【これまでの主な活動】
- 9月29日時点で、1409人が熊本県内29カ所の避難所において避難生活を余儀なくされており、避難生活の長期化に伴う健康悪化や心理的負担に対する継続的な支援が求められている。
- 10月1日までに、全国から延べ188の救護班、74チームの災害医療コーディネートチーム、51のこころのケア班を派遣。医療救護から避難所の環境改善、「こころのケア」まで、被災地のニーズに応じた活動を実施。
- 安眠セット2244セット、毛布・タオルケット670枚のほか、パーテーションなどの救援物資を配布(10月1日現在)。段ボールベッドの設置や、洗濯機・手洗い場の整備など、避難生活の環境改善を支援。
- 7月31日より「令和8年熊本地震災害義援金」を受け付け開始。9月30日時点で84億4,298万8,836円を熊本県義援金配分委員会へ送金。(現在も受付中)
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「いのちを救う」支援から、「生活を支える」支援へ
■保健・医療支援
7月28日の発災直後、熊本赤十字病院では災害時対応として傷病者370人を受け入れました。その後も、八代市、宇城市、氷川町などに救護班を派遣して救護活動を継続し、被災された方々の健康状態を確認しながら、地域の状況に応じた支援を行っています。
また、熊本県支部と熊本赤十字病院は合同災害対策本部を立ち上げ、全国の赤十字施設と連携した救護活動を開始。被災地では、
救護班が保健・医療ニーズの把握、被災地内の救護所における診療や巡回診療のほか、被災した医療機関の支援や災害関連死防止のための取り組みなどを行っています。加えて、日赤災害医療コーディネートチームは、行政や医療機関、各支援団体など関係機関との調整や、医療救護に関する専門的な助言などを行い、必要な支援が適切な場所に届くよう支援しています。
■避難所運営・環境改善支援
自宅を離れ、慣れない環境での生活を余儀なくされる避難所では、余震への不安なども重なり、
避難生活が長期化するほど心身への負担が大きくなります。
災害時は、「いのちを救う」支援だけでなく、「眠る」「体を清潔に保つ」といった生活環境を整えることも重要です。
特に、床に直接横になる生活は、ほこりやちりによる体調不良のほか、立ち上がることが難しい方が水分摂取を控えることによる脱水や、同じ姿勢が続くことによる血栓症(エコノミークラス症候群)など、健康上のリスクにつながるおそれがあります。
そのため、日赤では、避難された方々が少しでも安心して体を休められるよう、キャンピングマットや空気式の枕、アイマスク、耳栓などをまとめた「安眠セット」やタオルケットを配布。必要に応じて段ボールベッドを設置するなど、
身体への負担や心理的ストレスを軽減するための環境改善に取り組んでいます。
また、断水が続いた地域では、海外での災害対応で培った給水・衛生分野のノウハウを活用し、八代市立第二中学校の避難所に洗濯機や手洗い場などを設置。衛生的な生活環境の確保を支援しました。
■こころのケア
日赤では、
災害時の「こころのケア」は「選択肢の一つではなく、必須の支援」であると考えています。こころのケア班は、被災された方々が少しでも安心して日常生活を送れるよう、健康や身近な悩みに耳を傾け、安心感につなげる心理的な支援を行っています。併せて、ハンドケアや足浴などのリラクセーション、ストレス対処法に関する情報提供を行うことで、不安やストレスの解消を支援しています。
避難をされている方はもちろん、被災地の復旧・復興を支える支援者の方々もまた、過酷な状況の中で活動を続ける被災者である場合があるため、その心の健康を支えることは、被災地の継続的な復興にも欠かせないと考えています。
全国から届ける、被災地の暮らしと生活再建への支援
■救援物資の配布
時間の経過とともに、被災地で必要とされる物資も変化していきます。日赤では、
現地の状況やニーズを確認しながら、その時々に必要な物資を届ける支援を続けています。
令和8年熊本地震においては、10月1日時点で安眠セット2244セット、毛布・タオルケット670枚のほか、パーテーションなどを配布しました。
(参考)【令和8年熊本地震】東京から熊本に向け「救援物資」を搬出
https://www.jrc.or.jp/press/2026/0731_054740.html
■義援金の受け付け
日赤では、令和8年7月31日から10月30日まで「令和8年熊本地震災害義援金」を受け付けています。お寄せいただいた義援金は、全額を熊本県の義援金配分委員会へ送金し、被災された方々の生活支援に役立てられます。9月30日時点で84億4,298万8,836円を熊本県義援金配分委員会へ送金しました。(上記送金後に寄せられた義援金については、熊本県義援金配分委員会への速やかな送金に向けて順次取り進めています。)
