フィーチャー100 Vol.51 ~おもてなしの裏側にある、ちょっといい話~
こだわりの二大ブランド牛の食べ比べをお楽しみいただける京王プラザホテル本館7階の〈やまなみ〉。
その味わいのひみつは、飛騨牛・神戸牛という選りすぐりの肉をご用意していることはもちろん、食材を生かす巧みな鉄板コントロールの技にあります。
食材に合わせたちょうどよい焼き加減の温度を計るのは、焼き手の手のひら。熱い鉄板から3cm程の高さに手のひらをかざし、ベストの温度を探るのです。広い鉄板の中でも焼ける場所は意外に狭く中心から端までの温度差を巧みに使い分けて焼く技術は、やはり習得に年数が必要とのこと。焼き手は鉄板上の「上がっていく温度」と「下がっていく温度」の境目にいてお客様のお好みや肉の状態、特長に合わせて最高の焼きを実現するタイミングを探り当てるのです。とくにブランド牛は脂の融点が低く、冷蔵庫から出し、切り分けたところから表面の脂が溶け始めるほどデリケートなもの。肉の表面を意識しながら鉄板の温度をきめ細かく調整し、理想の状態を作り上げます。
磨き上げられた鉄板は、まさに焼き手のステージ。大事なお客様との会話に自らの個性を織り交ぜながら、鉄板の温度にも抜かりなく眼を配る。確かな技術に支えられた焼き手のパフォーマンスが、お客様の心に響く〈やまなみ〉の味わいを生んでいます。