駅を中心に「働く、暮らす、楽しむ」が充実する魅力ある拠点とコミュニティの形成を目指します
エリアマネジメントプロジェクト「おおたCOCOON」を通じ、交流と移動課題の解決に取り組みます
大田区と京浜急行電鉄株式会社(本社:横浜市西区、社長:川俣 幸宏、以下 京急電鉄)は、鉄道駅を中心とした持続可能なまちづくりを連携・協働し、推進していくことを目的に、2022年12月20日(火)に、「公民連携によるまちづくりの推進に関する基本協定」(以下 本協定)を締結しました。
COCOONひろば平和島で開催された地域連携イベントの様子
1.本協定締結に至った経緯
京急電鉄は、品川、横浜という首都圏有数のターミナルの中心にあり、羽田空港も位置する大田区を重要な拠点として捉えています。これまで両者は2012年の京急本線・空港線(京急蒲田駅付近)連続立体交差事業全線高架化完成を通じ、空港アクセスの向上と28箇所の踏切道が解消されたことなど、沿線環境が刷新されたことを契機に、共同でまちづくりに取り組んできました。
2019年には、高架化した区間の一部高架下に地域の「クリエイター」と「町工場」の拠点づくりを目的とした、ものづくり複合施設「梅森プラットフォーム」を開業し、以降、ものづくりの未来について議論するトークイベント「ラウンドテーブル」や中高生向け「課題解決型ものづくりワークショップ」などで連携した取り組みを進め、地域のにぎわいを創出してまいりました。このたび、活動をさらに強化するため、本協定を締結することとなりました。
2.本協定のポイント
京急線有数のターミナルの中心に位置する大田区においてエリアマネジメントを通じた公民連携のまちづくりを開始します。
本協定の締結を契機に、駅を中心に「働く、暮らす、楽しむ」が充実する魅力ある拠点とコミュニティづくりに向け、駅および駅周辺の都市基盤施設等の強化、まちづくり人材の育成や地域事業化支援、地域の遊休資産や公共施設の活用のほか、MaaS・モビリティ基盤整備など地域の移動課題解決を目指します。
※先行する取り組みとして、2022年8月から京急電鉄が推進する、地域と共創するエリアマネジメント構想「COCOON(コクーン)プロジェクト」の中で、大田区との協働により、平和島駅前において地域交流拠点「COCOONひろば平和島」を期間限定で設置するとともに、地域情報/MaaSサイト「おおたCOCOON」を開設しています。
3.本協定の主な内容
(1)名称
大田区と京浜急行電鉄株式会社との公民連携によるまちづくりの推進に関する基本協定
(2)目的
双方がそれぞれの持つ資源を活用して連携及び協力することで、対象地域の個性、特色及び強みを生かしながら、持続可能なまちの実現を図る
(3)主な対象エリア
大田区内にある京急線の沿線地域
(4)連携事項
①駅を中心に「働く、暮らす、楽しむ」が充実する魅力ある拠点形成
②区民が主体的に活動する地域コミュニティの形成
③羽田空港、臨海部、ものづくりなど地域資源を活かした国際都市としての魅力向上
④利便性の高い移動環境の整備
⑤SDGsの推進に関すること
(5)取り組み事項 ※カッコ内は今後検討したい取り組みイメージです。
①駅や駅周辺に求められる都市機能及び都市基盤施設の検討推進
(駅や駅周辺の機能見直しに向けた協議の開始、駅前へのシェアモビリティ拠点整備を通じた移動環境の改善など)
②地域の自立的な発展に資するまちづくり人材育成
(地域住民、地域事業者、地域団体などが参加するタウンミーティング、交流会、セミナーの開催など)
③まちづくりの基礎となる地域資源の発掘とプロモーションの推進
(地域資源発掘に向けたまち歩きの実施、地域周遊キャンペーンの展開、地域事業者と連携した企画きっぷなど)
④空き家、空き店舗、遊休地等のリノベーションおよび活用による地域活性化
(商店街、町工場などと連携した事業化マッチング・支援事業、地域遊休不動産リノベーションによる地域事業創出など)
⑤公共施設の活用策検討提案
(公民連携により、公共施設、公園、水辺、道路など公共空間などの柔軟な活用を検討など)
⑥モビリティ、MaaSの推進を通じた地域回遊性の向上
(MaaS機能拡充を通じたシームレスな交通ネットワークの強化、地域共通の予約・決済基盤による地域内消費拡大など)
⑦スポーツ、防災、脱炭素等の推進による地域課題等の解決
(スポーツ施設が多い臨海部への移動環境改善、EVシェアおよびMaaS整備を通じた環境負荷の少ない移動の実現など)
⑧その他、甲乙の連携による取り組みが必要と認められる事項
4.両者のまちづくり方針と相互価値提供
<参考>
1.大田区都市計画マスタープラン/おおた都市づくりビジョンにおける京急沿線各エリアの位置付け
平和島駅周辺:歴史・文化や浜風かおる生活と産業の拠点
蒲田駅周辺:にぎわいあふれる多文化共生の拠点
