地域に根ざしたデザイン活動にフォーカスした企画展「山水郷のデザイン6 -Crafting Futures」を開催

公益財団法人日本デザイン振興会

9月16日(月)からGOOD DESIGN Marunouchiにて

公益財団法人日本デザイン振興会(所在地:東京都港区)が運営するデザインの発信拠点、GOOD DESIGN Marunouchi(所在地:東京都千代田区)は、2026年9月16日(水)から10月11日(日)まで、展覧会「山水郷のデザイン6 - Crafting Futures」を開催します。

■ 山水郷のデザイン展とは 
山水郷とは、土地の恵み="山水”と、人のつながりによって豊かな日常の営みが生まれ、育まれている場所="郷(さと)”を意味する造語です。日本各地の山水郷で、その土地の暮らしのなかで見出した固有の価値を、ものづくりや活動を通して拡げていくデザイナーが増えています。そして、こうした実践が、社会全体に新たな変化を生んでいます。
日本デザイン振興会では、2020年5月より「山水郷」で活躍するデザイナーに焦点を当てる配信番組「山水郷チャンネル」を開始、現在まで120名以上を紹介してきました。うち3組のデザイナーが、その活動を自ら展示紹介するのが山水郷のデザイン展です。
6回目となる今回は、高須賀活良/ハタオリマチのハタ印(活動拠点:山梨県富士吉田市・西桂町)、玉木新雌/tamaki niime(同:兵庫県西脇市)、塚原龍雲/株式会社KASASAGI(同:全国の伝統工芸産地)の3組による展示を行います。

開催概要
名称:山水郷のデザイン6 - Crafting Futures  
英語名称:Design of SANSUIGO 6 - Crafting Futures
会期:2026年 9月16日(水)- 10月11日(日)11:00-20:00/休廊日10月4日(日)・入場無料
会場:GOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区丸の内3-4-1新国際ビル1F) 
   https://marunouchi.g-mark.org/
ディレクター:井上 岳一(株式会社 日本総合研究所 チーフスペシャリスト)、
藤崎 圭一郎(東京藝術大学教授・デザインジャーナリスト)
主催:公益財団法人日本デザイン振興会

オープニングトーク・交流会
日時:9月22日(火祝) 17:00-19:00  
会場:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインハブ内)
   東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F   https://www.designhub.jp/access
ゲスト:高須賀活良/玉木新雌/塚原龍雲
モデレーター:井上 岳一/藤崎 圭一郎
 
昨年度開催写真

■ ディレクターメッセージ
 
藤崎圭一郎 東京藝術大学デザイン科教授・デザインジャーナリスト
「山水郷のデザイン」展ディレクター

明治初期、機械による工業生産がまだ広く浸透せず、「工芸」と「工業」の概念も明確に分かれていなかった頃、「工芸」は今日の工業を含む、ものづくり全般を広く意味していました。英語のcraftも、古くは力や能力、熟練した技能などを意味する、より広い言葉でした。しかし今日の日本では、いつの間にやら「手仕事によるものづくり」というイメージが、どちらの言葉にも強く貼り付いてしまいました。
本展をCrafting Futuresと題したのは、craftという言葉に、身体的な感受性を働かせ、問いと応答を繰り返しながら、対話を通して何かをつくっていく、という意味を込めたからです。素材や風土と対話する。歴史や記憶と対話する。職人や生活者と対話する。機械や道具と対話する。こうした対話を通してつくる営みは、みな「工(たくみ)の芸」であり、デザインの根源でもあります。今回出展していただいた3組の仕事のなかに刻まれた「対話の軌跡」を読み解いてみてください。
 
井上岳一(日本総合研究所チーフスペシャリスト)

20世紀のデザイン・ものづくりは大量生産・機械製造を前提にしたため、正確で均一な加工ができる人工素材を好んで用いました。20世紀を通じて、デザイン・ものづくりは自然や身体から離れる方向に進化しましたが、そのトレンドに抗し、自然や身体と向き合う中から、デザイン・ものづくりを編み直そうと試みる人々も出てきています。クラフト的だけれども、クラフトの枠を超えた型破りなデザイン・ものづくり。そこにデザイン・ものづくりが向かうべき未来のヒントが隠されているように思うのです。
 

■ 展示内容

1.「生産とデザインが溶け合うとき」
千年以上の歴史を持つ山梨県富士北麓の織物産地で、静かに変化しつつある新しい産地の形とそこで営みを続ける住人たちを紹介します。生産とデザインが溶け合うとき、工場ではなく人の顔が見えてくる。これは時代の中で生まれたただの現象か、日本中に派生していく「ものづくり」から始まる、新たなムーブメントとなるのか。
 

高須賀活良/アーティスト・アートディレクター・ハタオリマチのハタ印 総合ディレクター
東京造形大学特任准教授。2015年より「ハタオリマチのハタ印」総合ディレクター。郡内産地の子ども達に向けて、織物職人が織物文化を伝えるための教科書『ハタオリ学』(2024年度グッドデザイン賞受賞)の編著を手がける。自身はアーティストとして植物繊維や土を素材に「土から始まり土に還る」制作も同時に行う。
ハタオリマチのハタ印   https://hatajirushi.jp/



2.「人も動物も植物も、心地よい未来へ
玉木新雌/tamaki niime デザイナー
人も動物も植物も同じ。地球に生まれて、いのちをつないでここにいる。そのことをtamaki niimeで思い出してほしい。
いまは容易くものが手に入るけれど、誰がどんな思いでつくっているかがわからない。わからないと人は鈍感になる。
tamaki niime は播州織の産地、兵庫県西脇市を拠点に織り、縫製、染め、編み、販売まで一貫して取り組み、Lab(工房)をオープンにしてきました。原点に立ち返り、コットンを栽培し、糸をもたらす羊やアルパカと暮らしています。自然と向き合い、ひたすら手を動かし、まざまざと感じるのは生きているものすべてがつながり合っているということ。互いに支え合い、私たちは生きている。ここへ来て人と動物と植物とふれあい、手を動かしてもらいたい。すこやかなつながりから生まれてきたもののよさを、身につけて感じてほしい。気づかなければ、何も変わらないから。ものづくりを通し、心地よい未来をつくるきっかけをつくっていきたい。会社設立から20年、新たな20年に向けた、tamaki niime の挑戦です。
tamaki niime https://www.niime.jp/



3.「Philosophy of KOGEI」
工藝とは一人の意思ではなく、素材や風土、職人などあらゆる関係性の中で立ち上がるもの。KASASAGIはそのアプローチの中にこそ、工藝の真の姿を見い出してきました。本展示は私たちの旅路と挑戦をもとに工藝を紐解く試みです。私たちが考える工藝思想と、これからのものづくりの可能性を展示します。

塚原 龍雲/株式会社KASASAGI 代表取締役
2000年生まれ。高校卒業後に渡米し、現地で日本文化の持つ魅力と大きな可能性を再認識。帰国後、「日本の美意識で世界を魅了する」を掲げてKASASAGIを創立。近年はインド仏教最高指導者・佐々井秀嶺上人の許しを得て得度。Z世代の起業家として「Forbes CulturePreneur 30」に選出。
KASASAGI https://kssg0311.com
 

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