新日鉄の高環境適合性自動車燃料タンク用鋼板「エココート-S」が文部科学大臣表彰を受賞

新日本製鉄株式会社

新日本製鐵株式会社が開発した高環境適合性自動車燃料タンク用鋼板「エココート-S」が、「平成24年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)」を受賞しました。本賞は科学技術に関する開発、理解増進等において顕著な成果を収めたものの功績を讃える賞であり、当社は昨年度に引き続いての受賞になります。 1.受賞内容 (1) 受賞名 : 平成24年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門) (2) 受賞件名 : 高環境適合性自動車燃料タンク用Sn-Znめっき鋼板(商品名:エココート-S)の開発 (3) 受賞者 : 技術開発本部 八幡技術研究部 主幹研究員 黒崎 将夫         技術開発本部 八幡技術研究部 主任研究員 後藤 靖人         薄板事業部 自動車鋼板営業部 マネジャー 伊崎 輝明         八幡製鉄所 薄板部 マネジャー 水口 俊則         八幡製鉄所 薄板部 マネジャー 小山 勇昭         ※受賞者の所属は2012年3月時点  2.開発の背景 重要保安部品である自動車燃料タンクの材料には、燃料の不透過性や形状設計自由度が高い鉛-錫めっき鋼板が広く使用されてきましたが、地球温暖化問題の高まりから、腐食性の高いバイオ系燃料にも高い耐食性・耐透過性を示し、かつ環境負荷物質(鉛)フリーの新鋼板の開発が求められていました。 3.開発の内容 エココート-Sは、従来の鉛-錫に変わり、錫と亜鉛をめっきした鋼板です。錫のバリア耐食と亜鉛の犠牲防食の両機能が確実に発揮され、高い耐食性が得られる理想的なめっき組織を開発し、それを工業的に実現する製造プロセスを確立しました。 4.エココート-Sの特徴・効果 エココート-Sは以下のような特徴を有し、多大な社会的効果をもたらす製品です。 (1) 高い耐食性 従来の金属材料よりも数倍の耐食性を有し、燃料タンク・自動車の長寿延長に寄与します。また、今後拡大する腐食性が高いバイオエタノール混合燃料、バイオディーゼルなどの多様な燃料に対しても優れた耐食性を発揮します。 (2) 軽量化・燃費向上 母材に高強度鋼板(ハイテン)を使用することで、樹脂製タンクと同等以上の軽量タンクの製造が可能であり、自動車の軽量化・燃費向上に寄与します。 (3) 優れた環境性能 燃料の透過は全くなく、ハイドロカーボン(燃料中の揮発性有機物質)の透過規制にも対応しています(エタノールは容易に樹脂に浸透し、透過する)。また、環境負荷物質フリーで、100%マテリアルリサイクルが可能です。 エココート-Sは、2005年の発売以降、国内外の多くの自動車メーカーで採用されており、現在では金属製タンクの大半に使用されています。今後、バイオ燃料やハイブリッド車(燃料タンクの内圧が高い)の普及や環境規制がより厳しくなっていく中、当社は優れた環境性能を持つエココート-Sを市場に一層普及させていきます。 ※「エココート」は、当社の登録商標です。 (お問い合わせ先) 総務部広報センター TEL:03-6867-2135 以 上

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