(参考)令和8年熊本地震災害義援金の受付を開始しました
https://www.jrc.or.jp/contribution/2026/0731_054627.html
復旧・復興を支える赤十字ボランティア
発災以降、熊本県内では、多くの赤十字ボランティアが救援物資の搬入や災害ボランティアセンターでの熱中症の予防・啓発など、さまざまな支援活動を実施しています。また、全国各地の赤十字ボランティアや青少年赤十字メンバーも、義援金の募集や救援物資の搬入・搬出など、それぞれの地域から熊本を支える活動に取り組んでいます。
日頃から地域に根ざして活動する赤十字ボランティアは、赤十字救急法などを通じて培った知識や経験を生かし、被災地の状況やニーズに応じた支援を続けています。
今後の活動について
今回の地震では、発災直後から熊本県支部と熊本赤十字病院を中心に、全国の支部や赤十字病院などのネットワークを生かし、全国から救護班などの人員や救援物資を被災地へ届けてきました。
他方、
発災から2カ月が経過し、被災地で求められる支援は変化しています。ライフラインの復旧や応急仮設住宅の整備が進む一方で、避
難生活の長期化に伴う体調悪化や災害関連死のリスクに加え、生活環境の変化による負担や、時間の経過とともに積み重なる疲労・不安など、発災直後とは異なる課題が顕在化しています。また、
生活再建が進むにつれて、被災された方々が置かれる状況や必要とする支援も、一人一人異なるものとなっていきます。
こうした支援ニーズの変化を踏まえ、10月以降は、全国からの応援による支援体制から、熊本県支部を中心とした地域に根ざす支援体制へと移行します。全国のネットワークを生かした集中的な支援から、
地域の状況を最もよく知る熊本県支部を中心とした支援へとかたちを変えながら、被災された方々一人一人の状況やニーズに寄り添った支援を続けていきます。
復旧・復興には時間がかかります。日赤は、
発災直後の「いのちを救う」支援から、避難生活の中で「いのちと健康を守り続ける」支援、そしてその先の「暮らしを支える」支援へと、その時々に必要な支援のかたちを変えながら、中長期的な支援を継続してまいります。
【医療にとどまらない支援を届けるために ~災害医療コーディネーターから見た熊本地震~】
今回の災害では、比較的早い段階で地域の病院やクリニックなどの医療機関が、被災しながらも診療を再開してくださったことがとてもありがたかったです。もちろん、避難所で体調を崩す方や健康の不安を訴える方々がいらっしゃるので、日赤の救護班が診察をすることもありました。しかし今は、出来る限り、住民の皆さまが地域のかかりつけ医の先生方の医療機関を「いつものように」受診してくださるようお勧めすることを心がけています。
一方で、発災当初に避難所の環境を調査する中で、改善の取り組みが必要と思われる場所もありました。日赤の救護班は、他団体の皆さまと一緒に段ボールベッドの設置や、床の清掃など、さまざまな活動を行いました。医師、看護師、薬剤師などの職種に関わらず、避難する方々の苦痛を軽減し、感染症などのリスクから人々を守り、生活不活発を予防するために活動しました。「被災者ファーストで何でもやる」を徹底しました。
熊本は、平成28年に発生した地震、令和2年と7年の豪雨災害、そして今回の地震と、繰り返し大きな災害に見舞われました。そのたびに、全国の皆さまや海外からも私たちに寄り添ってくださいました。被災県の熊本で働く医師として、また日赤のスタッフとして、心から感謝申し上げます。そして、政府や行政機関、さまざまな団体の皆さまと、連携・協力して活動を続けられることを心強く感じています。
今後、外部からの医療支援の規模は小さくなっていくかと思いますが、被災された方々の生活再建には、まだ時間がかかるかもしれません。特に、「こころのケア」の支援が必要です。余震もあり、「避難所から家に帰るのが怖い」という声もお聞きします。引き続き、被災地の求める支援とは何か?を常に意識しながら、日赤に、そして私自身に何が出来るのかを考え、行動していきたいと思います。
熊本赤十字病院 救急科 山家 純一(医師)
日赤熊本県支部災害医療コーディネーター
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■日本赤十字社の災害救護について
日本赤十字社では、熊本地震にかかる対応のほかにも、さまざまな活動を行っています。
また、日本赤十字社HPにて災害救護速報を公開しておりますので、併せてご参照ください。
災害救護速報(国内):
https://www.jrc.or.jp/domestic_rescue/