9月の炎上分析データ公開!炎上件数、352件(調査対象期間:2026年9月1日~9月30日)

一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所による最新の炎上事案分析

シエンプレ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐々木 寿郎)は、一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所(住所:東京都港区、所長:佐々木 寿郎)と共同で、調査対象期間に発生したネット炎上についての件数と、その内訳、分析結果を公開しました。

○資料ダウンロードページ
https://www.siemple.co.jp/document/enjou_report_202609/

■調査背景
2026年1月30日、デジタル・クライシス総合研究所はソーシャルメディアを中心とした各種媒体とデジタル上のクライシスの特性、傾向と論調を把握するために「デジタル・クライシス白書2026」(調査対象期間:2025年1月1日~2025年12月31日)を公開しました。
継続調査の結果報告として、今回は2026年9月1日〜2026年9月30日の調査対象期間に発生した炎上事案について、新たに分析しました。

○「デジタル・クライシス白書2026」
https://www.siemple.co.jp/document/hakusyo2026/

■調査の概要
■調査結果
1. 炎上主体別 発生件数
1-1. 炎上主体別 発生件数と割合(前月比)

9月の炎上事案は352件でした。前月に比べ、80件増加しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」93件(26.4%)、「一般人」98件(27.8%)、「メディア以外の法人」143件(40.6%)、「メディア」18件(5.1%)という結果でした。
割合については下図のとおり、前月と比較し、「著名人」が14.0ポイントの減少、「一般人」が7.6ポイントの増加、「メディア以外の法人」が6.8ポイントの増加、「メディア」が0.4ポイントの減少という結果でした。
1-2. 炎上主体別 発生件数と割合(前年平均比)
前年平均比では、炎上事案は222件増加しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」が31件の増加、「一般人」が68件の増加、「メディア以外の法人」が114件の増加、「メディア」が9件の増加という結果でした。
割合については下図のとおり、前年平均と比較すると、「著名人」が21.3ポイントの減少、「一般人」が4.8ポイントの増加、「メディア以外の法人」が18.3ポイントの増加、「メディア」が1.8ポイントの減少という結果でした。
1-3. 炎上主体別 発生件数と割合(前年同月比)
前年同月比では、炎上事案は156件増加しています。
炎上主体別の内訳は、「著名人」が1件の減少、「一般人」が62件の増加、「メディア以外の法人」が88件の増加、「メディア」が7件の増加という結果でした。
割合については下図のとおり、前年同月と比較し、「著名人」が21.5ポイントの減少、「一般人」が9.5ポイントの増加、「メディア以外の法人」が12.6ポイントの増加、「メディア」が0.5ポイントの減少という結果でした。
2. 炎上の内容別 発生件数
2-1. 炎上の内容別 発生件数と割合(前月比)
炎上内容別の内訳では、「情報漏洩」が12件(3.4%)、「規範に反した行為」が116件(33.0%)、「サービス・商品不備」が55件(15.6%)、「特定の層を不快にさせる行為(※)」が169件(48.0%)という結果でした。
前月と比較すると、「情報漏洩」は6件の増加、「規範に反した行為」は44件の増加、「サービス・商品不備」は変動なし、「特定の層を不快にさせる行為」は30件の増加という結果でした。
※特定の層を不快にさせる行為:法令や社会規範に反する行為ではないものの、他者を不快にさせる行為(問題行動、問題発言、差別、偏見、SNS運用関連など)
割合については下図のとおり、「情報漏洩」が1.2ポイントの増加、「規範に反した行為」が6.5ポイントの増加、「サービス・商品不備」が4.6ポイントの減少、「特定の層を不快にさせる行為」が3.1ポイントの減少という結果でした。
2-2. 炎上の内容別 発生件数と割合(前年平均比)
前年の平均発生件数と比較すると、「情報漏洩」が11件増加、 「規範に反した行為」が96件増加、「サービス・商品不備」が41件増加、「特定の層を不快にさせる行為」が75件増加しました。
前年平均の割合と比較すると、「情報漏洩」が2.6ポイントの増加、「規範に反した行為」が17.5ポイントの増加、「サービス・商品不備」 が4.7ポイントの増加、「特定の層を不快にさせる行為」が24.9ポイント減少しました。
2-3. 炎上の内容別 発生件数と割合(前年同月比)
前年同月の件数と比較すると、「情報漏洩」が9件増加、「規範に反した行為」が74件増加、「サービス・商品不備」が21件増加、「特定の層を不快にさせる行為」が52件増加しました。
前年同月の割合と比較すると、「情報漏洩」が1.9ポイント増加、「規範に反した行為」が11.6ポイントの増加 、「サービス・商品不備」が1.7ポイントの減少、「特定の層を不快にさせる行為」が11.7ポイント減少しました。
3. 炎上内容の詳細区分別 発生件数
炎上内容の詳細を分析したところ、「非常識な行動(モラルのなさ)」に関する炎上事案が100件と最も多く、次いで「接客・対応方法」に関する炎上事案が71件でした。
4. 法人等の業界別発生件数
4-1. 法人等の業界別発生件数と割合(炎上の内容別)
炎上主体のうち、「法人等」に該当する炎上161件について、業界ごとに分類しました。炎上事案が最も多かった業界は「IT」業界で24件(14.9%)という結果でした。


