神奈川工科大学がフライアイレンズによる3D画像を用いたメディア・アート作品「ホログラフィック・ピラミッド」を展示 -- 10月31日~11月2日開催の「新価値創造展2016」

神奈川工科大学

神奈川工科大学情報学部情報メディア学科の谷中一寿教授、山内俊明助教、牧奈歩美助教らは、10月31日(月)~11月2日(水)まで東京ビッグサイトで開催される「新価値創造展2016」(主催:独立行政法人 中小企業基盤整備機構)で、メディア・アート作品「ホログラフィック・ピラミッド」を、美濃商事のブースで展示する。 ――安価で大画面化や少量生産に適したフライアイレンズを用いたインテグラルフォトグラフィを展示――  表示された物体が画面から飛び出して、あるいは引っ込んで見える3D画像表示には、いろいろな方式がある。  その中でインテグラルフォトグラフィ(IP)は、多視点画像を合成・表示した液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの前面に、多数の微小な凸レンズをアレイ状に並べたフライアイレンズ(昆虫の複眼に似ているのでこう呼ばれている)を取り付けることによって、立体視を可能としている。ステレオメガネをかける必要がないため、通りがかりの人でも鑑賞が可能。また、レンチキュラー方式と異なり、水平方向だけでなく垂直方向にも視差が生ずるので、装置を設置する方向を選ばない優れた3D画像表示方式である。レーザーを使用するホログラフィと比較すると、3D像の鮮明さや緻密さでは一歩譲るが、大画面化、フルカラー化、動画化については、むしろIPのほうが優位となっている。  しかし、フライアイレンズを製造するための金型が非常に高価であるため、少量生産の場合は1枚あたりが非常に高価になる。また、大画面化は製作の難易度が上がるため、一層高価になってしまう。そのためIPは未だ研究レベルにとどまっている。  美濃商事は、従来からフライアイレンズをスクリーン印刷加工により透明プラスチック素材に形成する技術を持ち、「ミノハート3D」という、モアレ(干渉縞)を用いた立体表示方式を応用したフォトフレーム等を既に製品化している。  しかし、モアレ用とIP用では、フライアイレンズ上に構成された多数の微小な凸レンズの形状や配置などか異なるため、そのままでは転用が困難であった。こうした中、美濃商事は、今まで培ってきたスクリーン印刷加工技術を用いて、他の製法よりも遥かに安価にIPに適用可能なフライアイレンズを製造することに成功した。  今回展示するホログラフィック・ピラミッドは、神奈川工科大学が製作したものだが、そのキーコンポーネントとして美濃商事のフライアイレンズを使用している。  このメディア・アート作品は、透明アクリル板でできたピラミッド(四角錐)の中で、雪だるまが降雪を喜んでジャンプしている様子をCGアニメーションで表現したもの。従来のホログラフィック・ピラミッドでは、普通の2Dディスプレイの画像をハーフミラーで反射させているので、表示される物体も2Dとなり、それ自体は平面的で奥行き感がなかった。これに対し、今回の作品では2Dのディスプレイではなく、IP方式の3Dディスプレイを用いている。従って、表示されているそれぞれの物体が3Dになるので、雪だるま自体が立体的に見える。それに加え、雪だるまの手前や奥を含む、ピラミッド内全体に雪が降っているように見える。  神奈川工科大学と美濃商事は、今回の展示で、どのような用途があるかなどの情報収集を行うとともに、コンテンツ制作などに協力いただける企業を探し、その結果によっては、両者が協力して開発を行う予定。 (参考) ・新価値創造展2016(第12回 中小企業総合展 東京 2016)  日本全国の中小企業が、自社の強み、魅力、隠れた価値(製品・技術・サービス)を発信する展示会。今年は582社が出展する。  URL: http://shinkachi.smrj.go.jp/tokyo/2016/ ▼本件に関する問い合わせ先  神奈川工科大学情報学部情報メディア学科 教授 谷中 一寿  〒243-0292 神奈川県厚木市下荻野1030  TEL: 046-291-3214  E-MAIL: yanaka@ic.kanagawa-it.ac.jp  URL: http://www.kait.jp/index2.php  美濃商事株式会社 企画課 内本 宏  〒611-0041 京都府宇治市槇島町中川原58  TEL: 0774-23-5333 【リリース発信元】 大学プレスセンター http://www.u-presscenter.jp/

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