板ガラスのサーキュラーエコノミーの実現に向けて協業を開始
オリックス株式会社(本社:東京都港区、社長:髙橋 英丈、以下「オリックス」)、オリックス環境株式会社(本社:東京都港区、社長:山下 英峰、以下「オリックス環境」)、およびAGC株式会社(本社:東京都千代田区、社長:平井 良典、以下「AGC」)は、集合住宅などの改修工事で発生する廃棄窓ガラスについて、国内初
※1となる水平リサイクル事業のスキームを構築しました。
水平リサイクルとは、使用済み製品を原料として、再び同じ種類の製品を製造する取り組みで、廃棄物の削減や資源の節約により環境負荷の軽減につながります。今回の協業では、廃棄物処理事業者のオリックス環境が廃棄窓ガラスの回収およびサッシの分離を行い、次にガラスのリサイクル事業を展開するTREガラス株式会社(TREホールディングス株式会社の連結子会社、本社:東京都江東区)がカレット(ガラス端材)の精製および品質確認を実施し、最後にAGCが当該カレットを用いて新たな建築用板ガラスを製造します。各社の強みを生かすことで、経済的に持続可能な水平リサイクルの運用体制を構築しました。なお、オリックスは、本スキームの構想および全体のマネジメントを担いました。
窓ガラスの水平リサイクル事業スキーム図
現在、国内で建築物から発生する廃棄窓ガラスは年間50万トン以上とされ、主に埋め立てや、元の製品よりも品質が低い製品として再利用するカスケードリサイクルによって処理されています。本スキームで窓ガラスを水平リサイクルすることで、産業廃棄物の削減のみならず、ガラス製造時のカレット使用比率の増加により、珪砂(けいしゃ)やソーダ灰などのバージン原料
※2の使用量の節減
※3や、原料の輸入率低減に寄与します。また、カレットはバージン原料と比較して低温で溶解できるため、製造工程におけるGHG排出削減
※4にも貢献します。今後は、パートナー企業のさらなる参画を推進し、本スキームの拡大を目指すとともに、太陽光パネルや自動車の窓ガラスなど、建築用途以外の廃棄ガラスへの適用も検討していきます。
オリックスグループとAGCは、ガラスの水平リサイクル事業の拡大を通して、環境への負荷を低減するサーキュラーエコノミーの実現に向けて連携して取り組んでまいります。
※1 AGC調べ。
※2 再利用されていない新しい原材料のこと。
※3 リサイクルされたカレットを1トン利用するごとに、1.2トンのバージン原料を節減できる見込み。
※4 バージン原料をカレットに代替することで、溶解に必要な熱エネルギーを削減でき、ガラス1トンあたり原料調達から製造までで0.5~0.7トンのGHG排出量を削減できる見込み。
■オリックスグループについて
1964年に設立されたオリックスグループは、法人金融、産業/ICT機器、環境エネルギー、自動車関連、不動産関連、事業投資・コンセッション、銀行、生命保険など多角的に事業を展開する企業グループです。現在は、世界約30カ国・地域において、約34,000人の役職員により事業を展開しています。
オリックスグループは、幅広い分野における専門性、グループ内連携、日本全国の企業ネットワークを生かし、本取り組みのみならず、今後、他素材や他製品でもサーキュラーエコノミーに欠かせない企業間連携の役割を担ってまいります。
■AGCについて
AGCはグローバルトップシェア製品を数多く有する総合素材メーカーです。1907年に創立、祖業である板ガラス生産から始まり、時代の変化に合わせて、世の中で必要とされる素材・ソリューションを提供してきました。現在ではグループで30を超える国と地域において、ガラス、電子、化学、ライフサイエンス、セラミックスなど幅広い分野で事業を展開しています。
詳しくは、AGCのウェブサイトをご覧ください。
https://www.agc.com/