羽田空港周辺:国内外の産業や文化が集い交流する拠点
臨海部:世界を魅了する産業・スポーツ・憩いの拠点
羽田地区(大鳥居駅、穴守稲荷駅):国際都市おおたの玄関口にふさわしい、活力にあふれた安全・安心なまち
糀谷駅周辺:空港につながり、便利で安全・安心なまち
雑色駅周辺:親しみやにぎわいのある安全・安心なまち
2.地域情報/MaaSサイト「おおたCOCOON」の概要
(1)サービス開始
2022年8月26日(金)
(2)URL
https://ota.cocoonfamily.jp
(3)機能
イ.地域共通予約機能
ロ.オンライン決済機能
ハ.デジタルチケット機能
二.マルチモーダル経路検索機能 ※今後開設予定
3.まちづくり拠点「COCOONひろば平和島」について
(1)営業期間
2022年8月26日(金)~2023年8月末(予定)
(2)休業日
なし(フードトラックは不定期に休業の場合あり)
(3)所在
東京都大田区大森北6-95-1(京急線「平和島駅」隣接)
(4)面積
196.3㎡
(5)展開施設
・HEIWAJIMAタイニーハウス(シェアスペース、シェアオフィス)
・えきまえリビング(地域イベントスペース)
・フードトラック
・駅前モビリティステーション(大田区コミュニティサイクル)
・みんなの掲示板(地域情報発信)
4.エリアマネジメント構想「COCOON(コクーン)プロジェクト」について
(1)概 要
イ.沿線各エリアに地域の人々をやさしく包むエリアマネジメント活動=「COCOON(繭)」が存在し、地域のプレイヤー=「COCOONファミリー」がエリアの特徴を活かしながら、過ごしたくなる場所づくりに取り組みます。
ロ.人々は、普段、暮らし、働き、遊ぶ地域に愛着を持つとともに、その時の気分でCOCOON間を自由に移動し、誰もが自分らしく暮らせる沿線の実現を目指します。
ハ.三浦半島エリア「三浦COCOON」や、大田区エリア「おおたCOCOON」、横浜市南部「みんなの富岡・能見台丘と緑のまちづくり」など、沿線各エリアで進めてきた地域連携のエリアマネジメント活動を沿線全体に拡大することで、京急沿線版の「自律分散型まちづくり」を実現します。
(2)整備方針
京急沿線でのエリアマネジメント活動は、都市、商業地、住宅街、観光地などエリアごとの特性に合わせ、その地域のプレイヤー(COCOONファミリー)と共同で、「滞在環境の整備」、「働く場の創出」、「地域環境問題への取り組み」など地域課題の解決に向けローカルに進めていく。(ローカライズ領域)
一方で、その活動を支えるMaaSやモビリティ基盤などは共通化を進めることで、電車、バスを含めた地域生活者の移動や滞在利便性について、さらに快適にしていく。(共通基盤拡大の領域)
「ローカライズ」と「共通基盤拡大」を同時に進めることにより、まちの個性がより魅力的なものとして磨き上げられるとともに、沿線全体を気分に応じて移動しながら滞在する居場所を創出していくことで、京急沿線全体をサステナブルな地域としてエリア価値を高めていくことを目指す。
【イメージ図】
※「三浦COCOON」、「おおたCOCOON」、「横浜COCOON」以外のエリアに関しては、現時点のイメージです。
「COCOON」の由来
三浦COCOON開設時
三浦半島のコンセプトとして設定した「優しさ・やわらかさ」「来訪者を包み込む」「地元のつながり(糸)」を表現するうえで、性質の似た繭(COCOON)にたとえ、三浦半島のエリアマネジメントを「三浦COCOON」という名称としました。
京急沿線全体への拡大
京急沿線の個性的な「まち」についても、それぞれが持つやさしさや地元のつながりを同じく「COCOON」として位置付けることで、そこで生活するプレイヤーが活躍できると考え、今後は各エリアの個性的な「COCOON」を創っていくプロジェクトの名称として展開します。
(3)京急沿線におけるエリアマネジメントの取り組み
■三浦半島エリア
地域事業者、自治体など145団体(12月20日現在)参加の「COCOONファミリー」とともに、①組織化、②拠点整備、③MaaS整備、④モビリティ整備に取り組む「三浦COCOON」を推進
■富岡・能見台エリア
2018年に横浜市と連携協定を締結し「みんなの富岡・能見台丘と緑のまちづくり」に産・官・学・地域で取り組み、8つの地域創発リーディングプロジェクトを推進
■川崎エリア
2017年に川崎市と連携協定を締結し、産業や暮らしを支える地域活性化の実現に向けた取り組みを連携、協力して推進
■大田区エリア
2022年8月に「おおたCOCOON」を開設し、平和島駅前交流拠点「COCOONひろば平和島」や情報サイト「おおたCOCOON」を通じて、エリアの価値を高める取り組みを推進
2022年12月20日、本連携協定を締結し公民連携の取り組みをさらに推進
以上