アーティストと専門人材が協働し、京都から世界へ発信│「CP Lab. 公募プログラム」に4事業を採択

~11月からは「アートと社会をつなぐ基礎講座」も開講 ~

京都芸術センターを拠点に活動するCreative Professionals Lab. Kyoto(京都市中京区、以下CP Lab.)は、2026年8月、「CP Lab. 公募プログラム ― 海外展開と協働のための実践公募 ―」において、82件の応募から4件の事業を採択しました。
本公募プログラムの特徴は、作品制作にとどまらず、アーティストとアートコーディネーター等の中間支援人材による協働を重視しています。採択された4件は、2028年3月までに、京都市内及び海外での発表を予定しています。CP Lab.は、企画制作や発表に向けた支援を通じて、文化芸術活動の海外展開と、持続的な活動基盤の構築を目指します。

左上 前田耕平「あわいの島プロジェクト」、右上 古舘健 「COMPOSITIONS」(©︎Takeshi Asano)、 左下Bridge Studio 「Playtest Taiwan: 都市・占術・遊びのための国際協働実践」、 右下 Porous Action 「Reversible Perspectives in Cross-Cultural Practice(異文化間の制作における反転可能な視点) クラフト実践とワークショップを通じたデザインをめぐる問いの探究」

協働体制と海外展開の構想を重視し、4件を採択
CP Lab.では、未来の文化芸術を担う人材の活動環境を充実させるため、アーティストやクリエイターだけでなく、その創作活動を支えるアートコーディネーターやアートマネージャー等の育成にも取り組んでいます。
今回の公募では、作品や企画の内容に加えて、アーティストやクリエイターと、創作を支える専門人材との協働体制が具体的に構想されていること、また、海外展開に向けた計画に実現性と展望があることを重視し、4件を採択しました。
採択されたプロジェクトは、2026年8月から2028年3月まで、企画制作費の支援に加え、プロジェクトの設計から発表までの運営支援や広報サポートを受けながら、それぞれの構想を海外展開に向けた具体的な実践へとつなげていきます。
採択事業
  • 前田耕平 「あわいの島プロジェクト」
  • 古舘健 「COMPOSITIONS」
  • Bridge Studio 「Playtest Taiwan: 都市・占術・遊びのための国際協働実践」
  • Porous Action 「Reversible Perspectives in Cross-Cultural Practice(異文化間の制作における反転可能な視点) クラフト実践とワークショップを通じたデザインをめぐる問いの探究」


採択事業詳細
■前田耕平「あわいの島プロジェクト」(メディア芸術)
「あわいの島プロジェクト」はアーティストが動物園という場所を起点に、人と動物の関係や可能性について考えていくサーチプロジェクト。2022〜2024年、アーティスト前田耕平はアドベンチャーワールドと協働し、前進となる「動物園の未来ラボ アーティストリサーチプロジェクト」を実施した。そこから生まれた映像作品《あわいの島》を出発点に、2026年度より海外の動物園での上映と対話のプログラムを試みる。人と動物、自然と人工、教育と娯楽、管理と共生などさまざまな関係のあわいを見つめる。作品と共に行脚するアーティストが「媒介者」となり、それぞれの場所で生まれていく体験や疑問を共有する場をつくる。
前田耕平「あわいの島プロジェクト」

■古舘健 「COMPOSITIONS」(メディア芸術)
《COMPOSITIONS》は、古舘健がこれまで音、映像、電子工作、プログラミング、テキスタイルなどを横断して培ってきた実践を、「作曲」という概念のもとに再構成するプロジェクトである。自作楽器や自動演奏装置、光学・電子装置によるインスタレーション、奏者の身体が介在するパフォーマンスを通して、現象と身体による知覚の変容を探る。過程で生まれる試作や断片も個別に提示し、最終的にはそれらを統合することで、現象、装置、身体、空間を対象とした新たな独自の作品形式の可能性を探る。
古舘健 「COMPOSITIONS」(©︎Takeshi Asano)

■Bridge Studio 「Playtest Taiwan: 都市・占術・遊びのための国際協働実践」(建築)
京都と台湾を往復しながら、占い・風水・家相・方位・儀礼など、都市や建築の認識や行動を形づくる「占術的想像力」を基点に、遊び・ゲーム・建築・メディアアートを通して再考する国際協働プロジェクト。台湾のクリエイターを京都に招く約1か月のレジデンスと継続的なプレイテストを行い、その問いと実践を台湾へつなぎ、Bridge Holeとともに台北/新北市でPlaytest Taiwanを展開予定。完成作品だけでなく、リサーチ、試作、ルールの変更、地域との関わりのプロセス自体を公開・記録する。
Bridge Studio 「Playtest Taiwan: 都市・占術・遊びのための国際協働実践」

■Porous Action 「Reversible Perspectives in Cross-Cultural Practice(異文化間の制作における反転可能な視点) クラフト実践とワークショップを通じたデザインをめぐる問いの探究」(工芸)
本プロジェクトは、クラフトの実践を通じて、素材や道具、人との関わりから、デザインが見出される場と、そこでの制作主体のあり方を捉え直す試みである。京都で伐り出した一本の木を起点に制作を進め、2027年にイタリアで予定している展示では、素材に加える操作と、素材がもたらす作用の関係に着目したデモンストレーションを行い、京都でのワークショップをもとに制作した映像も展示する。ポラスアクションが志向するクラフトの実践を国際的な場へ開き、異なる文化との出会いや対話を通じて、制作という営みそのものの可能性を探る。イタリアで得た知見を京都での実践につなげ、発展させることで、クラフトとデザインの土壌を育てることを目指す。
Porous Action 「Reversible Perspectives in Cross-Cultural Practice(異文化間の制作における反転可能な視点) クラフト実践とワークショップを通じたデザインをめぐる問いの探究」

