結婚式の「感動追求」は、科学的領域へ
- 株式会社ポジティブドリームパーソンズ
- 2012年09月14日
- 12:31
『 感動創出企業レター ~感動をビジネスに~ 』 Vol.05
近年、少子化や晩婚化が広がり、結婚しても挙式や披露宴を実施しない、いわゆる“ナシ婚”層が広がっています。また、結婚式自体も「乾杯、挨拶、ご歓談・・・」と形式的でつまらない「儀式」だと思っている人も増えています。当社のウェディングでは、独自のサービスメソッド「感動の技術化」を軸に、フォーマットに捉われない「感動の提供」を目指しています。感動創出企業レター第5号目となる今回は、当社の直営のウェディング施設であるザ ランドマークスクエア トーキョーのユニットマネージャー本間麻衣子が、ウェディング事業について紹介します。
◆結婚式の「感動追求」は、科学的領域へ
2012年9月7日、当社にとってとても大きな発表を行いました。それは、金沢工業大学感動デザイン工学研究所との共同研究開始の発表です。PDPは、ウェディングを中心にホテル、レストラン、バンケット、フラワー、コンサルティングと6つの事業を展開していますが、全てを横軸でつなぐサービスメソッドとして「感動の技術化」を体系化しています。これは、これまでは「偶発的」に起こると考えられていた感動を「必然的」に引き起こすためのメソッドで、PDPが積み重ねた経験やノウハウに、学術的知識などを組み合わせ独自に開発したものです。簡単に言うと、新郎新婦の希望をしっかりとヒアリングし、その希望をかなえるためにどのように「感動させればよいのか」をまとめた方法論になります。今回、金沢工業大学と共同研究を開始することで、その「感動の技術化」を用いたサービスがお客様にどれだけ“感動”を与えているかという「感動度」を定量的に把握することができ、またより精度をあげるにはどうすればよいのかについて、科学的見地から検証を行います。9月15日(土)には、神奈川県葉山の直営ホテル「スケープス ザ スィート」にて、披露宴におけるゲストの「感動度」を科学的に測定する実験を行います。人はどのような時に感動しているのか、生体反応を心電図・体温・立体的な人の動きなどの角度から測定し、数値化することで、当社の「感動の技術化」を検証することはもちろん、いずれはまったく新しい演出方法、商品の開発を目指します。
◆「持たざる経営」からスタートし、直営9施設・売上70億に
ウェディング事業は、当社創業時から続く中核事業です。しかし、結婚式場運営は初期投資額が大きく、資本金400万円で設立したベンチャー企業には手が出ません。まずはじめは、「持たざる経営」として、レストランウェディングのコンサルティングからスタートしました。最初の取引先となったのは、築20年の老舗レストラン。ウェディングを提供しているものの、年間挙式数はわずか2組。当社では、まずウェディングアイテムや施工を委託する提携企業の選定を実施し、会場の思いやビジョンに理解があり、同じ目的に向かって仕事を進められるパートナーとしての関係構築を図りました。また、会場をどのようにお客様にPRしていくかを徹底して考え、会場の価値をより分かりやすく、魅力的に伝えられる接客をウェディングプランナーに教育しました。さらにお客様を引き付けるブライダルフェアの企画にも取り組み、基礎から“売れる仕組み”を構築したのです。その結果、わずか1年後には年間挙式数98組の人気施設へと生まれ変わったのです。そして2002年、直営第1号施設、「ザ ヴィラズ長崎」を開業します。創業5年目で第1号施設を開業して以来、現在では10の直営施設を全国で展開し、売上はウェディング事業単体で70億を超えています。
◆「ウェディング専門企業」ではないPDPのウェディング
当社のウェディングビジネスには、いくつかの特徴があります。まず、創業からの「持たざる経営」の志向は現在も続いており、ウェディングドレスなどの衣装や引き出物はサプライヤーと提携しています。当社ではサプライヤーを「パートナー」と呼んでおり、密な連携のもと高品質な素材を提供しています。それぞれの分野はそれぞれのプロが行った方がクオリティは高く、またそうすることでPDPのプランナーは、式の演出や「感動の提供」に集中することができます。また、ウェディング専門の企業でないことも、大きな特徴となっています。日常的に営業しているレストラン、特別な旅行に使うホテル、ギフト用のフラワーなど、様々な場所、シチュエーションで「感動の提供」ノウハウを蓄えているので、一生に一度のウェディングで何をすべきなのか、より一層深く考えることができています。当社では、披露宴を原則2時間30分としています。最近では、披露宴を2時間として1日で3回転させるケースも多いですが、私たちの提供する披露宴では、少なくとも2時間30分は必要です。企業として利益をあげることも当然必要ですが、「感動を提供する」という観点に立ちかえると、最も大切にするポイントはおのずと決まってきます。
◆“ナシ婚”選択者が「結婚式をしたい」と思えるように
当社のウェディング事業はこれまで順調に売上を伸ばしていますが、業界全体としての先行きは決して明るくありません。まず、少子化により人口減の社会に突入し、婚姻数自体が減少します。最近ではライフスタイルも多様化し、結婚しない人も増えてきました。特に深刻なのは、結婚はするにも関わらず、結婚式も披露宴も行わないいわゆる「ナシ婚」の増加です。2011年の婚姻件数は約67万組(厚生労働省人口動態統計推計2011)だったのに対し、発表されている最新の年間挙式件数は約35万組(経済産業省特定サービス産業実態調査2005)と、婚姻者の約半数は挙式・披露宴を行っていません。これには、様々な要因があります。おめでた婚の増加で挙式をする余裕のない人や、昔のように親からの資金援助が当たり前でなくなり、経済的事情から断念する人、また結婚式以外にお金を使いたいという人も増えています。一方、原因は我々結婚式を提供する業界側にもあると考えています。いわゆる「挙式」「披露宴」「二次会」といったフォーマットが確立して以降、結婚式はともすると単なる儀式となってしまい、列席するゲストは「どの結婚式も同じ」と感じてしまっているのかも知れません。当社の目標は、そんな結婚式のイメージを抜本的に変えることです。新郎新婦の数だけある結婚への思いを表現する様々な演出手法をご提案し、新郎新婦も列席者も、双方が「これだけ感動できるのなら、やっぱり結婚式をあげたいな」と思えるような結婚式を目指しています。
【株式会社ポジティブドリームパーソンズ 会社概要】
1997年7月、有限会社ポジティブとして創業。2001年10月、株式会社ポジティブドリームパーソンズへ商号変更。代表取締役社長 杉元崇将。「感動で満ちあふれる日本を創ってゆく。」を企業ビジョンとし、ホテル・レストラン・ウェディング・バンケット・フラワー・コンサルティングの6つの事業を展開。本社を東京恵比寿に置き、神奈川県、兵庫県、広島県、福岡県、長崎県に施設を持つ。2011年には、海外進出の第一号として、韓国にフラワーショップを出店。2012年5月現在、従業員数は450名。
<お問い合わせ先>
株式会社ポジティブドリームパーソンズ 担当:金井
TEL/ 03-5720-7880 FAX/ 03-5704-8674