地域の移動課題に挑む「Community Drive プロジェクト」、富山、広島に続き、千葉、兵庫、島根で新たに展開 2026年度国土交通省「地域交通課題解決プロジェクト」に3年連続採択決定
地域移動課題の解決に主体的に関わる人材を発掘・育成し、持続可能な活動基盤を構築、黒部市、福山市、市原市、豊岡市、松江市で進め、全国展開へ
地域の移動課題に挑むCommunity Driveプロジェクト(一般社団法人SMARTふくしラボ、株式会社日建設計、株式会社図解総研)は、富山県黒部市、広島県福山市に続き、千葉県市原市、兵庫県豊岡市、島根県松江市で新たに展開します。また、国土交通省「地域の交通課題解決プロジェクト」である2026年度「地域公共交通確保維持改善事業費補助金」に3年連続で採択され、本年度は、「交通空白解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト (モビリティ人材育成事業)」を実施します。本プロジェクトは、2024年7月に開始し、地域移動課題の解決に主体的に関わる人材の発掘・育成や、持続可能な活動基盤の構築を段階的に全国に展開していきます。STEP1として、住民・企業・行政・公的セクターとの連携を図りながら、各地域におけるプログラムの汎用性の検証および新たなモデルケース創出を目指します。
STEP1: 導入プログラム。住民・企業・行政・公的セクターを束ねる。セクター別WS+統合WSで機運を醸成し、コミュニティ・ドライバーを発掘する。
STEP2:モビLAB会議。月1回の作戦会議を実施。住民が「研究員」となり仮説を立てた上で、小さな実験を反復する。
STEP3:事業主体作り。実証から実装へ。持続可能な運営組織を設立する。
■Community Drive プロジェクトの進め方
Community Drive プロジェクトは、先行して発足した黒部市や福山市での取り組みを通じて、住民自らが対話を継続することによる地域での助け合いや、利害を超えた協力関係づくりを重視しています。これまでの課題や可能性に気づく調査・可視化に加え、住民自らが情報をつくり、課題解決を楽しいと感じられるワークの設計や、対話のプロセスをより継続可能な形へ磨き上げます。あわせて、公平で建設的な対話を住民自らが生み出し、活動を推進するためのガイドラインとして、様々な地域で応用できる体系的なCommunity Driveプログラムの整理と、対話を促進するための下記のようなツールも開発・活用します。
ツールについて:
移動課題マップ:複雑な課題の因果関係や「負のループ」を構造化した共通言語。付箋を関係者ごとに分類し因果を矢印でつなぎ、地域の課題感を可視化。
Kadai(課題ツール):図解総研の課題マップ作成アプリ(kadai.zukai.co)。手書き・付箋に加え、デジタルで課題マップを作成・共有。
モビ地図:個人の移動経路を時系列と位置で調査し、潜在ニーズや資源の重なりを発見。
ホンネPOST:アンケートに出てこない住民の「ちょっとした一言」を手軽に収集し、AIで解析・見える化。
Liqlid(リクリッド):株式会社Liquitous が提供する、市民の意見の直接収集や、対話の場の音声やSNS投稿を分析できる市民参加型の合意形成プラットフォームを利用。ワークで録音した音声も取り込んで分析・見える化にも活用。
■「Community Driveプロジェクト」立ち上げの背景と実績
6人に1人が後期高齢者となる2026年を迎え、少子高齢化が一層進む中、地方では福祉や防災などの移動課題が深刻化しています。人口約3.8万人、高齢化率32%(全国平均29%)の黒部市と同様の課題を抱える市町村は、全国1,718自治体のうち70%以上にのぼります(総務省統計局 令和2年国勢調査)。こうした状況は、地域住民の日常生活の安全や利便性を損ない、医療・介護サービスへのアクセスにも影響を与えます。加速する人口減少の中で、持続可能な仕組みづくりが今、求められています。このような課題意識のもと、Community Driveプロジェクトは2024年7月に発足。地域における移動の課題や未来に向き合う解決策を導き出し、地域(Community)の移動を促進(Drive)する人材となる「コミュニティ・ドライバー」の発掘と育成、および必要になるプログラムやツール開発を進めてきました。
具体的には、黒部市で2024年7月からプロジェクトをスタートさせ、行政・民間・市民というセクター別にワークショップやヒアリングを実施しながらプログラムとツールを開発しました。11月には集大成としてミライドライブワークショップを開催し、セクターを横断し、対話の場を形成し、それらの成果を束ねた発表会・フォーラムを実施しました。