業界別の炎上種別を割合で見た場合、結果は下図のとおりです。
5. 企業規模別の炎上発生件数と割合
炎上の標的が「法人等」の場合に、上場企業か否かや、それぞれの従業員数について調査しました。
なお「法人等」に該当する炎上事案は、日本国内に所在する企業のみを対象としています。
また、公共団体や政党のほか、企業概要や従業員数等の情報が公開されていない団体は本項目の調査対象から除外しています。そのため、本項目における調査対象の総数は103件です。


5-1. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前月比)
上場区分に関して「上場企業」が主体となった事例が22件(21.4%)、「非上場企業」が主体となった事例が81件(78.6%)という結果でした。
前月と比較すると、「上場企業」の件数は1件増加、「非上場企業」の件数は31件増加しました。
割合を比較すると、「上場企業」の割合は8.2ポイント減少しました。
5-2. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年平均比)
前年平均と比較すると、「上場企業」の件数は18件増加、「非上場企業」の件数は63件増加しました。
割合を比較すると「上場企業」の割合は3.2ポイント増加しました。
5-3. 炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年同月比)
前年同月と比較すると、「上場企業」の件数は16件増加、「非上場企業」の件数は53件増加しました。
割合を比較すると、炎上した企業のうち、「上場企業」の割合は3.8ポイント増加しました。
5-4. 炎上の対象となった従業員数と売上高の散布図
従業員数500人未満、売上高は500億円未満の企業で炎上事案が多く発生しました。
なお、グラフの集計範囲外ですが、従業員数約8千人、売上高約4兆7047億円といった大企業の炎上事案も確認されました。


■分析コメント
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 教授 山口 真一 氏

9月は炎上件数が前月から大きく増え、内訳では企業や団体が主体となる事案が4割を超えました。内容別でも、法令や規範に反する行為が目立って増えています。夏祭りで販売された冷やし蟹ラーメンによる集団食中毒や、カーシェア「タイムズカー」の大規模な会員情報流出など、企業の管理体制が問われる事案が相次いだ月でした。なかでも考えさせられたのが、回転寿司チェーン「くら寿司」の「ちいかわ」コラボキャンペーンの中止です。

8月21日に始まったこのキャンペーンでは、皿5枚ごとに1回挑戦できる「ビッくらポン!」の景品として、オリジナルのフィギュアなどが用意されていました。ところがSNSでは、何度挑戦しても目当てのフィギュアが出ないという声が相次ぎ、フリマアプリには景品が大量に出品されていました。同社は9月5日、従業員による不正行為が判明したとして、翌日からキャンペーンを全面的に中止しました。報道では、景品の横領とされています。

