サウジアラビア総合投資院アブドゥルラティフ・アル・オスマン総裁は、「私たちは、日本企業がサウジアラビアに深く根を張り、地元や地域で、そして国際的に成功できるよう道を開きたいと考えています」と述べました。
東京(2015年5月18日) –サウジアラビアは本日、日本とサウジアラビア間の60年にわたる外交関係の重要性を強調し、1955年に両国間で結ばれた歴史的な絆を讃え、現在の二国間取引関係の経済的価値が増大しつつあることを強調しました。東京でのサウジアラビア投資展示会では、集まった出席者はインフラと社会投資のプログラムにおけるサウジアラビアへの投資が日本企業に提供する事業機会について改めて認識しました。
日本のサウジアラビア向け外国直接投資残高は、2013年末に39億600万米ドル※1となっており、1996年の同残高から8倍に増加し、世界各国の平均残高の4倍に達しています。日本とサウジアラビアの企業間協力は増大しており、サウジアラビア総合投資院(SAUDI ARABIAN GENERAL INVESTMENT AUTHORITY、以下SAGIA)のアブドゥルラティフ・アル・オスマン総裁は、現代の両国にとってのその重要性を次のように強調しました。
「私達と日本との関係の価値と重要性は、当時皇太子であった二聖モスクの守護者サルマン国王の2014年の日本への訪問で示され、日本とサウジアラビア間の共同投資を促進する覚書を含む、3通の覚書に署名しました。今日この場をお借りして、既に行われた協力に対して敬意を払うとともに、両国が昨年交わした約束を改めて確認いたします」
アル・オスマン総裁は、政府と企業の代表者と対話し、日本の投資が根を張り、花を開くことができる公正な環境を整えるためにSAGIAが講じてきた措置を説明しました。日本の投資家に対する総裁の訴求は、サウジアラビア証券取引所の開設、インフラ・人的資本への大型公共投資などの大きな進歩と、サウジアラビアの可能性を最大限にし、質の高い投資の機会を提供する統一投資計画(Unified Investment Plan、UIP)による投資への関与のさらなる強化を通じて、外国直接投資への中東地域最大の経済国をさらに多様化と競争力を向上させる国家的な推進活動の一環です。
UIPを通じ、サウジアラビアは各省庁と協力して、投資を行なう際に情報に基づく決定を行って投資収益を最大化することを支援する投資機会や、サウジアラビア内の全ての投資機会を記載したアプリを作成しています。これにより、日本企業の貢献、専門知識および製品から恩恵を得ることができる、サウジアラビアの輸送と医療のセクターおよび産業機器を含む18セクターの100を超えるプロジェクトがUIPを通じて特定されます。
サウジアラビアには日本の投資家にとって理想的である3つの投資セクター、輸送、医療および自動車と産業機器の製造業があります。これらは、日本企業が技術革新と迅速な提供により世界で認められた実績を有する分野です。サウジアラビアの社会が経済的に発展し、地理的に多様な地域が経済活動の中心として進化するにつれ、サウジアラビアの大きな関心となっている輸送に関しては、困難な環境においても信頼できる鉄道インフラを構築することが出来る日本の高度な鉄道の技術と経験が関心を集めています。サウジアラビアは現在、多くのセクターで数百億ドル相当の大規模プロジェクトが進行しています。例えば、輸送セクターだけでも、将来の鉄道、港湾、地下鉄および空港を建設するため、今後10年間で1400億ドルが費やされます。
アル・オスマン総裁は、講演のなかで、日本企業がサウジアラビアで事業を開始するための手続きを、SAGIAがいかに簡素化してきたのかを強調しました。投資認可の全ての要件は現在、1つの明解な文書にまとめられおり、これは日本語を含む多くの言語に翻訳されています。加えて迅速なアプリケーションサービスを通じてライセンスの発行にかかる期間を削減することでSAGIAは、わずか5日、またはそれよりも短い期間で企業に投資認可を与えることができます。
また、アル・オスマン総裁は、SAGIAとサウジアラビアが革新的で競争力のある価値を提供できる日本の中堅企業を対象とし特に注目していることを強調しました。
投資優遇措置は、世界中の投資家が堅実な成長見通しと安定性の両方を有する新市場を求めているなかで、以下のサウジアラビアの長所を強化するものです。
•サウジアラビアは、G20で3番目に成長の速い経済国です。過去10年間に年平均5%で成長しており、IMFは今後も長く安定的に成長すると予測しています。
•2015年2月、フィッチは、サウジアラビアの財政状況、安定性、進行中の市場改革、および予想される原油価格の回復により、サウジアラビアのソブリン格付けを安定的見通しのAAに据え置きました。
•経済と規制の改革の結果、過去10年間で6,000社を超える外国企業がサウジアラビアに事業を確立してきました。
