大塚製薬が「世界メノポーズデー(10/18)」を前に、「更年期の手指の不調(メノポハンド※1)に関する意識調査」を実施
手指の不調を感じた50~60代女性の約3人に2人は、医療機関を受診せず ~一般生活者の症状軽視の実態が浮き彫りに。「初期段階での受診が大切」と医師が警鐘~
大塚製薬株式会社のニュートラシューティカルズ事業部「女性の健康推進プロジェクト」は、10月18日の「世界メノポーズデー」を前に、50歳から64歳の一般女性207名を対象とした「更年期の手指の不調に関する調査」を実施しました。※1 Menopausal Hand(更年期手)の別称。更年期あるいは更年期以降の女性において、閉経に伴いホルモンバランスが変化することで、「関節の痛みやこわばり」「腱鞘炎」「手根管症候群」等の症状が発症する病態。
【調査結果 主要ポイント】
・更年期症状を感じている女性のうち、71%が「手指の不調」を自覚している。(全体では47%)
・手指の不調を自覚している人のうち、「医療機関の受診経験がある人」は33%にとどまり、約3人に2人(67%)が「症状があるが、これまでに医療機関を受診したことはない」
・「過去に受診していたが現在は受診していない」もしくは「一度も受診したことがない」の人のうち、42%が「今後、医療機関を受診したいと思わない」と回答。理由は「受診するほど重症ではないと思う(55%)」や「日常生活に支障が出ていない(34%)」などが上位。
⇒50歳から64歳の更年期症状を感じている女性のうち、約7割(全体では約半数)が「手指の不調」を自覚しながらも、症状の軽視などを理由に、医療機関への受診に消極的な実態が明らかに。
【調査実施の背景】
女性特有の健康課題、女性ホルモンが心と身体に影響を及ぼすことによる、様々な症状に悩む女性は少なくありません。大塚製薬は、女性が自分らしく過ごせるように、女性の健康をサポートする活動のひとつとして、エクオールに関する研究をしています。
本調査は、世界メノポーズデーに先駆け、一般生活者が抱えている課題を把握することを 目的に行いました。
更年期以降の女性の悩みとして、手指の関節の痛みやしびれ、こわばりから変形に至る症状が多いことが知られていましたが、これまでは「加齢」や「手の使い過ぎ」が原因だと考えられていました。しかし、近年これらの症状には女性ホルモン(エストロゲン)の減少が関係していることが明らかになりつつあります。更年期女性に特徴的な手指の不調の症状を日本手外科学会では、更年期症状の一つ「更年期手(メノポハンド menopausal hand)」として位置づけています。そしてメノポハンドの症状は、女性ホルモンの欠乏によって生じるため、女性ホルモンの補充することで治療することができます。女性ホルモンに類似した作用があるエクオールも女性ホルモン補充療法の代替治療として注目されています。
一方で、治療が必要な方を適切な診断や医療機関へつなげることができていない課題があります。大塚製薬は、メノポハンドの疾患について情報発信をしていくことが重要だと考えます。
【調査概要】
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2024年7月26日~8月7日
・調査対象:全国の50~64歳の女性207人
※本調査レポートの百分率表示は小数点以下で四捨五入の丸め計算を行なっています。
【調査結果 詳細】
<1.更年期症状および手指の不調について>
・50~64歳の女性の47%が「更年期障害の症状を感じている」と回答しました。同じく50~64歳の女性の47%が「手指の不調」を感じており、50~60代の女性においては「更年期症状」を感じている人と同程度の割合で「手指の不調」を自覚している人がいる結果となりました。
・「更年期症状を自覚している人」に絞ると、手指の不調を自覚している人の割合は71%に上りました。
■Q1:あなたは現在、更年期障害の症状を感じていますか。(n=207)
■Q2:あなたは現在、手指に関して以下のような症状を感じていますか。【むくみ/痛み/腫れ/こわばり/つりやすさ/震え/関節の腫れ/指関節の変形/曲げると違和感がある/指の可動域が狭まってきた】(n=207)
※実際の調査では「医療機関への受診状況」も同時に聴取しているが、ここでは「手指の不調の有無」に絞って集計し、グラフ化
■Q1(更年期症状の有無)×Q2(手指の不調の有無)(n=98)
・手指の不調を感じている人のうち、67%が「症状があるが、これまでに医療機関を受診したことはない」と回答し、症状を自覚しながらも医療機関を受診していない人が約3人に2人もいる実態が明らかになりました。
・「過去に受診していない人」と「受診したことがない人」に、今後の受診意向を尋ねると、42%が「今後受診したいと思わない」と回答しました。その理由としては、「受診するほど重症ではないと思っているから」(55%)、「日常生活に支障が出ていないから」(34%)が上位に挙がりました。
■Q3:【Q2で「手指の症状を感じていると回答した人へ】医療機関の受診状況も含めて最もあてはまるものをお選びください。(n=98)
※実際の調査では「手指の不調の有無」も同時に聴取しているが、ここでは「手指の不調を感じている」人の「医療機関への受診状況」に絞って集計し、グラフ化
■Q5:【Q4で「今後受診したいと思わない」と回答した人へ】手指に関する以下の症状に対して、医療機関を受診しようと思わないのはなぜですか。(n=38)
【専門医からの解説】
身体に不調が現れた時に、どの診療科を受けたらいいか迷うことがあります。更年期に入って起きる様々な不調を感じたら、一度は婦人科を受診してみることをおすすめします。一般的な更年期症状といえば、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・発汗)がよく知られていますが、メノポハンドの罹患率は90%と高く、さらに一般的な症状はないのに手だけ痛むという人も少なくないです。
本調査でも、自覚症状があるものの、医療機関を受診したことはない人が67%いましたが、自覚症状があるときは軽微なものと思い込んで受診のタイミングを逃さずに、専門科のチェックを受けることも重要です。指の関節が炎症を起こして、腫れや痛みが出ている場合は、治療せずに放置しておくと、症状が進行してしまい、7〜10年かけて手指の関節が変形する可能性があるので、早めに受診されることをお勧めします。早期治療することにより、症状の悪化を防ぎ、病気の進行を予防できる可能性も高くなります。
メノポハンドの啓発においては、専門とする診療科などを周知する施策が必要であると考えます。手指に異変を感じたら、ぜひ手外科専門医を受診してください。
平瀬 雄一 先生
四谷メディカルキューブ
手の外科・マイクロサージャリーセンター センター長
日本手外科学会専門医
■大塚製薬では、様々なライフステージの女性に向けた健康情報サイトを公開しています。
更年期ラボ https://ko-nenkilab.jp/
女性の健康推進プロジェクト https://www.otsuka.co.jp/woman_healthcare_project
女性の健康セミナー開催案内 https://seminar.ko-nenkilab.jp/
PMSラボ https://www.otsuka.co.jp/pms-lab/