批判がここまで広がったのは、金銭的な損失以上に、公平さが損なわれたからだと見ています。誰にでも同じように当たる機会があるという前提があるからこそ、ファンは時間とお金をかけて抽選に挑戦します。その前提が、客の手の届かないところで崩されていたのです。長い時間並び、何度も挑戦した人ほど、裏切られたと感じたはずです。

私の研究では、炎上に書き込む人の多くが、動機として個人の正義感を挙げていました。客に渡るはずの景品を内部の人間が抜き取り、転売していたとされる構図は、当事者でない人の正義感にも強く訴えるものでした。しかも今回は、実際に店に足を運び、お金を払った客自身が怒りの声を上げています。ネット上の一時的な騒ぎではなく、顧客の怒りとして受け止める必要がある事案です。

くら寿司は不正の判明を受けてキャンペーンを途中で打ち切り、メルカリとも連携して、不正に入手された疑いのある出品の削除などを進めました。ただ、中止に伴って実施した2日間の全品10%割引は、一部の店舗で案内が行き届かず、割引が適用されない客が出たため、改めて謝罪と返金をすることになりました。お詫びの意味を込めたはずの割引が、かえって新たな不満の種になってしまったのです。

不祥事のあとの対応策は、本来の施策と同じくらい丁寧に設計する必要があります。誰に向けたものか、そして現場で確実に実行できるか。今回、損をしたと感じているのは、キャンペーン期間中に挑戦を重ねたファンです。中止後の来店客への一律の割引だけでは、その人たちの気持ちには届きにくい面があります。まず何が起きたのかを具体的に説明し、そのうえで、迷惑をかけた相手に届く形を考えることが大切だと思います。

予防の面では、限定品には転売価値があるという前提に立った管理が欠かせません。人気キャラクターとのコラボ商品をめぐる買い占めや転売の炎上は、これまでもハンバーガーチェーンやコンビニなどで繰り返されてきました。景品が高値で取引される以上、内部から持ち出す誘惑も生まれます。提供数と在庫数を照合する、配布開始前にフリマアプリへの出品がないかを確かめるといった仕組みを、規定に書くだけでなく、現場で実際に回る形にしておくことが求められます。

限定コラボは、ファンの熱量を集める強力な手法です。だからこそ、その熱量が裏切られたときの反動も大きくなります。ファンが求めているのは景品そのものだけでなく、誰にでも公平に機会があるという約束です。その約束を守る仕組みまで含めてキャンペーンを設計することが、いま企業に求められていると考えています。

■(参考)分類基準
1.分類基準(炎上の主体)
抽出したデータは以下の表1に基づき分類しました。

(表1)分類基準(炎上の主体)
参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、2016

公に情報を発信する機会の多いメディア関連の法人については、炎上に至る経緯に違いがあるため、他業種の法人と分けて集計しています。

2.分類基準(炎上の内容)
抽出したデータは以下の表2に基づき分類しました。

(表2)分類基準(炎上の内容)
参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、2016


3.分類基準(業界)
また、炎上の主体が「法人等」の場合、20の業界に分類しました。
なお、該当しない業界に関しては「その他」としてデータを処理しました。

参考:業界動向サーチ「ジャンル別業界一覧」https://gyokai-search.com/2nd-genre.htm



■一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所 概要
研究所名  :一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所
設立    :2023年1月20日
代表理事  :佐々木 寿郎
アドバイザー:山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)
沼田 知之(西村あさひ法律事務所所属弁護士)
設立日   :2023年1月20日
公式HP   :https://dcri-digitalcrisis.com/
関連会社  :シエンプレ株式会社

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
シエンプレ株式会社
ホームページ
https://www.siemple.co.jp/
代表者
佐々木 寿郎
資本金
5,000 万円
上場
非上場
所在地
〒107-0052 東京都港区赤坂4-2-19 赤坂SHASTA・EAST8F
連絡先
03-3275-6646

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