独ミュンヘン、仏グルノーブル - Media OutReach - 2023年7月14日 - Infineon Technologies(FSE: IFX / OTCQX: IFNNY)とTeledyne e2v(NYSE:TDY)は、高い処理能力を必要とする宇宙システム向けのリファレンスデザインを開発しました。Teledyne e2vの宇宙エッジコンピューティングモジュールQLS1046-Spaceを中心とした設計で、放射線耐性を強化したInfineonの64MB SONOSベースのNOR型フラッシュメモリーで構成され、高性能の宇宙プロセシングアプリケーションを可能にします。このリファレンスデザインは、重量と通信の制約という宇宙固有の2つの課題に対処します。コンピューティングシステムの部品点数を削減し、エッジでの処理を可能にすることで、遅延を抑制し、通信の制約に対処します。
Teledyne e2vのQormino®製品シリーズのQLS1046-Spaceは、64ビットQuad Arm® Cortex® A72プロセッサーをベースに、4GB DDR4メモリーを搭載しています。このため、このモジュールはブートアップに不揮発性メモリーが必要です。放射線耐性を強化したInfineonのSONOSをベースとする不揮発性メモリーCYRS17B512は、プロセッサーのブートアップおよびFPGA構成に非常に最適化されています。このメモリーのQSPIバスは1.8V対応でQLS1046-Spaceと直接接続可能で、電圧レベルシフターが必要ありません。さらに2個のSONOS NORフラッシュメモリーを利用して冗長化を図り、宇宙用途における要件に対応することができます。
QLS1046-SpaceとCYRS17B512はいずれも放射線耐性の高い仕様となっており、宇宙空間での実稼働時の安全な運用と長寿命を実現します。この両デバイスを組み合わせたソリューションでは、100 krad(Si)の吸収線量(TID)、60 MeV.cm²/mgのシングルイベントラッチアップ(SEL)耐性を実現しています。
Teledyne e2vのアプリケーションエンジニアのThomas Porchezは次のように述べています。「Infineonのような価値あるテクノロジーパートナーと協業することで、評価の高い当社のエッジコンピューティングモジュールQorminoを中心とする製品エコシステムの構築を進めています。この新たなリファレンスデザインにより、宇宙システムの設計において、開発の手間を省きつつ、プロジェクトをスケジュールと予算に従い、これまでよりはるかに簡単に進めることが可能となります。」
Infineonの宇宙航空・防衛向けメモリーソリューション担当バイスプレジデント兼フェローのHelmut Puchnerは次のように述べています。「当社のNOR型フラッシュメモリーCYRS17B512とTeledyne e2vのQLS1046-Spaceプロセッサーモジュールは、要件の厳しい宇宙設計において優れた組み合わせとなります。高性能コンピューティングアプリケーション向けの強固な宇宙ソリューションの提供に必要なこの2つの主要コンポーネントを組み合わせたリファレンスデザインは、市場の高い関心を集めると期待しています。」
Teledyne e2vについて
Teledyne e2vのイノベーションは、ヘルスケア、ライフサイエンス、宇宙、輸送、防衛、セキュリティ、産業用市場における発展をけん引しています。独自のアプローチで市場ニーズや用途ごとに直面する課題を正確に把握し、密接な連携を通じてお客様のシステムの価値を高める画期的な標準化製品やセミカスタム製品、完全カスタマイズソリューションを提供しています。