ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:竹下 隆史)は、2024年11月3日にJリーグクラブ大分トリニータとともに、クラサスドーム大分(旧レゾナックドーム、大分県大分市)で産官学連携による地域貢献イベントを開催し、社会貢献活動における社会的インパクトの可視化プロジェクトを実施しました。ホーム最終戦で開催したイベントの成果を社会的投資収益率(Social Return On Investment、以下SROI)の手法を用いて分析した結果、投資額と比較して貨幣換算で4.21倍の価値が創出されていることが分かりました。
※産官学連携による地域貢献イベント概要についてはこちらをご覧ください。
・ネットワンシステムズ、Jリーグ大分トリニータと社会貢献活動における 社会的インパクトの可視化プロジェクトを実施 | ネットワンシステムズ
https://www.netone.co.jp/news/release/20241028_01.html
・「ネットワンソーシャルアクションデー~つなぐ想い・人・未来~」開催のお知らせ | 大分トリニータ公式サイト
https://www.oita-trinita.co.jp/news/202410118481/
■背景・目的
当社は、豊かな未来の実現と持続的成長に向け、協賛・共創を通じた社会貢献活動に取り組んでおり、その一環としてスポーツや文化芸術活動への協賛事業を実施しています。
近年、ESG投資の広がりにより、財務情報だけでなく非財務情報も企業価値を判断する指標の一つとして期待されてきている一方で、非財務情報に含まれる社会貢献活動は、活動の価値や効果の数値化が難しいという課題があります。
Jリーグクラブ大分トリニータとは、2009年よりのユニフォームスポンサー、加えて2020年より地域や社会の課題解決に取り組むソーシャルアクションパートナーとして様々な活動を共に取り組んでおり、3年間で6万人以上の方にスポーツを通した社会貢献活動を提供してまいりました。
その活動の社会的価値や効果を可視化・定量化することによって活動を更に推進し、効果の最大化を目指すため、SROI分析に挑戦することとなりました。
■SROI分析とは
社会的な活動に対して資金やリソースが投じられ、プロジェクトが実施された結果として発生した社会的インパクトについて、貨幣価値に換算された定量評価を行うものです。この指標では、社会・環境・経済面の費用と便益とを以て様々な活動による社会的インパクトを評価し、経済的な価値だけではない目に見えない価値を適切に評価することを目的としています。
■専門機関の協力による評価
本取り組みでは、「スポーツを通した社会貢献活動における社会的インパクトの可視化」の研究を進める帝京大学塚本拓也研究室、筑波大学松尾博一研究室の協力を得て、活動の社会的インパクトの効果について、SROI分析を活用し測定しました。結果としては、投資額と比較して貨幣換算で4.21倍の価値が創出されていることが分かりました。
・帝京大学 塚本拓也氏 コメント
今回のSROI調査では、ネットワンシステムズ株式会社と大分トリニータを中心とした産官学連携による「冠試合」を対象としました。社会的インパクトの評価は、1)スポーツへの投資の重要性を示すこと、2)評価・測定しないものはマネジメントができない、という2点からもその必要性があります。また、単純に評価をして終わりではなく、SROIの原則に「Be Responsive(対応を実践する)」があるように、報告会・ワークショップを開催し、次年度の改善案を示し、その結果を踏まえパートナー企業は経営統合報告書などに反映させていくことが大事です。以上を踏まえ、本プロジェクトを通し、今回SROIの分析ステップを全て完結できたのは大きな成果と言えます。
・筑波大学 松尾博一氏 コメント
調査結果については上記の通りポジティブなものであり、開催されたイベントにてステークホルダー全体で投資額を大きく上回る社会的価値を生み出していることが明らかになったことは、より大きな社会的価値の創出を目指した更なる投資を喚起するために、有益な資料になると思われます。両社は既にレポートを参照しながら次のアクションに繋げ、より大きな社会的価値を生み出そうとされておりますので、今後さらに両社の地域貢献イベントによる社会的価値が広がることを期待しております。
■今後の展望
当社は、活動主体をクラブと当社だけに閉ざさず、他のスポンサー企業・地元企業・学校・団体へ「活動の輪」を広げた新しいカタチで、地域社会に貢献することを目指しています。
スポーツや健康促進などに関する支援、スポーツを通じた子どもたちの成長機会の創出、SDGsイベントの開催といった様々な社会貢献活動を、3年間で合計27の団体・クラブ・企業・自治体・大学と連携し「活動の輪」を広げることで、持続可能で豊かな未来の実現を目指してきました。
今回の産官学連携地域貢献イベントのSROI分析結果から、本取り組みをよりSROI値の高い、すなわち社会的価値や効果の高い活動へとアップデートするには、
・ステークホルダー間の連携を強化し、地域社会に向けた共通価値を創造する
・サステナビリティの観点からの地球環境保全に向き合った活動
が必要であることが分かりました。
今回の結果を次のアクションへ繋げていくために、2025年1月22日に関係者への報告会とサステナビリティワークショップを実施しました。ワークショップでは、Jリーグの気候変動アクションロードマップに沿って「環境アクション」を重視した活動を行うため、大分トリニータ・ネットワン・他のスポンサー企業・地元企業・学生などのステークホルダーで、連携施策についてディスカッション・アイディアの創出を行い、次年度への準備を進めました。
今後も共創(協賛)活動を通して活動及び効果測定を、SROIプロジェクトとして各ステークホルダーと共に進めてまいります。
ネットワンシステムズ株式会社について
ネットワンシステムズ株式会社は、優れた技術力と価値を見極める能力を持ち合わせるICTの目利き集団として、その利活用を通じ、社会価値と経済価値を創出するサービスを提供することで持続可能な社会への貢献に取り組む企業です。常に世界の最先端技術動向を見極め、その組み合わせを検証して具現化するとともに、自社内で実践することで利活用ノウハウも併せてお届けしています。
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