•外国投資と国内投資は、合わせて年平均16%で成長しており、2005年の500億米ドルから、2014年には1800億米ドルに増化しています。
•サウジアラビアは、アラブ自由貿易協定のアラブ17か国内の3億5000万人の市場に対する効率的で無税のアクセスを外国投資家に提供しています。
•サウジアラビアには、技術知識の豊富な若い人材がおり、キング・アブドゥッラー科学技術大学など35の大学を含め、人的資本と医療に多額の投資(国家予算の40%相当)を行っています。
•サウジアラビアには、所得税、財産税、売上税、付加価値税がありません。法人税率は20%であり、無期限に損失を繰り越して、将来の税金債務を相殺することができます。
•サウジアラビアでは主要セクターにおいて、外国人による100%の事業所有を認めています。
※1:出典 JETRO「日本の国・地域別対外直接投資残高」
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SAGIAについて
サウジアラビア総合投資院(SAGIA)は、サウジアラビアの新しい外国投資法の一環として、2000年に設立されました。SAGIAは、サウジアラビアへの外国投資の誘致を監督しているほか、サウジアラビアの事業環境を継続的に改善するため、サウジアラビアの競争力の問題を管理しています。サウジアラビアでの投資機会の詳細については、こちらをご覧ください。www.sagia.gov.sa.
参考:
報告書
世界主要各国に展開し続ける
゛Invest in Saudi Arabia゛ (サウジアラビア投資促進) 展覧会
SAGIA (サウジアラビア総合投資院) は、サウジアラビアにおける投資環境、インセンティブ、メリットを発信する義務と責任を有しています。同機関はその一環として地方や地域のみならず、グローバルな会議やイベントを数多く開催し、運営に取り組んでいます。多岐にわたる運営内容には、省庁、政府機関、商業会議所協会など戦略的パートナーが集まるイベントのサポートが含まれています。こうした取り組みにより、投資家にサービスを提供する上で一貫したメッセージが維持されています。SAGIA が日本の首都、東京で開催する ゛Invest in Saudi Arabia゛ (サウジアラビア投資促進) 展覧会は今年で 2 年目となり、多様なステークホルダーの参加が期待されております。イベントは火曜日に、日・サウジアラビア外交関係樹立60周年記念と並行して開催されます。リヤドで最初に開催されてから、東京を次の都市に指定するまで、展覧会はサウジアラビアの豊かな投資環境を発信する上で重要な手段となってきました。
開催する場所や手段において柔軟に対応かつ変革し、内容を多様化するところが ゛Invest in Saudi Arabia゛ (サウジアラビア投資促進) 展覧会の特長でもあります。東京における前回の展覧会では医療や運輸などといった特定のセクターを対象とした投資促進を重視しましたが、今年は輸出開発局 (Export Development Authority) や産業都市局 (Industrial Cities Authority) がサウジアラビアの事業を取り巻く投資機会や最も重要なインセンティブについて貴重な情報を提供する予定となっています。例えば輸出関連コンサルティングやサポートのほか、土地、金融、関税の免除などについても相談を受けることができます。次に挙げるのは ゛Invest in Saudi Arabia゛ (サウジアラビア投資促進) 展覧会で来場者が最も多かった展示です。
1.゛Invest in Saudi Arabia゛ 展覧会 (日本):
SAGIA が最初の国際展覧会開催都市として日本を指定。2014年2月に開催し、付加価値の高い投資機会を提供しました。日本が進める開発事業の発展およびサウジアラビアとの強力な関係を背景に、展覧会は東京と大阪で開催されました。サウジアラビア・日本ビジネス協議会による協力の下、サウジアラビアから 18 の政府・準政府機関が参加しました。同展示会で 500 以上の企業や団体が参加するなか、サウジアラビア王国における投資環境と手続きのほか、日本からの投資を促すため、特に投資インセンティブに重点を置きながら登録、ライセンス、会社設立などのサポートが提供されました。さらに二聖モスクの偉大なるサルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王-神のご加護とともに-の管理官 2 名出席の下、サウジアラビアと日本の民間企業の協調とパートナーシップを強化するための調停式も行われました。
2.サウジアラビア・中国投資促進フォーラム / ゛Invest in Saudi Arabia゛ (サウジアラビア投資促進) 展覧会
