京都産業大学ギャラリーでは、第28回企画展「いけばなを伝える―池坊短期大学資料を通じて―」を開催。京都で起こり、日本を代表する伝統文化となったいけばなの歴史について紹介した。
仏に供える花から発展したとされるいけばなは、室町時代には池坊が花を立てたことが知られ、江戸時代には華道書や作品集の出版、家元制度の確立などを経て、世間に広く受け入れられるようになった。このような歴史について、花伝書や作品図、花器、浮世絵などの展示から紹介した。
今回展示された資料は主に池坊短期大学図書館で管理されており、他所では2009年の一部公開以降は全く公開されていない。いけばなの資料は華道家など個人が所蔵しているものも多く、まとまった形で公開される機会は珍しい。今回がいけばなの豊かな世界と面白さを伝えるきっかけとなり、研究の進展へつながることを期待する。
また、関連イベントとして2回の講演会を開催。
5月19日は藤井 真 池坊短期大学准教授が池坊のいけばなの歴史や花形の意味、そこに込められた精神について講演。いけばなのデモンストレーションも行われ、参加者と一緒にいける場面もあった。お迎え花として立てられた立花(りっか)を含め、約2時間の間に5つもの花を迷いなく美しくいける様子に参加者も見入っていた。
6月9日は松本 公一 池坊短期大学教授が池坊のいけばなを中心に、他流も含めたいけばなの歴史について講演。いけばなを理解する上での3要素として、いける人あってこその「ヒト」、どこにどのように飾るのかの「カタ」、なぜいけばなをいけるのかの「ココロ」を柱として話が展開された。いけばなの起源とされる仏の前に供える花から、立て花、立花、抛入(なげいれ)花等の様式の展開をおさえつつ、その時代背景についても説明。古代~近世にかけてのいけばなの歴史・文化について広く知ることができる内容となった。
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
<関連リンク>
・第28回企画展「いけばなを伝える―池坊短期大学資料を通じて―」(4月30日~6月29日)
https://www.kyoto-su.ac.jp/events/20240430_869_ikebana.html
・講演会「いけばなを伝える―池坊いけばなの花形の変遷―デモンストレーションとともに―」を開催しました
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20240524_869_ikekouen1.html
・講演会「いけばなを伝える―ココロとカタチ―池坊いけばなの歴史を中心に―」を開催しました
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20240613_869_ikekouen2.html
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