2026年10月30日
PwC Japanグループ
PwC、「グローバル オートモーティブ アウトルック」を発表
競争激化に直面する自動車業界において
バリューチェーン全体におけるAI導入の急増を予測
- 自動車業界のバリューチェーン全体におけるAIや先端技術の導入は急増。現在これらを導入している企業の割合は47%だが、2030年には72%に拡大
- 自動車業界の経営層の約半数(46%)が、テクノロジーやエネルギーなど隣接業界からの新規参入を、今後5年間における主要な競争要因と認識
- テクノロジーがモビリティ体験を一新する中、ほぼ3分の2(64%)の回答者がエコシステムへの参画を推進。「将来対応型」の自動車会社の上位20%に属する企業では、その割合は80%に達する
- 今後5年間で、生産台数に占めるバッテリー式電気自動車の割合は18%から30%に拡大。一方、従来の内燃機関(ICE)車のシェアは60%から41%に低下へ
- 回答者は、5年以内に売上高の33%が、商業的なフリートオペレーター、モビリティサービスプロバイダー、政府機関などの新規顧客からもたらされると予想
PwCが初めて発表した「グローバル オートモーティブ アウトルック」によると、今後5年間、自動車バリューチェーン全体でAIやその他の先進技術の利用が急増すると予想されており、これらの技術を使用する企業の割合は現在の47%から2030年に72%に増加する見込みです。
同時に、調査回答者の半数以上(51%)が、AIを自社の戦略的目標達成のために最も重要な技術の一つと捉えており、これはバッテリーや電動パワートレインを挙げた5分の2(41%)という割合を上回っています。また、回答者の3分の1以上(39%)が、車載ソフトウェアのコネクティビティを挙げています。
製造、研究開発、サプライチェーン、販売、および管理部門をまたいだ技術への注目の高まりの背景には、業界における競争の激化や新たな顧客層の出現、電動化が進むことで消費者の期待が再定義され、デジタルファーストでソフトウェアを基盤とした車両がモビリティ体験の中核となりつつあることが挙げられます。
グローバル オートモーティブ リーダーであるPwCドイツのHarald Wimmerは、次のように述べています。
「自動車はもはや、工場から出荷される際の『鋼鉄の塊』として定義されるものではありません。今日では、ソフトウェア、デジタルサービス、そしてデータ分析によって定義される側面がますます強まっています。業界における競争が激化し、テクノロジーがモビリティ体験を塗り替えていく中、自動車会社が成長の扉を開くためには、デジタル戦略を最優先事項に据える必要があります」
回答者のほぼ半数(46%)が、テクノロジーやエネルギー分野といった隣接業界からの新規参入を、今後5年間における主な競争要因と見なしています。
しかし、今回の調査からは各社の対応態勢には大きな隔たりが見られました。PwCの分析によると、「将来対応型」と特定された自動車会社の5分の4(80%)は戦略的リスクテイクに高い許容度を示しているのに対し、その他の企業では半数未満(49%)にとどまることが明らかになりました。
「将来対応型」企業は、戦略的リスクと成長に対する意欲がより高い
自動車会社が競争圧力の高まりに直面する中、約3分の2(64%)がエコシステムへの参画を推進しており、これは最も多く挙げられた戦略的取り組みです。
今回の調査で特定された「将来対応型」企業のトップ20%では、こうした取り組みを推進する企業の割合は80%に達します。
エコシステムへの注力の多くはテクノロジーを中心に展開される見込みです。自動車会社は、今後5年間における最も重要な提携先として、産業用メーカーに代わり、テクノロジー企業の台頭を予想しています。自動運転および先進運転支援システム(ADAS)を収益源の上位3つに挙げるOEMの割合は、現在の9%から2030年には24%に上昇します。
また、「将来対応型」の自動車会社は、その他の企業に比べ、高度に発達したソフトウェアエンジニアリングおよびAI能力を有していると回答する割合が高い(71% 対 45%)、新たな顧客セグメントに進出する割合が高い(86% 対 71%)、戦略的なリスクテイクに対する許容度が高い(80% 対 49%)、自動車以外の分野への事業拡大を進めている割合も高い(72% 対 45%)といった傾向にあります。
