住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)は「ウッドデザイン賞2022」で上位賞の奨励賞(審査委員長賞)を受賞しました。当社が施工した「みんなで作るみんなの郵便局『丸山郵便局』」、共同研究の「木材の未来を拓くゲノム診断技術」の2案件で、ともにウッドデザイン賞・ソーシャルデザイン部門での受賞です。
東京ビッグサイト内会場で12月7日、表彰式が実施されました。
(参考)ウッドデザイン賞受賞(10月)
https://sfc.jp/information/news/pdf/2022-10-31.pdf
【奨 励 賞 受 賞】
■みんなで作るみんなの郵便局「丸山郵便局」/日本郵政株式会社一級建築士事務所・日本郵便株式会
社・住友林業㈱・南房総市教育委員会・株式会社早川
<ソーシャルデザイン部門>【建築・空間分野】
- 「丸山郵便局」は日本郵政グループが推進するカーボンニュートラルの実現をめざす環境に配慮した郵便局(「+(ぷらす)エコ郵便局」)の第1 号店舗。
- 国内の郵便局として初めてCLT(直交集成板)を採用。
- 木造平屋建ての木のぬくもりがあふれる郵便局で施工を住友林業が担当。
- スギ材のCLTを壁に、スギ・ヒノキのハイブリッドCLTを屋根に、地域の子ども達と地元千葉県産の杉材を使って製作した「焼杉」を外壁部分に使用。天井は一面無塗装のヒノキCLTの現しとし、筆記台やお客さまベンチなど人が触れる部分にも積極的にCLTを活用している。屋根には太陽光発電設備も搭載。
循環型社会の形成に寄与し、SDGsへの貢献を果たしていく日本郵政グループの姿勢を示すプロジェクトです。
◎講評コメント
地域住民とともに参加型のプログラムを採用しながら、木造化を実現したアプローチは自分事化の好例である。郵便局という地域密着かつ店舗数の多い社会インフラがこうした取り組みを推進する意味は大きい。
■木材の未来を拓くゲノム診断技術
/住友林業株式会社・北海道立総合研究機構森林研究本部 林業試験場・北海道立総合研究機構森林研究本部 林産試験場
<ソーシャルデザイン部門>【調査・研究分野】
- 国産材の用途を広げるための新品種開発を加速する研究。
- 樹木のゲノム情報(DNA中の塩基配列、全ての遺伝情報)を診断に利用して新品種開発のスピードアップを図る。
- 本研究では苗木のゲノム情報から将来高強度材になる樹木を診断することで、大型建築の構造材にも利用できる高強度品種の開発に繋げる。
- 住友林業はゲノムと材質のビッグデータ解析を担当。
- カラマツとグイマツを掛け合わせた雑種の1つ“クリーンラーチ”を対象品種として研究開発。
木材が持つ可能性を広げてサーキュラーエコノミーの実現を目指し、日本の森林および木材の付加価値向上に寄与します。
◎講評コメント
効率的かつ市場の需要に応える木材の供給と利用に貢献する先進的な技術開発である。本作品の研究対象はカラマツだが、多様な木材調達の選択肢が増えることで、多様な木造・木質化の設計や開発の幅が広がっていく。
住友林業グループは国内外で森林経営から木材建材の調達・製造、木造建築、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業を展開しており、これからも木の魅力を最大限に生かした付加価値の高い商品、サービスを提供していきます。