PwCは、調査レポート”世界の消費者意識調査2021-「より良い暮らしを求めて」変化する世界の消費者”を発表しましたので、日本語翻訳版をご案内します。
現代社会において最も甚大な健康被害をもたらしたと言っても過言ではない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。しかし、その猛威は人々に、個人や集団が持つ力を再認識させ、生活のあらゆる面を見直すきっかけになりました。コロナ禍を生き抜くため、消費者は新たな生活様式へ移行し、順応しようとしています。感染拡大の当初、以前から兆候のあったトレンドを加速させるこれらの変化が一時的なものなのか、それとも今後も続くものなのか、多くの企業経営者は疑問に感じていました。今回の調査レポートでは、2021年3月に実施した調査結果を基に、今まさに加速しており、且つ今後も続くと思われる注目すべき5つの変化について解説します。
注目すべき5つの変化は、以下のとおりです。
1. よりデジタルに
- 「オンラインでの食料品購入の増加」「Z世代のアプリ利用によるワクチン接種枠の確認」「企業のリモートワーク推進」など、消費者のデジタル化が大幅に加速
- 今回と前回の調査を比較すると、世界の消費者の半数以上がデジタルへの依存度を高めており、特にブラジル、エジプト、メキシコで顕著な傾向が見られた
- モバイルショッピングの消費が明らかに増加している。実店舗での買物がわずかな回復にとどまった一方で、携帯電話を利用した買物は2018年の2倍以上まで急上昇した
2. より健康志向に
- 消費者の健康意識は6カ月前より向上している
- 以前より「健康維持」を意識するようになったと回答した人の割合を見ると、通勤中心の消費者が46%であったのに対し、テレワーク中心の消費者は55%で、ワークスタイルによる差異が見られた
- 健康意識の向上は実店舗での買物行動にも現れており、安全・衛生を重視する人が前回よりやや増加し、消費者全体の4分の1を占めた
- また、前回と今回の調査のいずれにおいても、ほとんどの消費者が「環境問題」より「安全・衛生」を重視しているという結果が出ている
- 「環境問題」より「安全・衛生」を重視する傾向は、おそらく今後数カ月は続くだろう。しかし、COVID-19のワクチン接種を受ける人が増えれば、この傾向は緩和されると考えられる
3. より環境に優しく
- 今回の調査において、以前より「環境への配慮」を意識するようになったと回答した消費者の割合がグローバル全体の半数に達した
- 「テレワーク中心の消費者」と「通勤中心の消費者」の間には明確な差があり、前者のほうがより環境を重視している
- 世代別の傾向を見ると、コア・ミレニアル世代(27~32歳)の58%が前回調査より「環境への配慮を意識するようになった」と回答
- しかしZ世代にはこのような変化は見られず、X世代を下回ったどころか、ベビーブーム世代とも大差なかった
4. より価格志向に
- 大半の消費者が以前より節約志向になったほか、価格意識の向上も見られた
- オンラインで買物をする頻度が、前回調査と同程度または増加した理由として、多くの商品カテゴリーにおいて1位は「価格」で、他の項目を大きく上回っている
- 2回目となる今回の調査では、特に生活必需品以外のカテゴリーにおいて支出を控える消費者が多かった
- しかし、経済の回復が進むにつれて、この消極的な傾向は改善されると見られ、貯蓄の習慣は残るものの、消費者の財布の紐はいずれ緩むだろう
5. よりローカル志向に
- 世界の消費者の43%が前回の調査以降、「ローカル志向になった」と回答しており、コロナ禍の中でローカル化の流れが生まれている
- 「ローカル化」とは、言い換えれば隣近所の商店で買物をすることであり、「地元の事業者を応援している」と回答した人は前回調査から6ポイント増加した
- 「地元の商店での買物を増やしている」と回答した人も、前回調査時と比べて増加した
- ローカル化の傾向はテレワーク中心の消費者において特に強い
■本調査レポートのURL
本調査レポートはこちらよりダウンロードいただけます。
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/consumer-insights-survey.html