審査講評より (CP Lab. ディレクター 山本 麻友美)
本公募では、作品や企画の内容だけでなく、「協働性」と「中間支援の設計」を重要な評価軸としました。国際的なプロジェクトの多くは、多様な専門性を持つ人々との協働によって成り立ちます。そのため、中間支援人材を含む協働者がプロジェクトの中でどのような役割を担い、どのように連携するのか、その必然性が十分に設計されている企画を高く評価しました。また、約2年間という事業期間を踏まえ、実現可能なスケジュールや体制、アウトプットまでの道筋が具体的に描かれているか、さらに事業終了後の展開までを見据えた構想となっているかについても重視しました。
特に注目したのは、世界へ展開するための視点です。それは、単に海外で作品やプロジェクトを発表することを目的とするのではなく、「なぜ今、この作品やプロジェクトを異なる文化圏へ届けるのか」「その先にどのような対話や価値を生み出そうとしているのか」といった背景となるコンセプトに説得力があるか、ということです。国内での発表や海外への持ち込み自体が目的となる企画も見受けられる中、採択したプロジェクトは、それぞれが着実な実践の積み重ねの先に、より大きな展望を見据えている点を高く評価しました。


2026年11月、「アートと社会をつなぐ基礎講座」が開講
CP Lab.では、アーティストやクリエイターの創造活動を支える専門人材の育成にも取り組んでいます。その一環として展開する講座プログラム「Creative Track」では、2026年10月より開講している工芸・建築・メディア芸術の3分野に続き、11月17日(火)から、基礎講座シリーズ「アートと社会をつなぐ基礎講座」が開講します。ファンドレイジング、広報、プロジェクトマネジメントといった、活動を継続的に運営していくための実践的スキルに加え、気候変動、現代史、マイノリティなど、創作の背景になることも多い社会的テーマも扱います。実践力と批評的視点の両方を養い、アートワーカーとしての活動の土台を築くことを目指します。

CP Lab. 講座プログラム「Creative Track」 アートと社会をつなぐ基礎講座(全6回)
回 年月日 タイトル 講師
1 2026/11/17(火) 現代史から世界を考える 藤原辰史 京都大学人文科学研究所教授
2 2026/12/10(木) ファンドレイジングの基礎 若林朋子 プロジェクト・コーディネーター
3 2027/1/21(木) 気候変動と創造の未来 ロジャー・ マクドナルド アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]キュレーター、美術史家
4 2027/1/28(木) プロジェクトマネジメントの基礎 橋本昇 PMスペシャリスト/京都情報大学院大学 未来環境ラボ
5 2027/2/12(金) マイノリティ・スタディーズ─創造と協働のために ほんまなほ 大阪大学COデザインセンター教授
6 2027/2/14(日) 広報の基礎 福島京 広報マネージャー/京都芸術センター

左から、藤原辰史/若林朋子(撮影:安田有里 ⒸKo Na design)/ロジャー・マクドナルド/橋本昇/ほんまなほ/福島京(©Misa Shinshi)

■会場:京都芸術センター(京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2)
■料金:基礎|各回1,500円(25歳以下(※):1,000円) ※2026/4/1時点
工芸・建築・メディア芸術|各回2,500円(25歳以下(※):1,500円) ※2026/4/1時点
■申込フォーム:https://teket.jp/15894/75771(申込締切:各回開催前日17:00)
基礎講座の詳細や、工芸、建築、メディア芸術分野の内容等は、CP Lab. 公式ウェブサイト(https://cpl.kyoto/programs/track/)をご覧ください。
CP Lab. とは
CP Lab. (Creative Professionals Lab. Kyoto) は、工芸、建築、メディア芸術などの創造分野で活動する人材が、実践や協働を通じて専門性を高めるための実験的な学びの場です。現場に根ざしたリサーチと試行を重ねながら、新たな文化創造と人材育成の仕組みを探究します。あわせて、創造分野におけるマネジメントやプロデュース等の知見の共有に取り組み、文化芸術の海外展開と持続可能な活動を支える基盤の構築を目指します。
Webサイト: https://cpl.kyoto
主催: 文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、公益財団法人京都市芸術文化協会(京都芸術センター)
本プログラムは、「文化芸術活動基盤強化基金(Japan Creator Support Fund)」による「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」の一環として実施しています

文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践))|独立行政法人日本芸術文化振興会

本件に関するお問合わせ先
京都芸術センター
Creative Professionals Lab. Kyoto
〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 京都芸術センター内
Email: cpl@kac.or.jp
TEL: 070-4450-1157 FAX: 075-213-1004

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
公益財団法人 京都市芸術文化協会
ホームページ
https://www.geibunkyo.jp/
代表者
山極 壽一
資本金
5,000 万円
上場
非上場
所在地
〒604-8156 京都府京都市中京区山伏山町546-2京都芸術センター
連絡先
075-213-1000

検索

人気の記事

カテゴリ

アクセスランキング

  • 週間
  • 月間
  • 機能と特徴
  • Twitter
  • デジタルPR研究所