■本年度の各地域の主な活動内容とロードマップについて
【富山県黒部市での展開】
富山県黒部市:人口約4万人、高齢化率32% *令和2年国勢調査人口等基本集計 以下同様
活動内容
モビLAB@黒部基地の実施と自走組織「CDPJくろべ」の設立に向けて人材育成、組織立ち上げ、関係者連携の3本柱を軸に推進していきます。
現在、約40名の移動課題解決に関心を持つ研究員(市民、企業、行政、応援者等様々セクターから参加)が活動中。今年度は、研究員がマイクロプロジェクト(小さな実証実験)を推進し、より主体性をもって課題解決に自ら取り組んでいく人材「コミュニティドライバー」として育成を図る。
2026年スケジュール
・キックオフ:8月7日(金)、最終報告会:2月5日(金)
地域課題を対話・調査・可視化・実行のプロセスを通じて解決へ導く人材
=コミュニティ・ドライバー(CD)
全7回の実践型プログラム「モビLAB@黒部基地」を実施。
参加者はマイクロプロジェクトを立ち上げ、現地調査・実証・成果発表まで一貫して取り組む。
STEP1対話、STEP2調査、STEP3可視化、STEP4実行。
<自走組織「CDPJくろべ」の設立>
「CDPJくろべ」― 持続可能な自走組織の設立。
持続可能な活動基盤として、2027年2月末までに法人格を持つ「CDPJくろべ」を設立する。
(設立メンバーCD 30名 確定/参画企業・組織5社/サポーター企業・組織10社/設立準備委員会2回開催(7月・12月))
【広島県福山市での展開】
広島県福山市:人口約46万人・高齢化率29%
活動内容
2025年度にSTEP1を実施。行政・企業・住民ワークショップやフィールドリサーチなどを通して、対話・調査・可視化を深め、延べ158名以上が参加しました。
2026年度はSTEP2へ進み、対話・調査・可視化を行いながら、マイクロプロジェクトとの実行、実施主体となるチーム編成や組織体の組成に向けて取り組んでいきます。
2026年スケジュール
・キックオフ:8月4日(火)福山駅前、8月5日(水)鞆の浦、最終報告会:1月30日(土)
<モビラボ福山駅前及びモビラボ鞆の浦の実施・自走組織CDPJふくやまの設立準備>
福山市では、市全域を網羅するモビラボ福山駅前と市南部エリアを中心とするモビラボ鞆の浦を8月から1月まで毎月実施します。また、それらと並行しながら自走組織CDPJふくやまの設立準備など、人材の発掘と育成、組織立ち上げ準備、関係者連携を軸に推進していきます。
取り組み主体:合同会社legato
連携先企業及び団体等:株式会社REHANOWA、福山電業株式会社、株式会社ネッツトヨタ広島
福山市、福山市まちづくりサポートセンター、福山市社会福祉協議会
【千葉県市原市での展開】
千葉県市原市:人口約27万人・高齢化率29.2%
活動内容
取組主体となる株式会社Liquitousは、過年度より市原市から「市民参加型共創プラットフォーム運用・支援業務」を受託しています。また、連携して取り組みを進める特定非営利活動法人いちはら市民活動協議会は、市民活動の中間支援団体として長らく活動してきました。昨年度、弊社が前述業務の一環として支援した市原市「孤独・孤立対策プラットフォーム会議」では、「こどもの居場所」に関して、こどもや保護者の移動課題があることが表出しました。こうしたことから、今年度は「いちはらこうしようプロジェクト」と称して、市が導入しているオンラインプラットフォーム「Liqlid」、対面ヒアリング、団体経由のアンケートを同時並行で実施しながら、この移動課題について、「こうだったらいいのに」と言っていた人が、「こうしよう」と言う側に移り変わっていくプロセスを形にしてまいります。
取り組み主体:株式会社Liquitous
連携先企業及び団体等:特定非営利活動法人いちはら市民活動協議会、市原市、株式会社ディーランド
など。
【兵庫県豊岡市での展開】
兵庫県豊岡市:人口約7.7万人・高齢化率34%
活動内容
2026年度から開始。官民共創組織である豊岡スマートコミュニティ推進機構(TSC)を基盤に進めてきた「豊岡福祉モビリティ」の社会実装に向け、地域の多様な主体が連携して移動課題の解決に取り組む「モビリティ共創ハブ」の構築と、実践に伴走する「モビリティ共創人材」の育成を進めます。課題整理・合意形成・人材育成等のツールとして本プログラムを活用し、全3回のワークショップを予定しています。8月24日(月)にキックオフを行い、11月、1月に開催予定です。
【島根県松江市での展開】
島根県松江市:人口約20万人・高齢化率29.7%
