中原ちひろによる原画作品展示
――物語の入口は、一枚の絵から。空想が息づく「楽園」の風景
展覧会「かいじゅうたちの楽園 Paradise of Kaiju」は、“人間の知らないどこかの場所に、宇宙人や怪獣たちの暮らす世界がある。そこには彼らを迫害する者はおらず、彼らは思うさま自由を謳歌し、伸びやかに暮らしている。”という設定をもとに、中原ちひろ氏の卓越した空想力により生み出された、幻想的で物語性豊かなアート作品群です。
本展に登場する個性豊かな“かいじゅう”たちは、デザインをリメイクしただけではなく、この設定のもとに中原氏が新しくそれぞれの性格や背景を“空想”し、新しいキャラクターとして息吹を吹き込んでいます。オリジナルのウルトラ怪獣の設定や登場話、デザイン画を丹念に研究し、円谷プロやプロジェクトメンバーと何度も対話を重ねながら、戦いのない世界で暮らす“かいじゅう”たちの姿を描き出しました。
また、本展の物語は「かいじゅうたちだけが暮らす住処(すみか)へ、“人間(ヒト)”の子どもたちが迷い込む」ことから始まります。子どもたちは、かいじゅうたちの不思議な姿に心をひかれ、少しずつ近づき、ともに過ごすうちに手や足あと、姿、声までも変わり、この世界に馴染んでいく――。作品を眺めているうちに、鑑賞者もまた次の空想やストーリーを紡ぎたくなるような、豊かな余白をたたえた展示です。
キービジュアル作品 《虹や知恵や遊びの庭》
プロジェクトの最初に描かれた作品 《ダダの幕開け》
円谷プロによるコンセプト資料展示
――戦いのない世界で、かいじゅうたちはどう生きる?“楽園”という再解釈
本展は、「人間社会」には干渉しない怪獣たちが思うまま生きる、「元いた世界」に人間が迷い込む、という空想から出発しています。怪獣を単なる敵役ではなく“多様性の象徴”として捉え直す本プロジェクトの視点を、会場のコンセプト資料展示でも立体的に読み解くことができます。
「ウルトラ怪獣」とは、今年60周年を迎える「ウルトラマンシリーズ」をはじめとする円谷プロの作品群に登場する、個性豊かな怪獣・星人・ロボットたちの総称です。彼らは単なる敵役ではなく、それぞれが物語を背負い、魅力的なデザインとともに作品世界に深みを与えてきました。
本展では、怪獣たちを単なる敵役としてではなく、新たな視点からその魅力を提示します。
絵画に登場する怪獣たちの生態や特徴をまとめた「怪獣空想ファイル」
膨大なキャラクターのなかから、中原が今回描いた60体のかいじゅうたち
中原ちひろが各キャラクターのコンセプトを記載
イマーシブな映像インスタレーション体験展示
――絵から映像へ。かいじゅうたちの時間を“体験”する
展示奥では、原画を起点に制作された映像インスタレーションを体験できます。
本映像は、アニメーションを表現として学んできた芸術大学出身のクリエイターが中原氏の作品世界に伴走しながら制作した、作家性の高いアプローチによるインスタレーション作品です。 朝から夜へと移ろう時間の流れのなかで、怪獣たちが“戦い”とは別のかたちで生きる姿を描き出しています。中原氏の作品世界をそのまま切り出すようにアニメーション化することで、怪獣を知る方には「確かにあの怪獣だ」と気づける手がかりを、初めて触れる方には未知の生き物として楽しめる余白を残した演出となっています。絵画の静けさから、動きと音のある体験へ。物語世界に“入り込む”感覚を、会場でぜひ味わってください。
映像インスタレーション(一部)
壁の三面を使った大型の映像インスタレーションは朝から夜の風景へと変化していく
世界観を持ち帰る、オリジナルグッズ
――複製原画や立体作品、推し7体と一緒に「楽園」を日常へ
本展では、「かいじゅうたちの楽園」の世界観を持ち帰ることのできるオリジナルグッズも販売しています。作品に登場する“推し7体”(ピグモン、メトロン星人、ヤメタランス、レッドキング、チブル星人、ダダ、エレキング)をモチーフにしたアイテムを中心に、アートとキャラクターの魅力を日常のなかで楽しめるラインナップを展開しています。展示鑑賞の余韻とともに、ぜひショップもお立ち寄りください。
会場前スペースのグッズコーナーには、立体エディション作品も展示
“推し7体”をモチーフにした7作品の複製原画は受注にて販売
アクリルスタンドは全7種、各1,870円(税込)