PwCあらた有限責任監査法人
2022年10月26日
PwCあらた有限責任監査法人(以下、「PwCあらた」)では、日本企業におけるサステナビリティに対する認知度がどの程度高まっているかを明らかにすることを目的に、2016年より一部上場企業(現プライム市場上場企業)に勤務する方々を対象にアンケート調査を実施し、その結果をレポートとして発表しています。
隔年で実施している本調査も今回で第4回目となりました。ESG投資の進展やコーポレートガバナンスコードの改訂により、企業のサステナビリティの取り組みはますます重要になってきていますが、日本企業におけるサステナビリティへの理解や認知も、それに応じて年々高まってきていることが本調査より明らかになりました。
【主な調査結果】
1. コーポレートサステナビリティに対する認知度の高まり
コーポレートサステナビリティという言葉の認知度は年々高まっており、今年度の調査では回答者の42%が「人に説明できるだけ知っている」と回答している。同時に、「知らない」と答えた人は11%まで減っている。
*コーポレートサステナビリティを「人に説明できるだけ知っている」と答えた人は過去4年間で31%から42%まで増加
2.コーポレートサステナビリティの焦点のシフト
何がサステナビリティの取り組みかという認識は、調査を開始した2016年から現在まででそれほど大きな変化はなく、引き続き「操業における環境負荷削減(事業所や製造拠点における環境負荷削減)」「コーポレートガバナンスの強化」「ダイバーシティの推進」の3つの取り組みがサステナビリティの取り組みと認識されている。個別の取り組みで見てみると、「サプライチェーンにおける環境・社会配慮」がサステナビリティの取り組みであるとの認識は過去6年で大きく向上しており、一方で「社会貢献活動」をサステナビリティの取り組みと選択する人は減少してきている。「社会貢献活動」を企業のサステナビリティの主要な取り組みであると認識している人は年々減少傾向にあり、その割合は20%にまで縮小
3.サステナビリティ情報開示に関する認識
78%の回答者はサステナビリティの取り組みを社内外のステークホルダーや顧客に伝えることは重要であると考えている。一方、83%が社内外へ取り組み情報を十分に伝えることができていないと考えている。この大きなギャップはなぜ存在するのか、各社が情報開示やコミュニケーションにおける課題を明らかにし、それに対応することが必要になると思われる。78%の回答者がサステナビリティの取り組みをステークホルダーに伝えることが重要であると認識
本レポート詳細につきましては、以下URLよりご覧ください。
コーポレートサステナビリティ調査2022―日本企業のコーポレートサステナビリティへの認知度に関する調査―
このほか、PwCあらたでは10月12日に、「TCFD提言に関する開示状況の分析(2022年3月期有価証券報告書)」を公表しました。
気候変動のリスク・機会の開示義務化への対応を行う上場企業を対象とし、2022年3月期の有価証券報告書で気候変動関連の開示を行っている企業について、TCFD提言に関する開示状況の分析・調査を行ったものです。
✔有価証券報告書にTCFD提言に関する開示を行っている非金融企業の割合は、2021年3月期の10%から2022年3月期の35%に増加し、金融企業の割合は23%から50%に増加しました。
詳細につきましては、以下URLよりご覧ください。
TCFD提言に関する開示状況の分析(2022年3月期有価証券報告書)
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/sustainability/tcfd-analysis04.html