びわこ成蹊スポーツ大学(滋賀県大津市)は11月7日、大津市民会館にて特別講演会「スポーツが未来を変える」を開催した。このイベントは1年次生の授業「成蹊スポーツ基礎演習」の一環で、スポーツの多様性と多元性についての知識の幅を広げ、その理解をより深めることが目的。また、新型コロナウイルスにより大学の行事等が中止となり、本来のキャンパスライフを送ることができていない1年次生のために企画されたものでもあった。
開会にあたって、入口豊学長が「講演会のテーマに『スポーツが未来を変える』とありますが、未来を変える主役になるのはあなたたちです。本学の学生になった自覚をもって、明るく元気で楽しい学生生活を送ってください」と挨拶した。
第1部では佐々木則夫特別招聘教授(女子サッカー日本代表元監督)が「日本女子サッカー 世界への挑戦」について講演。
冒頭で2011年になでしこジャパンが世界一に輝いた時の映像を流し、当時を振り返った。その後、自身の経験から生み出された二つのキーワードを用いて学生たちに語りかけた。
一つ目は「成功の反対は失敗でなく、チャレンジをしないということ」。佐々木教授は、チャレンジすることを恐れずトライして欲しい、何もしないことには何も生まれないと伝えた。二つ目は「自己教育」で、高校までは他者から受ける教育であったが、これからは自分からアクションを起こして学ぶことが重要となると語った。
世界の頂点を見た佐々木教授の言葉には重みがあり、これらができるどうかで将来に差がつくという話に、学生たちは真剣な表情で聞き入っていた。
第2部では、佐々木教授、大河正明副学長(B.LEAGUE前チェアマン)、植田実教授(元リオ五輪テニス日本代表監督)というメンバーに加え、元新聞記者の城島充教授がコーディネーターを務め、パネルディスカッションを実施。
また、学生を代表して木村茜さん(4年次生・スポーツ情報戦略コース)も参加し、城島教授と共に3名のパネリストが描く「スポーツの未来」について鋭く迫った。
まずは、学生生活では何を考えてどのように過ごしていたのか、そして人生の転機についてトークが展開。
佐々木教授は、インターハイでの優勝経験は選手としてというよりも、マネジメント的な要素での自信がつけられた転機となり、その後大学で指導者への道を拓くことになったと振り返った。
大河副学長は、学生時代は日本中をドライブし、実は遊びを通して得た経験の方が多いと場を和ませた。銀行からの出向がきっかけで、スポーツ界で仕事をすることになった経験から、「人生どこにチャンス・ピンチがあるかわからないので、若い時こそリスクをとってチャレンジして欲しい。特にグローバルな目線を持って欲しい」と学生に語りかけた。
植田教授は、ネガティブな転機の後にエネルギーが沸き上がり、ポジティブな転機に代わることがあったシーンについて振り返りながら、「いいこともあまり続かないが、悪いこともそう長くは続かない。未来には多様性・可能性があるのに、出会わず終わるのはもったいない」と、言葉に力を込めた。
最後に、パネリスト3名と学生代表の木村さんから、コロナ禍で戸惑い、悩み、戦う1年次生に向けて、エールを込めたメッセージが送られた。
「コロナ禍で大学生活をスタートしたことは、確かに大変辛いかと思います。しかし、この状況に悲観することなく自己教育をして社会へ旅立ってください」(佐々木教授)
「一生懸命だと知恵が出ます。中途半端だと愚痴が出ます。いい加減だと言い訳が出ます。勉強も部活動も人生も、是非知恵を出す生き方をしてください」(大河副学長)
「大いなる好奇心を抱いて欲しい。好きなものを極めて、そしてそれがスポーツに関わることであって欲しいです」(植田教授)
「登壇している立場でありながらも、パネリストのお話からたくさんのことを学びました。何事も貪欲に吸収して、自分の目線に立って実践できるかが大切だと思います」(木村さん)
また、コーディネーターの城島教授から「学生と教員の距離が近いことは本学の魅力のひとつ。教員は皆、学生たちの学ぶ意欲に応えるため、研究室の扉を開けて待っているので、気軽に訪れて欲しい」とコメントがあり、特別講演会は閉会した。
【特別講演会を受講した学生のコメント】
・佐々木先生の自分の思いを形にする行動力の素晴らしさに感心しました。また植田先生のような輝かしい功績を持つ方にも、実はどん底の時期があったことを知り、自分の納得のいく環境を作るのは、周りではなく自分自身の行動だと感じました。
私はこの大学に来たのはスポーツビジネスを学び、そこから広がる将来のためです。この講演を受けて、夢を夢で終わらせないよう自らが律し行動しようと、改めて心に決めるきっかけとなりました。(岡本 七海さん)
・登壇されている先生方や4年の先輩も含めてみなさん素晴らしい経歴をお持ちなので、その方々が経験してこられたお話にはとても説得力がありました。この大学に入学してみて、オリンピックに関わることをされている先生やテレビの取材をお願いされる先生がいらっしゃったりと、他にも有名で教育熱心な先生がたくさんいらっしゃることを知りました。
私は講演の中での自己教育という言葉が一番心に残っています。このように恵まれた環境を最大限に活かして、自己教育して社会へ旅立てるようチャレンジングな学生生活を過ごしたいと思います。(饗庭 愛さん)
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びわこ成蹊スポーツ大学 総合企画部 企画広報課
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