活動内容
2026年度から新規開始。人材育成と組織の立ち上げを一体で進める「モビラボしまね」を実施します。事業主体は、松江市でタクシー・コミュニティバスを運行する有限会社いやタクシーです。松江市の推薦のもと国土交通省の採択・交付決定されたことを受け、同社内に研究・実践部門「モビラボしまね」を新たに設置しました。地域の交通事業者自身が旗を振り、市民・事業者・行政が参画する組織づくりを進める点が特徴です。全6回のワークショップが、そのまま組織の運営会議を形成していくプロセスとなる設計です。参加者は全員「モビラボ研究員」として活動し、修了要件を満たした研究員を「モビリティ・プランナー」として認証します(初年度は研究員延べ100名以上、認証5名以上が目標)。8月20日(木)に関係者向けキックオフ、9月28日(月)に市民向けキックオフ、10月26日(月)に2部制で開催し、以降11月、12月、1月の全6回開催します。
【今後の進め方】
9月10日(木)にCommunity Driveプロジェクトの全体像および各地での取り組みについて共有するイベント(東京:日建設計PYNT竹橋)を実施します。黒部市を初め、各地域でも、地域住民向けに、1年間の具体的な動きについて共有する主要イベントを計画しています。11月に中間報告、2月に最終報告の機会を設ける予定です。また、プログラムを展開する各地でも同様に報告の場を設ける予定しています。
◆年間の主要イベント(標準の流れと時期)◆
1年目は立ち上げ 、 セクター別の対話 、 中間の共有 、 束ねる場 、 まとめを行います。
8月:各地域キックオフ各地域でプログラム開始・趣旨共有。
秋:セクター別WS、住民・企業・行政・公的セクターの対話会。
11〜12月:中間報告、途中経過の共有。
2月ごろ:最終報告会、ミライドライブフォーラム・1年の成果を発表。
【9月キックオフ(ミーティング)概要】
今年度のプログラムの実施内容や、3年目を迎え他地域で展開を開始するCommunity Driveプロジェクトが目指すことなど、今後の展望をお伝えします。
- 日 時: 2026年9月10日(木)15:00-17:30(-18:00 懇親会)*終了予定時刻(開場:14:30)
- 会 場:日建設計PYNT竹橋
- 住 所:東京都千代田区一ツ橋1丁目1-1 パレスサイドビル5階
- 電 話:03-5226-3030
- 主催者:Community Driveプロジェクト (一般社団法人SMARTふくしラボ/株式会社日建設計/ 株式会社図解総研)
- 参加者:黒部市・福山市・市原市・豊岡市・松江市のCommunity Driveプロジェクト実施予定地域の市民・行政・企業ほか多様なセクターの方々。
■一般社団法人SMARTふくしラボ プロジェクトマネージャー 小柴 徳明 コメント
「今年度は、モビLAB@黒部基地が進めているマイクロプロジェクトから少し大きなプロジェクトへ、そして事業化やサービス化を目指していきます。住民だけではできないことを行政と、住民と行政だけではできないことを企業と共創することによって課題解決を目指します。Community Driveプロジェクトは、移動課題解決とまちづくりに最も大切な『住民の主体性』を育み、『地域の合意形成』を図りながら共創の土台づくりを進めます。対立的にならず未来に向けた前向きな対話をしながら、コミュニティをドライブしていく人が地域で増えていけば、様々なテクノロジーやサービスを使いこなし、地域の課題解決が進むと信じて全国に展開していきます。」
■株式会社日建設計 執行役員 設計グループ代表 羽鳥 達也コメント
「Community Driveプロジェクトは、特定のツールやサービスの導入に依存せず、多くの地域にすでにある助け合いの関係や仕組みを活かし、住民自らが対話を継続していくことを重視しています。日建設計は、建築計画の現場で、多数の関係者の納得や合意に至るための対話を、126年間積み重ねてきました。蓄積してきた知見は、黒部や福山での取り組みを通じて、地域での助け合いや、利害を超えた協力関係づくりに役立てることができると気づきました。今年度、日建設計はこれまでの課題や可能性に気づく調査・可視化に加え、住民自らが情報をつくり、課題解決を楽しいと感じられるワークの設計や、対話のプロセスをより継続可能な形へ磨き上げることを検討します。公平で建設的な対話を住民自らが生み出していくガイドラインとなるCommunity Driveプログラムの完成に貢献できればと考えています。」
■株式会社図解総研 代表取締役 近藤 哲朗 コメント
