第3回「三井ゴールデン匠賞」受賞者決定!

地域に新たな伝統工芸をもたらした独自研究、職人の就労環境の整備や若手育成、環境に配慮した原材料の開発など、伝統工芸の持続・発展に貢献した取り組みを評価 
本日よりモストポピュラー賞の一般投票開始 3月10日まで受付

三井グループ24社で構成する「三井広報委員会」は、日本の伝統工芸の持続・発展に貢献する業界関係者・団体を表彰する第3回「三井ゴールデン匠賞」において、ファイナリスト18組を対象に厳正なる本審査を実施し、5組(個人および団体)の受賞者を決定いたしました。

この度の受賞者は、地域に新たな伝統工芸をもたらした独自研究や、職人の就労環境の整備、若手育成につながる工芸品づくり、環境に配慮したサステナビリティの高い原材料の開発などに取り組んできた方々が選出されました。また、応募いただく産地が多様化するなかで、山梨県・京都府・宮崎県の3県は、今回初めて受賞者を輩出しました。

今回選出された受賞者の中から、3月23日(月)開催の贈賞式にて、審査員の選出による「グランプリ」と一般投票での選出による「モストポピュラー賞」を発表します。

「モストポピュラー賞」の一般投票はインターネット上で3月10日(火)まで行います。
(投票ページ:https://mgt.mitsuipr.com/about/winner.html

【 第3回 「三井ゴールデン匠賞」 受賞者一覧 】(下記写真左より / 50音順)
  • 秋山眞和 所属:綾の手紬染織工房(宮崎手紬(綾の手紬)/宮崎県)
  • 株式会社 大直 代表:一瀬 美教(市川和紙/山梨県)
  • タヤマスタジオ 株式会社 代表:田山 貴紘(南部鉄器/岩手県)
  • 株式会社 堤淺漆店 代表:堤 卓也(漆精製・販売/京都府)
  •  所属:三条製作所(越後三条打刃物/新潟県)

※今後のスケジュール



【 第3回 「三井ゴールデン匠賞」受賞者 講評 】

●宮崎県綾町を、新たな染めの産地に! 古来の染色を再現し、それに合う糸を作るための養蚕まで独自に研究
秋山 眞和(あきやま まさかず)
所属:綾の手紬染織工房 宮崎手紬(綾の手紬)/宮崎県
紫色に染められたシルクのストール。その発色、織りの緻密さに「素晴らしい技術」だと絶賛されたが、それ以上に、理想とする染めと織りを追い求める秋山眞和氏の姿勢が審査員の胸をうった。古法を踏襲した天然藍染めと、藍の発酵からヒントを得て「幻の色」とされていた貝紫の染色方法を解明、日本産巻貝を用いて還元建て染めに成功し産業化への道を拓いた。染めの産地ではない場所にもかかわらず、徹底的に取り組み、さらには理想の絹糸を手に入れるため原種「小石丸」の養蚕まで手がける。そのものつくりへの情熱が高く評価された。

伝統的な和紙技術を活かし、若者に支持されるバッグやペンケースを開発!デジタル化による、職人作業の効率化も
株式会社 大直(おおなお) ※団体として受賞
代表:一瀬 美教 市川和紙/山梨県
「紙という伝統工芸の英知を残しながら、魅力的なプロダクトとして進化している」と、好評を得た大直。生産量が最盛期の3分の1にまで減少していた市川和紙を復興すべく、破れにくい障子紙「ナオロン」を開発。さらには、ナオロンをくしゃくしゃにすることで風合いを出し、工業デザイナー・深澤直人氏と和紙製品「SIWA」を共同開発。日用品として展開し高い完成度でブランドを確立した。当事業を担当する従業員を新たに確保するなど、地域雇用にも貢献。商品開発、デザインノウハウを社内で蓄積、社外デザイナーとの連携、海外展示会出展等の海外事業のノウハウも蓄積し、持続的に事業継続をするために務める。一方で、伝統的なものづくりを継承するクラフトブランド「めでたや」とのバランスのよさも注目された。

若手職人が全工程に携われる工芸品を創出し、後進育成に貢献! 職人の就労環境の整備や、組織編成も推進
タヤマスタジオ 株式会社 ※団体として受賞
代表:田山 貴紘 南部鉄器/岩手県
南部鉄器の伝統工芸士である父・田山和康氏(田山鐵瓶工房代表)を顧問にその技術を受け継ぎながら、職人の就労環境の整備、多様なメンバーの組織編成など人材育成面での取り組みが高く評価された。特に、技術を習得するには10年はかかるといわれる南部鉄器の製造において、若手職人でも全工程にかかわれるよう加飾面での工程を減らした鉄瓶「あかいりんご」の企画は、安価な代替品と競うための工程短縮とは違い、量産材料の使用、機械化に頼らざるを得なかった状況を大きく変え、従来の伝統工芸品と機能的に劣らない品を仕組みの工夫により提供可能にし「今後の展開が期待される」と好評だった。

●環境に配慮した、サステナビリティの高い漆を開発・提供! 漆の耐久性を大きく向上し、スポーツ用品に応用も
株式会社 堤淺吉漆店(つつみあさきちうるしてん) ※団体として受賞
代表:堤 卓也 漆精製・販売/京都府
漆の原材料店として、国内外の漆の特徴を見極めニーズにあわせて調合する技術の高さは業界で欠かせない存在、と高く評価された。1999(平成11)年には、紫外線や雨風に強い高分散精製漆「光琳」を開発。日光東照宮・平成の大修理など重要建造物の修復に採用される。一方で、若い世代が中心となり、2016年からは漆を次世代へとつなぐプロジェクト「うるしのいっぽ」を開始。東京オリンピック種目にも選ばれたサーフィン、BMX、スケートボードなどスポーツ用具分野の漆塗装の可能性、環境への配慮、サステナビリティの高さを提案。まさに、新しい工芸の姿といえる。

