TIの3-in-1 昇圧型スイッチング・コンバータが、小型の医療用やパーソナル・エレクトロニクスのアプリケーションで業界最小の静止電流を実現
日本テキサス・インスツルメンツは、20mAの低終端電流をサポートするバッテリ・チャージャ・スイッチングICを発表しました。新製品の『BQ25619』は、終端電流が通常60mA以上である競合製品と比較して、バッテリ容量と動作時間をそれぞれ7パーセント向上させます。『BQ25619』チャージャICは、3-in-1 昇圧型コンバータを内蔵し、超高速の充電、また4.6V、0.5A出力時に95パーセントの電力変換効率を提供します。さらに、業界最小の静止電流によって、使用可能な状態で保管されるエレクトロニクス製品の貯蔵期間を2倍に延長できます。製品の詳細に関しては下記関連リンクをご覧ください。
『BQ25619』チャージャICは、補聴器、イヤホンやワイヤレス充電ケース、IPネットワーク・カメラ、患者モニタやパーソナル・ケアなど、小型の医療用やパーソナル・エレクトロニクス機器向けのより効率的な設計に役立ちます。
『BQ25619』の特長と利点
- スイッチング・チャージャで業界最小の終端電流: 20mAと非常に低い終端電流により、バッテリ容量と動作時間を最大7パーセント向上。設定可能なトップオフ・タイマを使用して動作時間をさらに延長でき、機器の充電頻度を低減
- クラス最小の静止電流: 『BQ25619』は、出荷モード時の漏れ電流を6μAまで減少させることから、バッテリ内のエネルギーを保持し、機器の貯蔵期間を2倍に延長。バッテリのみの動作時には『BQ25619』の消費電流は10μAとなり、スタンバイ・システムをサポート
- 3-in-1 昇圧型コンバータを内蔵: 『BQ25619』は、充電、昇圧型コンバータ、電圧保護の各機能を内蔵し、実装面積に制約を持つアプリケーションで効率的な設計をサポートするほか、前世代のチャージャICに必要であった外付けインダクタが不要。双方向の降圧型と昇圧型の両方のトポロジを搭載していることから、単一の電源デバイスで充放電機能を提供
『BQ25619』は、業界をリードするTIのバッテリ充電ソリューションの製品ポートフォリオを拡張する新製品です。この製品ポートフォリオには、大容量バッテリ向けのシングルセル/マルチセルのスイッチング・モード・チャージャICや高集積のリニア・チャージャICが含まれ、バッテリの動作時間の延長と総合的なソリューション・サイズの縮小に役立ちます。高精度、高信頼、高速でより発熱の少ない充電機能を提供するTIのバッテリ充電ソリューションに関しては、下記参照リンクをご参照ください。
単一バッテリでは不足で複数バッテリのシステムが必要になることがあります。例えばワイヤレス・イヤホンでは実装面積の制約と低充電電流が要求される上、2個のバッテリが必要であり、ワイヤレス充電ケースの設計とは要件が異なります。TIでは、これらの設計向けに、ワイヤレス充電ケース用には『BQ25619』、イヤホンの充電用には『BQ25150』を供給しています。『BQ25150』はI2C制御のリニア・チャージャICで、2系統の低ドロップアウトリニア・レギュレータと1個のA/Dコンバータを内蔵し、500nA以下のローパワー・モード時静止電流と最大500mAの充電電流を、11mm2のソリューション・サイズで実現します。
開発ツールとサポート
TIでは、『BQ25619』の特性や性能を素早く評価でき、製品の市場投入期間の短縮に役立つ評価モジュール『BQ25619EVM』を単価(参考価格)99ドルで供給中です。
パッケージ、供給と価格について
『BQ25619』 はTI storeと販売特約店から供給中です。パッケージは24ピンWQFNで、1,000個受注時の単価(参考価格)は1.45ドルです。また、より小型の30ピンWCSPパッケージで同様の機能を提供する『BQ25618』は、2019年第3四半期に供給の予定です。
TIの電源ソリューションに関する情報
- 『BQ25619』チャージャICのデータシートをダウンロード
- “バッテリ動作の小型機器で低静止電流に関する設計上の困難を解決”技術記事(英語)を参照
- “動的な電力経路管理と動的な電力管理”アプリケーション・レポート(英語)をダウンロード
- 広範囲の電源設計をサポートするTIのリファレンス・デザイン・ライブラリを参照
*すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
コネクテッド・カーおよびインテリジェントホームから自己測定医療機器や自動化工場まで、テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、会長、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)の製品は、あらゆる種類のエレクトロニクス・システムに活用されています。TIは、30か国以上で事業を展開し、アナログICおよび組込みプロセッサの設計、製造、検証および販売を行っています。世界中で約3万人の当社の従業員は、誠実、革新、コミットメントをコア・バリューとし、テクノロジーの未来を形作るため日々の業務に取り組んでいます。当社の情報はホームページ(www.ti.com )をご参照ください。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:サミュエル・ヴィーカリ、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における外資系半導体サプライヤです。当社に関する詳細はホームページ(
http://www.tij.co.jp )をご参照ください。