「Community Driveプロジェクトでは、昨年度まで、移動にまつわる地域の課題を可視化し、小さな実証実験を行うなど、対話や実行の土台を築いてきました。今年度はその共有知を基盤に、個別の実験から持続可能な事業主体を構築するフェーズへ移行します。私たち図解総研は、複雑な利害関係や事業モデル、課題を取り巻く様々な構造を図解で可視化し、共創を促す共通言語をつくっていきます。地域の意思を形にし、実装へと進むための可視化を行いながら、共創のプロセスを力強く後押しします。」
■Community Driveプロジェクトについて
地域における移動の課題や未来に向き合い解決策を導き出し、地域(Community)の移動を促進(Drive)する人材である「コミュニティ・ドライバー」の育成と必要になるプログラムならびにツール開発を目指すプロジェクトです。福祉のDXを推進する一般社団法人SMARTふくしラボ(所在地:富山県黒部市)と建築・土木の設計監理、都市デザインを行う組織設計事務所である株式会社日建設計(所在地:東京都千代田区)、複雑な情報を図解で可視化する株式会社図解総研(所在地:東京都千代田区)により2024年7月に発足しました。開発する研修プログラムでは、実際に課題解決に取り組む地域の住民や企業、行政といった多様なセクターが集まり、データ活用をしながら、対話し、自分たちで未来の地域の移動を考えていきます。その過程で住民に主体性が生まれ、合意形成が促進し、「自分たちの移動を自分たちで考えていく」マインドを醸成します。本プロジェクトは、2024年度より、国土交通省地域の交通課題解決プロジェクトである「地域公共交通確保維持改善事業費補助金」(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000041.html)に3年連続で採択されています。
公式サイト:https://cdpj.jp
■一般社団法人SMARTふくしラボについて(https://smartfukushilab.org/)
SMARTふくしラボは、福祉分野のデジタル化、DX推進、新規事業創発、シンクタンク機能を持つ組織です。地域の大きな課題である移動にフォーカスし調査研究を進め、2023年度には国交省の共創モデル実証の採択を受け、介護予防、外出支援、公共交通の活性化をハイブリッドに解決する『地域丸ごとデイサービス「Goトレ」』を開発するなど持続可能な地域づくりに取り組んでいます。
「外出自主トレーニングプログラムGoトレ」(https://smartfukushilab.org/go-training/)
■株式会社日建設計について (https://www.nikken.co.jp/ja/)
日建設計は、建築・土木の設計監理、都市デザインおよびこれらに関連する調査・企画・コンサルティング業務を行うプロフェッショナル・サービス・ファームです。1900年の創業以来126年にわたって、社会の要請とクライアントの皆様の様々なご要望にお応えすべく、顕在的・潜在的な社会課題に対して解決を図る「社会環境デザイン」を通じた価値創造に取り組んできました。これまで日本、中国、ASEAN、中東で様々なプロジェクトに携わり、近年はインド、欧州にも展開しています。地域課題解決では、建物の災害時の避難計画を応用し、避難時間を地図上に可視化する「逃げ地図」を開発しました。この逃げ地図をつくるワークショップはこれまでに全国43都道府県133市区町村、全国の小中高30校以上で開催され、各地域のリスクコミュニケーションや避難に関する合意形成を促進してきました。地域住民、自治体職員など含め少なくとも延べ6000人以上が参加しています。
https://www.nikken.co.jp/ja/insights/benefits_of_the_escape_map.html
■株式会社図解総研について(https://zukai.co)
図解総研は、ビジネスモデル、会計、共創、政策のような複雑な概念を共通の型で構造化して図解するビジュアルシンクタンクです。相互理解のコミュニケーションコストを減らし、多様なステークホルダー同士の共通言語をつくることで、対話と意思決定、そして実行が前に進む土台を生み出すフレームワークから、それらを応用した書籍出版やプロダクト開発、共創の事務局運営・伴走、構想から実行までの一貫した支援を行います。これまでの主な書籍に「ビジネスモデル2.0図鑑」「ビジネスモデル3.0図鑑」「会計の地図」「パーパスモデル」「政策図解」があります。また、介護の課題や地域の課題など、複雑な課題の構造を可視化し課題同士の関係を整理することで、何を解決するべきかの議論ができる土台を生み出してきました。
