4.各機関の役割
●NTT:スクイーズド光源の設計・作製およびスクイーズド光測定
●東京大学:スクイーズド光測定および実験系全体の設計・構築
●理化学研究所:実験・理論に関する議論
●OptQC:実験・理論に関する議論
5.今後の展開
本技術は光量子コンピュータの計算精度向上およびムーンショット目標6のめざす将来の誤り耐性型量子コンピュータ実現に大きく貢献します。今後、今回の成果を導入した量子コンピュータを実現し、2027年には1万量子ビットの量子コンピュータの実証をめざします。
6.関連する過去の報道発表
・2021年12月22日「世界初、ラックサイズで大規模光量子コンピュータを実現する基幹技術開発に成功」
https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/12/22/211222a.html
・2024年11月8日「新方式の量子コンピュータを実現」
https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/11/08/241108a.html
論文情報
雑誌名:Optics Express
題 名:Generation of 10-dB squeezed light from a broadband waveguide optical parametric amplifier with improved phase locking method
著者名:Kazuki Hirota, Takahiro Kashiwazaki, Gyeongmin Ha, Taichi Yamashima, Pawaphat Jaturaphagorn, Takumi Suzuki, Kazuma Takahashi, Akito Kawasaki, Asuka Inoue, Warit Asavanant, Mamoru Endo, Takeshi Umeki, and Akira Furusawa
DOI:10.1364/OE.585323
URL:
https://opg.optica.org/oe/fulltext.cfm?uri=oe-34-5-7958
研究助成
本研究は、科学技術振興機構(JST)ムーンショット型研究開発事業 ムーンショット目標6「2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現」(プログラムディレクター:北川 勝浩 大阪大学 量子情報・量子生命研究センター センター長)研究開発プロジェクト「誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発(JPMJMS2064)」(プロジェクトマネージャー(PM):古澤 明 東京大学大学院工学系研究科 教授/理化学研究所量子コンピュータ研究センター 副センター長)による支援を受けて行われました。
【用語解説】
*1.導波路型光デバイス
光を閉じ込めて、ある方向に光を伝搬させることのできる構造を有する光デバイスの総称。光ファイバなども光導波路の一種。導波路型の光パラメトリック増幅器は一般に、その光閉じ込め効果の大きさから共振器構造を持たず十分に大きい非線形光学効果を引き起こすことができるため、広帯域な非線形光学効果を発揮することが可能。本研究においては広帯域なスクイーズド光生成を可能にしている。
*2.連続量光量子コンピュータ
一般的に広く知られる離散量の量子コンピュータは0と1の重ね合わせを用いるが、連続量の量子コンピュータはアナログ値の重ね合わせを用いることができる。特に光方式では光の直交位相振幅に情報を重畳する。
*3.GKP量子ビット
GKP量子ビット(Gottesman–Kitaev–Preskill量子ビット)は、連続変数量子系(例:量子調和振動子)の位相空間上に格子状に符号化された量子ビットである。無限次元系を用いることで、小さな位置・運動量のずれ(ガウス雑音)に対して高い耐性を持つ誤り訂正が可能となる。主に連続変数量子計算と離散量子ビットを橋渡しする誤り耐性量子情報処理の基盤として研究されている。
*4.周期分極反転ニオブ酸リチウム(PPLN)導波路
強誘電体であるニオブ酸リチウムからなり、その分極方向を光伝搬軸に周期的に反転させた光デバイス。周期構造により非線形光学効果が向上し、様々な光技術に用いられる。