2014年3月、二聖モスクの偉大なるサルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王-神のご加護とともに-の管理官の中国への訪問に合わせ、SAGIA は中国の首都、北京にて最初の投資・ビジネスフォーラムを開催しました。同フォーラムには商工省大臣およびキング・アブドゥルアズィーズ・シティー科学技術庁長官であるドクター・タウフィク・ビン・ファウザン・アルラビア閣下、ドクター・ムハマド・ビン・イブラヒム・アルスワイエル閣下、サウジアラビア駐中国大使であるドクター・ヤハヤ・ビン・アブドゥール・カリム・アルザイード氏、中国投資局長官であるリューディアンクスン氏のほか、両国多数のビジネスリーダーが出席しました。゛Invest in Saudi Arabia゛ (サウジアラビア投資促進) 展覧会はフォーラムと並行して行われ、両国から 650 名のビジネス関係者が来場しました。これは東京に次ぐ第二の国際展覧会であり、サウジアラビア王国への投資に前向きな企業、組織、中国事業家向けに多数の企業や政府機関が出展しました。フォーラムでは SAGIA と中国商務省の間で投資を促進する二国間協定も調停されました。同調停式は二聖モスクの偉大なるサルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王管理官の下に行われました。
3.サウジ・英国投資フォーラムと「サウジアラビアでの投資」展示会:
サウジの英国大使ムハマド・ビン・ナワフ・ビン・アブドゥルアジーズ王子殿下が、2014年5月に投資庁がユーロマネー社との協力により企画したサウジ・英国投資フォーラムおよび展示会を開会されました。保健省と交通省がザールで参加し、情報科学のその他の専門企業やサウジアラムコの参加もありました。フォーラムの目標は、サウジアラビアの豊かな投資機会やサウジアラビア王国における投資の利点を紹介し、特に大きな可能性のある分野でサウジ市場への世界の一流企業の参入を促す方法や要件などを話し合うことでした。フォーラムでは、交通、医療、情報科学の3つの主要分野における投資の機会についても話し合いをしました。交通セクターでは、フォーラムはサウジアラビア王国の様々地域で計画されている鉄道とメトロのネットワークやサウジにおけるその他のインフラ・プロジェクトについていくらか明らかにしました。このセクターへの投資の機会と課題についてのパネル・ディスカッションも行われました。医療セクターの関係者は、医療関係の課題やこのセクターの規模や医療費、このセクターへの投資の見込みなどについて話し合いをしました。サウジアラビア王国ではテクノロジーに注目することで中小規模の事業を発展させたいと考えていることを踏まえて、話し合いでは情報科学、イノベーション、テクノロジーに関する課題にも触れました。フォーラムと展示会には、投資分野の300人ものエキスパートやスペシャリスト、これら3つのセクターを専門にする英国企業の経営陣が参加しました。
4.サウジ-フランス投資フォーラムと「サウジアラビアでの投資」展示会:
二聖モスクの守護者サルマン・ビン・アブドゥルアジーズ国王殿下-神のご加護とともに-が2014年9月初旬にパリで「サウジアラビアでの投資」展示会の開会を執り行われました。国王はその後、賢明なリーダーシップの支援により王国が達成した進歩を描く様々な写真をご覧になられました。この展示会では、サウジ経済の豊かな投資機会、交通、製造、エネルギー、情報通信科学などの成功の可能性が大きい投資分野やセクターにフランス投資会社がアクセスできるようにする方法、地元および外国の私有企業に対してKSAが提供しているインセンティブやファシリティを紹介しています。
また、参加者は様々なセクターについての詳細情報やデータのレビューを行いました。これには、大規模な開発プロジェクトの規模、現在サウジアラビア王国で導入中の分野の多様性、投資環境の更なる開発を目標としている各セクターにおける政府の出費が反映されていました。フォーラムには、サウジアラビア王国の多様な経済セクターを代表する50人以上のサウジのビジネスマン達が集まりました。
5.ドバイ年次投資フォーラム:
投資庁と14を超えるサウジ政府と私有組織が、アラブ首長国連邦ドバイの年次投資フォーラムの活動に参加しました。これには、世界中の多数の国やプライベートセクター会社が参加しました。フォーラムの発足以来初めてサウジ王国が参加したことから、KSAがフォーラムの主賓に選ばれた。SAGIAでは、フォーラムや並行して行われた展示会では、「イノベーションとテクノロジーのトランスファーに対する国外からの直接投資を通じて、維持可能な開発を行う」というスローガンで特徴豊かな参加を行いました。
報道関係お問い合わせ先:
フライシュマン・ヒラード・ジャパン 担当:友永
Email: yuzo.tomonaga@fleishman.com