大阪工業大学(学長:井上晋)知的財産学部の水野五郎教授ゼミは、1926年にモナコで日本人男女が世間を騒がせたスキャンダラスな事件を、当事者で元新聞記者の武林文子が赤裸々につづった自伝的小説『この女を見よ』を復刊しました。国立国会図書館にも所蔵されていない稀覯書(きこうしょ)です。著作権を学ぶ学生が、1年がかりでテキストの書き起こしから、編集、レイアウト、校正、装丁までを行いました。
【本件のポイント】
● 国立国会図書館にもない稀覯書を、著作権を学ぶ大学生が70年ぶりに復刊
● 愛憎のもつれから銃撃騒ぎとなった1926年の「モンテカルロ事件」が題材
● 1920年代の「狂乱の時代」のパリで自由奔放に生きた女性の自伝的小説
著者の武林文子は、大正時代に女性新聞記者の先駆けとして「化け込み」という潜入ルポで名をはせました。たくましく人生を切り開くさまに水野ゼミの学生が興味を持ち、2022年にエッセーなどから成る『女のくせに』(著者名は旧姓の中平文子)を復刊。今回は第2弾として『この女を見よ』(1952年発行)を手掛けました。
文子が小説家の武林無想庵(たけばやしむそうあん)と結婚し、渡仏してからの日々を描いています。無想庵の収入が途絶えたため日本料理店を経営しますが、共同経営者と恋仲になり、その後、関係がこじれて銃撃事件に発展します。「モンテカルロ事件」として日欧の新聞、雑誌をにぎわせた事件の背景をたどりつつ、1925年のパリ万博や、「青い鳥」の作者メーテルリンクら芸術家との交遊、劇場で日本舞踊を披露し好評を博したエピソードなど、華やかに浮かれる「狂乱の時代」のパリで自由奔放に生きる様子がつづられています。
本書は、入手困難で著作権の切れた本を学生の手で復刊、販売し、著作権、契約、マーケティングを実践的に学ぶ研究プロジェクトの成果物です。『女のくせに』と『この女を見よ』の復刊は、女子学生が中心のチームで取り組みました。表紙は、本学空間デザイン学科の学生が制作。作品を丁寧に読み込み、登場する場面やアイテムを盛り込んだデザインに仕上げています。
【武林文子『この女を見よ』概要】
体 裁:文庫判(A6)、258ページ
価 格:1,000円(税込)※水野ゼミの本屋・Boothでの通常価格
販 売:①水野ゼミの本屋(大阪市北区西天満5-12-16 山口ビル4階 401)
月・金/18:30~20:30、土・日・祝/13:00~20:00
②インターネットのマーケットプレイス「Booth」
https://booth.pm/ja/items/7573075
③以下の書店でも扱っています
「タコシェ」(東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ3階)
「マルジナリア書店」(東京都府中市片町2-21-9ハートワンプラザ3階 A-2)
「henn books」(名古屋市中区新栄1-6-3 シャインビル2階)
「ネコゼ商店」(愛知県豊橋市駅前大通3丁目118 大豊ビルA1)
「ほんの入り口」(奈良市船橋町1番地)
「1003」(神戸市中央区栄町通1-1-9 東方ビル 504号室)
「風文庫」(兵庫県芦屋市西山町11-6-303)
オンライン書店「ビーナイスの本屋さん」
https://benice-books.stores.jp/
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人常翔学園 広報室
石村、上田
住所:大阪市旭区大宮5丁目16番1号
TEL:06-6954-4026
メール:Koho@josho.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/