今年もインフルエンザの季節が近づきました。腎臓病の患者さんは保存期・透析期を問わず、免疫力が落ちていることも多く、インフルエンザにかかりやすいとも言われます。風邪の延長線上、などとは思わず、きちんと対策が必要です。
NPO法人 腎臓サポート協会のホームページ『腎臓病なんでもサイト』(
http://www.kidneydirections.ne.jp/)にて、慢性腎不全(CKD)の方、保存期の方、透析導入中の方に向けてインフルエンザ対策をまとめております。ぜひご覧ください。
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季節到来!インフルエンザに備えましょう
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●まずは、インフルエンザの種類から
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型に大きく分類されます。これらは季節性のインフルエンザとよばれ、大きな流行の原因となるのはA型とB型です。一方、報道でも話題になる、いわゆる「新型インフルエンザ」は、季節性のものとは区別されます。新型は鳥や家畜由来で、人間界ではまだ流行したことがないウイルスです。そのため免疫を持つ人がごくごく僅かで、発生すれば爆発的な感染力を持ちます。また、新型ゆえに解明が進むまで、どのような毒性をもつかわからないという恐ろしさがあります。
●インフルエンザ対策には3つの段階があると言われます。
1. 体にウイルスが入ってくることを防ぐ
2. 進入したウイルスの発症を防ぐ
3. 発症しても重症化するのを防ぐ
医療の手を借りない予防策として、こまめな手洗い、うがい、マスクの着用、できるだけ人混みへ近づかない、といった感染症予防の基本を徹底しましょう。体力をつけるために栄養や睡眠をとることも大切です。
透析患者さんがかかりやすい理由としては、例えば血液透析患者さんは週3回透析施設に行き、透析治療を受けなければなりません。そのため感染した人と接触する機会も高くなります。また、体の抵抗力・免疫力も落ちています。したがってインフルエンザにかかりやすいのです。
●ワクチン接種の効果
ウイルスが体に進入してきた場合に備えて、ワクチン接種が必要になります。進入してきたウイルスが増殖すると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛みなどのインフルエンザの症状が引き起こされます。この状態を「発症」といい、ワクチンが発症を抑える効果については一定程度、認められています。
「重症化」とは、発症した後に回復せず、肺炎や脳症などの命に関わりかねない重大な合併症があらわれることを指します。特に高齢者や慢性疾患のある方では重症化する可能性が高いとされており、ワクチンの最も大きな効果は、この重症化を予防することにあります。
自治体によっては助成が出るところもあります。12~3月のインフルエンザの本格的なシーズンインの前に、できればかかりつけ医などとご相談の上、ワクチン接種を検討しましょう。
▼詳しくは「ニュースピックアップ」にて
http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_news/121001.html
▼透析患者さんにおける新型インフルエンザの注意点についてはこちら
http://www.kidneydirections.ne.jp/support/soramame/school/no48.html