しかし、今回の調査結果は、目の前の収益を得るための投資と、未来の成長のための資金戦略との間に緊張関係があることも示唆しています。76%の企業が最も収益性の高い取り組みに資本を配分していると回答している一方で、73%は、製造およびオペレーションへの投資は生産性や効率性の向上を目的としていると回答しています。こうした投資が、主に成長と市場シェアの拡大を目的としていると答えた企業は、わずか12%にとどまりました。
能力面のギャップも課題をさらに難しくしています。回答者の半数(51%)が人材不足を、45%が現在の従業員のスキル不足を、価値の創出・提供・獲得における最大の障壁として挙げる一方で、AIやソフトウェアエンジニアリングを、最も重要と認識する能力の一つとして挙げています。
新たな成長市場の台頭により、電気自動車の生産が急増
電気自動車の生産は急増すると予想されており、バッテリー式電気自動車(BEV)の生産台数が全体に占める割合は5年以内に平均18%から30%へと拡大すると見込まれています。一方、従来の内燃機関(ICE)は60%から41%へと減少すると予測されています。
中国ではこの変化がさらに顕著で、BEVの割合は29%から40%に上昇する一方、ICEの割合は43%から29%に低下すると見込まれています。
消費者の動向が変化する中、自動車会社が最大の成長を見込む地域も急速に変化しています。
西欧を今後5年間の成長市場トップ3に挙げるのは回答者の3分の1未満(26%、現在は44%)にとどまる一方、南アジアと東南アジアが最大の成長を遂げると予測しており、その割合はそれぞれ24%から45%、31%から44%へと上昇します。
同時に、伝統的な消費者の姿も変化しつつあります。回答者は、5年以内に売上高の33%が、商業的なフリートオペレーター、モビリティサービスプロバイダー、政府機関などの新規顧客からもたらされると予想しており、現在の21%から増加します。
モビリティ時代に向けた自動車会社の将来性確保
今回の調査を踏まえ、自動車会社がモビリティ時代に向けて事業の将来性を確保するための示唆は以下のとおりです。
- 戦略的な問いを「セクター」から「ドメイン」へと再定義すること――自らを車メーカーと定義し続ける企業は取り残されてしまう
- エコシステムに積極的に参画すること――エコシステムに組み込まれることが、セクター横断的な知見や専門知識を活用する最速の道
- 資本配分の考え方を「リターン」から「選択肢」へと転換すること――「将来対応型」企業は、ROIがまだ見えていない特定の投資に資金を投じる一方、従来型の企業は旧来の事業を縮小しつつ、新規事業を構築しなければならない
- テクノロジー企業のような思考を持つこと――自動車会社は、中核製品にとどまらず、より広範なモビリティ体験に目を向ける必要がある
グローバル オートモーティブ リーダーであるPwCドイツのHarald Wimmerは、次のように述べています。
「自動車業界の経営層はソフトウェアからAI、エネルギーに至るまで、現在進行中の変革を認識しているにもかかわらず、従来の優先事項に根ざしたガバナンスによって、大胆な行動が制限されています。成功を収めるためには、自動車メーカーはガバナンスを進化させ、資本規律と、次のイノベーションの波に資金を供給するために必要な機動性および戦略的選択肢とのバランスを図らなければなりません」
PwC「グローバル オートモーティブ アウトルック2026」について
PwCの「グローバル オートモーティブ アウトルック」は、33カ国・地域にわたる720人の自動車会社経営層を対象とした調査に基づいており、中国、ドイツ、インド、日本、米国に関する詳細な分析も含まれています。2026年春に実施したこの調査では、現在および今後5年間で業界が直面する課題と機会を探り、プレイヤーを「将来対応型」にするための能力と戦略を描いています。この調査では、内向きの企業、成長志向の多角化企業、製品に焦点を当てるデジタル化推進企業という3つの異なる典型例が特定されており、それぞれに強みと弱みがあります。これらの典型やポイントの詳細は
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以上
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