【アルマードx 東京農工大学 産学連携プロジェクト】 卵殻膜が創傷治癒プロセスに必須の皮膚真皮乳頭層にある III型コラーゲン遺伝子発現を約1.6倍促進させることを実証
皮膚科学における有用性とメカニズムの解明における論文が
米国専門科学ジャーナル「Cell & Tissue Research」に掲載決定
株式会社アルマードは、「卵殻膜の細胞・身体ダイナミクス効果に関する研究」を産学連携で行っており、このたび国立大学法人東京農工大学との最新の研究論文が、アメリカの細胞及び組織に関する科学専門ジャーナル「Cell & Tissue Research」(出版元:Springer Berlin Heidelberg)に認められ、2018年11月にオンライン版に掲載されることが決定いたしました。(東京農工大学共同研究者:東京農工大学大学院工学研究院応用化学専攻有機材料化学専修・材料健康科学寄付講座 跡見順子客員教授・清水美穂客員准教授・藤田恵理産学官連携研究員・同講座大学院生、同専修村上義彦准教授、農学部共同獣医学科村上智亮准教授)【研究概要】
「卵殻膜」(鶏卵の殻の内側の薄皮)は、古く400年以上前の中国の薬学書「本草綱目」でも天然の絆創膏として紹介され、また日本でも傷の絶えない相撲界で力士に活用されてきたという事例もあります。創傷治癒においては初期段階にIII型コラーゲンが必須です。なぜ卵殻膜が創傷治癒に有効なのかは長らく不明でしたが、2011年の研究成果により、卵殻膜が細胞を刺激しIII型コラーゲン関連遺伝子を培養皿上で増加させることを実証しました。今回の研究では、卵殻膜塗布によるIII型コラーゲン関連遺伝子発現が非塗布群と比較すると約1.6倍増加する点、およびその増加箇所は皮膚の「真皮乳頭層」である点が、ヘアレスマウスの実験で明らかになりました。加えて、そのIII型コラーゲンの比率が20%のゲル環境下(皮膚環境が最も良いとされる胎児と同環境)では、他の比率時と比較するとIII型コラーゲン合成量が有意に増加し、またミトコンドリアを活発化することが実証されました。
細胞機能は加齢とともに低下していきますが、卵殻膜塗布が刺激となり細胞機能そのものが改善、正常化されることが本研究により実証されました。これは、卵殻膜が未病や健康寿命延伸にも期待が持てるスーパー素材であることを実証したことになります。
【研究成果ハイライト】
- ヘアレスマウスへの卵殻膜塗布で、III型コラーゲン、デコリン、MMP2等の遺伝子発現量が約1.6倍に増加(卵殻膜非塗布と比較)。前回2011年の研究では、培養皿上での実験により当発見がなされたが、マウス上で同結果が再現された点の意義は大きい。
- III型コラーゲン関連遺伝子は、加齢で減少するとされる皮膚真皮乳頭層で有意に増加。
- III型コラーゲン20%比率の環境ゲル(胎児の肌環境と同様)が肌の弾力性が最も高くなる(I型コラーゲンのみの環境(ゲル)と比較)。
- そのIII型コラーゲン20%の環境下(ゲル)では、線維芽細胞におけるIII型コラーゲンタンパク質の合成量が有意に増加し、ミトコンドリア活性も高くなる。
- 卵殻膜入り溶液塗布により、腕の皮膚弾力性が塗布前に比較して卵殻膜群のみで有意に増加、卵殻膜無し群と比較してシワが有意に改善(医薬部外品の試験と同じ二重盲検法での実施結果)。
2001年の東海大学との研究スタートを皮切りに、東京大学、東京農工大学と形を変えてプロジェクトを拡大。卵殻膜の可能性とメカニズム解明に向けて塗布と摂取の両側面から研究。最近の研究では創傷治癒のみならず、肝機能改善への有用性や、Ehlers-Danlos症候群*で減少するコラーゲン線維増加にも有効であるとされ、また難病指定されている潰瘍性大腸炎の改善についての研究結果も米科学誌で発表掲載。
卵殻膜塗布に関しては東京農工大学大学院工学研究院応用化学専攻有機材料化学専修・材料健康科学寄付講座 跡見順子客員教授、摂取に関しては東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命科学専攻 健康栄養機能学社会連携講座 加藤久典特認教授が担当。今回研究発表を行う跡見教授はプロジェクト発足当初東京大学教授であったが、東京農工大への異動を経て2013年4月からは東京農工大学でも研究を継続。今回の研究成果に至る。
【今後の展望】
卵殻膜は世界中のどこでも入手可能で医療・食品•化粧品の各分野に適用できるバイオマテリアルです。本研究及び今後展開される研究成果により、対処療法ではなく、細胞のメカニズムに働きかけて根本的な構造改善を誘導・修復促進する素材として、この中国・日本などアジアで受け継がれてきた“生活の智恵”が科学的に検証された新たな健康戦略として活用されることが期待されます。
【産学連携企業・株式会社アルマード 会社概要】
-商号 株式会社アルマード
-本店 東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル8F
-代表者 代表取締役社長 荒西 俊和
-設立 2000年10月18日
-資本金 60百万円
-事業内容 卵殻膜を主要素材とした化粧品、サプリメント等の企画・開発・販売