~産総研・長崎大・山梨大とともに、病理医の人材不足解消を目指す~
日鉄ソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森田 宏之、以下、NSSOL)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託の下、「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業(※1)」の研究プロジェクトを開始しました。人工知能(AI)で病理医の病理画像診断業務をサポートする、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)、国立大学法人長崎大学、国立大学法人山梨大学との共同プロジェクトです。
生産年齢人口の減少および労働力の不足などの社会課題の解決につながる技術として、 AIに大きな期待が寄せられています。しかし、人がAIの推論結果を理解・納得することが難しいという理由から、特に社会的・経済的に影響が大きい分野への普及が進んでいません。
本事業でNSSOLが参画する「人と共に進化するAIシステムのフレームワーク開発(※2)」では、「人の知識を理解するAI」と「推論過程を説明できるAI」の開発を行います。これにより、人はAIの推論過程や推論根拠から新たな知見や気付きを得ることができ、AIは人の知見により推論精度を高めることができます。人とAIが互いに知見を得て、互いが成長できるような仕組みを整えることで、AI適用分野の拡大を推進します。
取り組むテーマは、人材不足が深刻な病理医の病理画像診断支援です。NSSOLは、病理画像診断を行う「専門タスクAI」と、専門タスクAIの精度を監視し必要に応じ病理医に追加情報を依頼する能動的な「監視システム」による、人とAIの対話型業務フローを研究開発します。また、産総研、長崎大学、山梨大学と連携し、開発した病理画像診断モデルや能動学習の技術評価を行います。このAIシステムのフレームワークを現場に適用することで病理医の人材不足解消に寄与し、国民の健康に広く貢献することを目指します。
NSSOLは、製鉄業向けの豊富な経験を活かし、様々な分野でデータ分析技術やAI技術の現場適用の知見を蓄積してきました。今年6月には、国内2例目となる認定医療情報等取扱受託事業者の認定を受け(※3)、7月には前立腺がんの病理画像診断の精度を競うKaggleのコンペティションで世界4位の評価を得る(※4)など、医療分野での研究開発も進めています。今後も研究開発を進め、「ファーストDXパートナー」としてITを駆使し社会課題の解決を目指していきます。
(参考)本プロジェクトにおけるNSSOLの研究開発領域
【採択事業について】
・事業名称:人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業
・研究開発項目:人と共に進化するAIシステムのフレームワーク開発
・委託期間:2020年~2022年(予定)
・事業者:産業技術総合研究所(長崎大学、山梨大学)、日鉄ソリューションズ株式会社
(※1)「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」を開始 (NEDO発表)
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101336.html
(※2)内閣府 総合イノベーション戦略推進会議が策定した「AI戦略2019~人・産業・地域・政府全てにAI~」の中核基盤研究開発の一つ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tougou-innovation/pdf/aisenryaku2019.pdf
(※3)NSSOL、次世代医療基盤法に基づく「認定医療情報等取扱受託事業者」の認定を取得
https://www.nssol.nipponsteel.com/press/2020/20200630_150000.html
(※4) NSSOLチーム、世界的なデータ分析コンペKaggleで第4位
https://www.nssol.nipponsteel.com/press/2020/20200827_130000.html
・NS Solutions、NSSOL、NSロゴは、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
・本文中の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。