を行うなど、防災意識の向上、災害時の対応能力の強化を目指す。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/09/post-40109.html )
同大は10月25日に全5キャンパス(千里山・高槻・高槻ミューズ・堺・北陽)で、学生・教職員・近隣住民ら約1万人が参加する大規模地震避難訓練「関大防災Day2018 ~広がれ!みんなの安全・安心!~」を実施した。大学の備蓄品を使用した炊出し訓練、非常用階段避難車・キャリダンや降下型避難器具などの実践体験、親子防災ワークショップなどが行われたほか、防災啓発ブースには30以上の企業・団体が出展した。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40290.html )
近畿大学(大阪府東大阪市)は、災害発生に3万人以上の学生の状況をすみやかに確認するため、学内情報ネットワーク「近大UNIPA(ユニパ)」を活用したメールによる安否確認を行っている。6月の大阪北部地震の際に初めて訓練以外で実施し、対象学生の81.1%が安否を回答。7月の西日本豪雨、9月の北海道胆振東部地震では、居住地や実家所在地で学生を絞り込んで実施した。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/10/post-40160.html )
摂南大学(大阪府寝屋川市)理工学部の池内淳子教授、熊谷樹一郎教授、榊愛准教授の研究室に所属する学生らは、9月4日に近畿地方を直撃した台風21号の「被害マッピングプロジェクト」を実施。建物の損壊や信号機の停止など、2000件以上の被災状況を地図上で可視化した被害マッピングサイトをWEB上に公開した。
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https://www.u-presscenter.jp/2018/09/post-40145.html )
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/