―家電の変化から生活空間の変化を読み解く
―家電の進化が空間デザインをより自由に
三井デザインテック株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:渋谷忠彦)は、1月20日(水)、インテリア商材専門のセルフコーディネートスタジオ「monovel(モノベル)」にて、“ライフスタイルと家電の融合”をテーマとしたトークセッションを三井デザインテックの見月伸一氏、ソニー株式会社 松本安司氏、monoマガジン編集ディレクター 土居輝彦氏の3名で実施しました。
トークセッションでは、土居氏が司会を務め、松本氏がソニーの最新家電を紹介し、それに対して三井デザインテック見月氏がインテリアや空間デザインの観点から解説するという形で進行しました。
◆家電は住空間から隠すモノから空間を演出する存在へ
見月氏は冒頭、従来の家電はインテリアに馴染まず、住空間・生活動線を制限するケースが多く、空間デザインでは家電を住空間から如何に隠せるかどうかが課題の一つだったが、家電の進歩とともにその捉え方は変わっていき、現在ではインテリアの一つとして融合してきていると、空間デザインにおける家電の立ち位置の変化について解説しました。
松本氏がその顕著な例として、生活空間の活用を意識して開発したソニーの最新家電を数点紹介。これらの商品を受けて見月氏は、場所を選ばずに好きなように使える家電は、人に刺激や新たな感動体験を与えることができ、「家電が空間からなるべく隠したい対象であった時代は終わり、空間と一体化し空間の環境を作る・演出する側に家電の役割は移ってきた」と語りました。
中でも、1月19日に発表した「ポータブル超短焦点プロジェクター」は、プロジェクターでありながら、コンパクトで持ち運びやすく、壁にTV番組やアートを映したり、テーブルや床にお気に入りのコンテンツを表示するなど、今まで考えられなかったような場所で映像を楽しむことができると松本氏は紹介しました。
また、同時に発表された「グラスサウンドスピーカー」もポータブルで住空間に溶け込むデザインなので、レイアウト自由度が格段に高まる新たな家電であると紹介した上で、音があるかないかで空間の体感は変わってくるため、「ライフスタイルに応じた様々な体験を演出できるのでは」と語りました。
◆家電と家具の進化で住空間はより自由なデザインが可能に
トークセッションの最後には、見月氏が家電の進化が空間デザインの考え方にどのような影響を与え始めているか解説しました。
見月氏は、「家電そのものの変化とテクノロジーの進化が相まって、住空間デザインを発想する際の制限がなくなってきています。従来は、間取りをテレビやソファの関係性から考えざるを得ないことが多かったですが、このようにTVそのものの存在が消えてくると、“アートを飾る感覚で映像を空間に一体化できるので、そのための如何に白い美しい壁のスペースを作ることができるのか”が家を作る際に最重要テーマになってくる可能性さえあります」と語りました。
また、家電やテクノロジーの進化は家での過ごし方にも変化を与えてきています。例えば以前は家族がソファに座りTVを見るという団欒のシーンがありましたが、近年のスマートデバイスの普及で家族が同じソファに座っていても個々が別々の過ごし方をするというように変化してきています。そのようなライフスタイルの変化を受け、スマホ操作や読書、タブレットで仕事など、多様な使用目的を可能にするアイランド型のソファやデジタルデバイスの充電機能を有したソファ等が登場し話題を呼んでいます。
最後に見月氏は、「これらのような家具や家電の変化を受けて、住空間の自由度は急速に高まり、家の間取りや考え方にまで影響を及ぼしています。TVやオーディオが場所の制約を受けなくなることで、ソファをリビングの中心に置いたり、スマートデバイスの発達を受けてPCを置くための大げさな書斎を作らず、コンパクトなデスクを複数置き気分によってワークスペースを使い分けるなど、趣味やライフスタイルの趣向を家に表現しやすくなってきていると言えます」とまとめました。
三井デザインテックでは、暮らしを変える未来空間の研究の一環として、家電や家具の変化と空間デザインの関係性について今後も調査・研究を続けていきます。
◆三井デザインテック株式会社とは
三井デザインテックは、主に住宅・オフィスをはじめとして、ホテル・医療・福祉・学校・賃貸マンションなど、あらゆる生活・事業に必要な施設のインフィル(内外装・設備・間取り)の創造を手がけ、お客様に「心地よい、満足できる空間」をご提供しています。
最新情報はオフィシャルサイトをご覧ください。
http://www.mitsui-designtec.co.jp/