玉川大学(東京都町田市/学長:小原一仁)量子情報科学研究所(所長:二見史生)は、2026年10月13日から16日に開催されるCEATEC 2026(ブース番号4H201-203)において、光通信分野最大の国際会議であるOptical Fiber Communication Conference and Exhibition(OFC 2026)で発表した毎秒50ギガビットの高速の量子乱数発生器(1)のプロトタイプを動態展示します。
量子乱数発生器は、量子力学に由来する本質的なランダム性を利用して、真に予測不可能な乱数(2)を生成する技術です。生成された乱数は、暗号鍵生成や認証システムをはじめ、データセンター、クラウドサービス、AI計算基盤など幅広い分野への応用が期待されています。
今回展示するプロトタイプは、谷澤健教授らが国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)ステージI(育成フェーズ)の課題として研究開発を進めてきた成果であり、レーザ光の量子雑音(3)に由来する真空場揺らぎ(4)を利用し、毎秒50ギガビットの高速な量子乱数生成を実現したものです。CEATECでは、リアルタイムで乱数が生成される様子を公開し、研究室レベルの成果から社会実装を見据えた技術への発展を紹介します。
(1) 量子乱数発生器
量子力学によりランダム性が担保された物理現象を用いて、乱数を生成する装置。近年注目を集めている量子技術の応用の一つである。
(2) 乱数
ランダムな数の列。2進表現の場合においては、ランダムな0と1の繰り返しの数列。
(3) 量子雑音
光が本質的にもつ雑音。真にランダムに振る舞う。光信号伝送や光センシングなどにおいて、性能限界を決める。
(4) 真空場揺らぎ
真空であってもエネルギーがランダムに揺らぐ性質。量子揺らぎとも呼ばれる。
(5) NIST SP800-90B
米国国立標準技術研究所(NIST)が定めた乱数エントロピー源の検定であり、乱数発生器の評価に標準的に用いられている。以下に詳細が記述されている:M. S. Turan, E. Barker, J. Kelsey, K. McKay, M. Baish, M. Boyle, “Recommendation for the Entropy Sources Used for Random Bit Generation,” NIST Special Publication 800-90B, 2018.
(6) ビームスプリッタ
入射した光を、所定の分岐比で二つの光に分岐する光学素子。
(7) 集積型光スプリッタ
石英ガラス、シリコン、ポリマーなどの光導波路技術を用いて光を分岐するデバイス。コンパクトなサイズで光を多分岐することができる。石英ガラスを用いた集積型光スプリッタは、ファイバー・トゥ・ザ・ホームを実現するための基本部品として使用されている。
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