鍛冶技術の真髄を極める和剃刀を製作! 若手職人の指導や、工芸・技術を広める活動にも積極的に取り組む


水落 良市(みずおち りょういち)
所属:三条製作所 越後三条打刃物/新潟県
古くから金物の産地として知られる三条でも高い技術を持ち、老若多くの職人にとって「精神的支柱」といわれる水落良市氏。「世界の鍛治職人イワサキ」と呼ばれた岩崎重義氏のもとで修行を積む。和剃刀を専門で製造できる職人は全国でも類を見ず「つけ替え刃が主流となったなかで和剃刀の需要は小さいかもしれないが、間違いなく鍛冶の真髄のひとつ」と、高評価を得た。若手鍛冶職人志望者の受け入れも熱心に行っている。


【 審査員による全体講評 】
回を重ねるにつれて応募数が増加し、想像を超えるようなジャンルからの応募も目を引いた第3回三井ゴールデン匠賞。素晴らしい工芸品およびその取り組みはもとより、これまでは裏方とされてきた材料・素材を扱う専門店や組合、工芸を世に知らしめるギャラリーやメディアなど、実に今現在の工芸の多様性を感じるエントリーだった。
新しい審査員を迎え、白熱した審査会。結果、従来にはなかった違うジャンルのエントリーも多く残り、20年代にふさわしい、未来に向けたフレッシュな賞となったのではないだろうか。


【 第3回三井ゴールデン匠賞 について 】
伝統工芸界には、後継者不足など課題があるなか、日本の伝統を継承しながら未来につながるものづくりに真摯に取り組み、さらに発展させている伝統工芸の担い手がいらっしゃいます。本賞は、日本の伝統を次世代につなぐ取り組みを応援するものです。
■主催:三井広報委員会
■後援:経済産業省、一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会
■賞の種類/賞金:
・三井ゴールデン匠賞:各50万円
・グランプリ:50万円(三井ゴールデン匠賞と合わせて計100万円)
・モストポピュラー賞:20万円(三井ゴールデン匠賞と合わせて計70万円)
■モストポピュラー賞 一般投票受付:~2020年3月10日(火)
■贈賞式、グランプリ・モストポピュラー賞発表:2020年3月23日(月)

【 審査基準 】
「技術・技能」、「持続性」、「貢献度」の3項目を審査基準とし、
その視点から未来につながる取り組みを評価しています。
審査項目においては、「貢献度」を最も重視しています。
<技術・技能> 優れた技術・技能を有している
<持続性> 時代の変化に沿って自身の取り組みを次世代につなげている
<貢献度> 自身の取り組みが、伝統工芸の産業および産地の発展に寄与している

  

【 審査員 】
赤沼 多佳(公益財団法人 三井文庫 三井記念美術館 参事)
イェンス・イエンセン(英国『Wallpaper*』誌 ジャパン・エディター)
菅野 康晴(『工芸青花』 編集長)
外舘 和子(工芸評論家・多摩美術大学 教授)
水野 学(クリエイティブディレクター、good design company 代表)
矢島 里佳(株式会社和える 代表取締役)
山田 遊(株式会社メソッド 代表取締役、バイヤー、監修者)

【 三井広報委員会について 】
三井広報委員会は、三井グループ企業24社で構成し、様々な文化活動および広報活動を通じて、国際交流や地域社会の活性化に貢献するとともに、社会の繁栄と福祉に寄与し、三井グループのより一層のイメージ向上を目指しています。

<主な活動>
「三井ゴールデン匠賞」の提供
「三井ゴールデン・グラブ賞」の提供
「三井ゴールデン・グラブ野球教室」の開催

三井広報委員会公式サイト:https://www.mitsuipr.com/
三井ゴールデン匠賞公式サイト:https://mgt.mitsuipr.com/

会員会社一覧
三機工業 新日本空調 三井住友建設 サッポロホールディングス 東レ 王子ホールディングス デンカ 三井化学 日本製鋼所 三井金属 東洋エンジニアリング 三井E&Sホールディングス 商船三井 三井物産 三越伊勢丹ホールディングス 三井住友海上 三井住友銀行 三井住友ファイナンス&リース JA三井リース 大樹生命 三井住友トラスト・ホールディングス 三井不動産 三井倉庫ホールディングス エームサービス

本件に関するお問合わせ先
<報道関係者からのお問い合わせ先>
「三井ゴールデン匠賞」広報事務局 株式会社プラップジャパン 丸山、竹之下
TEL:03-4570-3191 / FAX:03-4570-3189 / Email:mgt_pr@ml.prap.co.jp

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
三井広報委員会
ホームページ
https://www.mitsuipr.com
代表者
三井広報委員会 事務局
上場
非上場
所在地
〒107-0052 東京都港区赤坂3-11-3赤坂中川ビル3F
連絡先
03-3505-6406

検索

人気の記事

カテゴリ

アクセスランキング

  • 週間
  • 月間
  • 機能と特徴
  • Twitter
  • デジタルPR研究所