令和6年度「非化石エネルギー等導入促進対策費補助金(水素等供給基盤整備事業)」において福島県相馬地区におけるアンモニア供給拠点の構築に向けた調査が採択
アンモニアは、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、様々な用途で活用が期待される原燃料です。水素を別の状態や材料に変換して貯蔵・運搬する水素キャリアーとしても有望であり、水素社会(水素を身近なエネルギーとして活用する社会)構築にも大きな役割を果たすことが期待されています。日本政府は、燃料アンモニア関連技術の強みを的確に捉え、市場を先取するような国際標準の策定に向け、官民一体で戦略的に取り組んでいます。また、政府は脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(水素社会推進法案)を今国会に提出し、成立しました。
本公募は、エネルギー供給構造高度化事業コンソーシアムが水素等の供給基盤構築の実現可能性調査に要する経費の一部を補助するとともに、実現可能性調査への伴走支援を実施するもので、水素等の大規模な利用ニーズ創出と経済的・効率的かつ自律的発展が可能なサプライチェーンの構築を図ることを目的としています。
5社は、2024年1月より、福島県相馬地区におけるアンモニアの受入・貯蔵・供給拠点の構築および相馬近辺及び東北・北海道を中心とした関東以北の広域圏にアンモニアを供給可能とする事業の実現を目指し、共同検討を開始しました*2。共同検討の一環として、本調査を本公募に応募し、審査の結果、採択に至ったものです。今後、5社は拠点の構築に必要なアンモニア基地の調査や仕様の検討、船舶の調査やビジネスモデルの検討を行います。
5社は、各社の知見を結集し、相馬地区を拠点とする東北・北海道を中心とした関東以北の広域圏に脱炭素の輪を広げるとともに、地域の経済発展に貢献できるよう、アンモニア供給拠点の構築の検討を進めていきます。
調査においては、福島県、相馬市ならびに新地町の協力のもと、官民一体となって地域の脱炭素化、および経済発展に寄与できる事業の実現に向けて取り組んでいきます。
注)
*1:石油精製事業者の生産性向上や非化石の次世代燃料の安定供給体制の構築、水素等の社会実装を加速する事業を行うコンソーシアム。
*2:2024年1月30日付プレスリリース「福島県相馬地区におけるアンモニア供給拠点の構築に向けた共同検討の開始」参照。