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大阪産業大学(大阪府大東市)はこのたび、産学連携の価値がどのように受け止められているかについて、学生にインタビューを行った。インタビューに応じた4回生の田中利玖さんと大歳丈翔さんは草場光博教授の光情報科学研究室に所属しており、学会発表や草場教授が出展した大型展示会で説明員を務めた経験を持つ。2人は産学連携のメリットや自身の成長、課題について学生目線で語った。
大阪産業大学では教育・研究の成果を社会還元するために、共同研究や展示会での技術発信、学会発表などを通した産学連携の取り組みを推進している。
光(レーザー)を使った応用研究に取り組んでいるシステム工学部システム工学科の草場光博教授は昨年1月、「nano tech 2025(第24回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)」に「ナノ秒紫外レーザー誘起ナノドット構造を付与した機能性材料開発」を出展。10月には「CEATEC 2025(Combined Exhibition of Advanced Technologies)」で、同研究で開発した技術とそれを応用した高効率シリコン太陽電池への展開について紹介した。
このたび、これらの展示に同行し、草場教授のサポートや来場した企業関係者らへの説明などを務めた4回生の田中利玖さんと大歳丈翔さんにインタビューを実施。田中さんは他大学の大学院に進学予定で、大歳さんはメーカーへの就職が内定している。2名は学生の立場から産学連携の価値について語った。
■企業と向き合い、研究の社会的意義を実感
草場研究室では、材料表面にレーザーを使ってナノドット構造を形成させることで無反射性や撥水性など従来材料にない新しい機能を付与する研究・開発を行っている。学生が学会発表や展示会へ参加することは、自身が取り組んで得られた成果を社会に向けて発信する貴重な機会となっている。
展示会で企業関係者と対話した印象について尋ねると、大歳さんは次のように語った。「最初は緊張しましたが、学生であることに関係なく、非常に専門的で踏み込んだ質問をいただきました。一研究者として対応いただけたことが印象的でした」。
また田中さんも「自分たちが卒業研究の中で得られた研究成果が企業の課題解決につながる可能性を感じました。卒業研究ではシリコン太陽電池を対象として取り組んでいますが、企業の方との議論を通じて、他の材料にも応用できると気づき、研究の出口が広がりました」と振り返る。
■学生が感じた産学連携の価値
産学連携に関わるメリットについて、大歳さんは「社会が何を求めているのかを知ることができました。自分たちが“誰もやっていない研究”に取り組んでいるという実感が、卒業研究へのモチベーションにつながりました」と言う。
一方、田中さんは「企業は学術的なことだけでなく実用化を重視しています。企業視点を知ったことで、研究を社会実装まで見据えて考えるようになりました」と述べ、大学院進学後も学術的な面と実用的な面の接点を意識して研究を深めたいと語った。
■伝える難しさと成長
学会発表や展示会に参加した経験から、田中さんは自身の課題について「専門用語を使わず説明する難しさを痛感しました。日本語でわかりやすく伝えることは想像以上に難しかったです」と率直に語った。また、大歳さんは「専門用語の背景まで理解していれば、自信を持って説明できることを学びました。知識の“点と点を線にする”作業が大切だと感じました。また、コスト面など企業特有の視点には十分に答えられず、課題を感じました」と振り返った。
両名とも、指導教員からの丁寧なフィードバックや説明の仕方の指導が大きな支えになったという。学会発表や産学連携の場への参加を教育の一環と捉える草場教授の方針が、学生の主体的な挑戦を後押しして、成長を促しているといえる。
■進路への影響
産学連携の経験は進路選択にも影響を与えており、田中さんは「学術的研究を深めつつも、社会実装を意識した研究者でありたい」と語る。一方、大歳さんは「学生でも価値を出せると実感できました。就職後は企業の立場から大学の研究成果をどのように製品へ活かせるかを考えていきたい」と抱負を述べた。
■学生が考える“良い産学連携”とは
最後に、学生目線での産学連携について尋ねると、田中さんは「外の場に出ることで自分の立ち位置を再確認できることが大切です。もっと企業の方と接する機会が増えれば、多様な視点を持てるようになると思います」と話した。
大歳さんは「私たち学生が受け身にならないことが重要です。挑戦の機会は沢山あるので、失敗を恐れず主体的に関わってほしい」と後輩へエールを送った。
今回のインタビューを通じて、学生の言葉から「学術的研究と実用化を結ぶ経験」「専門性をわかりやすく伝える力」「社会との接点の中で得た自信」といった産学連携の価値が明らかになった。これにより、産学連携が単なる研究成果の発信にとどまらず、学生の成長を促す“教育の場”として機能しているといえる。
大阪産業大学では今後も、教育・研究を通して学生とともに成長していく実りある産学連携の形を模索していく。
●光情報科学研究室
https://www.kusaba-lab.jp/
(参考:大阪産業大学公式サイト内)
・nano tech 2025(第24回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議)に出展しました
https://www.osaka-sandai.ac.jp/news/social_activity/55822/
・CEATEC 2025(シーテック2025)に初出展しました
https://www.osaka-sandai.ac.jp/news/social_activity/59766/
▼本件に関する問い合わせ先
学長企画室 企画・広報課
TEL:072-875-3001(代表)
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/