日本ガイシ株式会社(社長:小林茂、本社:名古屋市)は、東北大学「津波バルーンプロジェクト」の実証実験に、当社の超薄型・小型リチウムイオン二次電池「EnerCera(エナセラ)」の製造・提供を通じて協力します。本プロジェクトは、津波発生時にバルーン型避難標識を自動で掲揚し、上空から津波避難施設の所在地を直感的に示す新たな防災システムの構築を目指す取り組みです。当社のEnerCeraは、バルーンにおける光源部の電源を担い、夜間や視界の悪い状況でも避難場所を明確に示す仕組みを実現します。
本実証では、津波発生直後に作動するバルーン型避難標識の光源部にEnerCeraを使い、バルーンを掲揚した際に十分な輝度であるか、実用性に問題がないかなどの検証を行います。EnerCeraは、薄型・軽量でありながら高出力と優れた耐久性を備えており、屋外でも安定稼働が期待できます。無線による点灯制御を行うことで、暗い時間帯でも津波避難施設を認識しやすくし、避難行動の一助となります。
「津波バルーンプロジェクト」は、準天頂衛星システム「みちびき」から配信される災危通報(津波警報や緊急地震速報)を受信し、バルーンを自動で上空へ展開するシステムを開発する東北大学の技術チームです。本実証では、その一連の動作試験が実施され、津波警報(試験配信)の受信後にバルーン内部にガスが高速充填され、直径2m程のバルーンが約2~3分で地上から約40mの高さまで掲揚されます。バルーンには人型ピクトグラムが描かれており、避難時に空を見上げるだけで避難施設の位置を把握できるよう設計されています。夜間にはEnerCeraを電源とするLEDが点灯し、避難者を視覚的に誘導します。
南海トラフ地震では、地震発生から10分以内に津波が到達する地域が60市町村以上と予想されており、その地域では短時間での避難が求められます。避難先となる津波避難ビルや津波避難タワーは市街地の建物に紛れ、地域外から訪れた人には発見しづらいという課題があります。こうした状況を受け、東北大学の提案を起点に、「空から津波避難施設の所在地を示す新しい標識」を実現するために、当社独自のセラミック技術で協力します。
当社は、南海トラフ地震の想定被災地域に事業拠点を置く企業として、本取り組みが地域の安全に寄与すると考えています。NGKグループは、2050年の未来を見据えた中長期ビジョン「NGKグループビジョン Road to 2050」で、カーボンニュートラル(CN)とデジタル社会(DS)への事業構成転換を目指しています。本取り組みで得られる知見を社会課題の解決に役立つ製品・サービスの創出につなげ、今後も持続可能な社会の実現を目指していきます。
バルーンの仕組み(イメージ)
バルーンの掲揚イメージ
※「EnerCera」は日本ガイシ株式会社の登録商標です。