サステナブルな循環型エネルギーシステムとして期待される「帯水層蓄熱(ATES)」‐オランダ王国と大阪市・大阪公立大学間で日本初の覚書を締結

駐日オランダ王国大使館

サステナブルな循環型エネルギーシステムとして期待される「帯水層蓄熱(ATES)」‐社会実装に向けた覚書を日本で初めて、オランダ王国と大阪市・大阪公立大学間で締結


この度、在大阪オランダ王国総領事館は、日本における帯水層蓄熱(英名:Aquifer thermal energy storage、以下「ATES」と略称する)システムの社会実装に向け、大阪市および大阪公立大学と協力関係を構築し、連携して取組むための覚書を締結いたしました。ATESとは、地下に広がる帯水層から熱エネルギ ーを採り出し、貯蔵・回収することで、建物の冷暖房を効率的に行う技術で、省エネルギー、CO2排出削減、ヒートアイランド現象の緩和策として近年高い注目を浴びています。大阪市での実証事業を経て現在、日本初の大規模商用利用としてうめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」において、ATESの建設準備が着々と進められている他、オランダがパビリオンの出展を決定している、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)においても敷地内でATESの導入が予定されてます。オランダは、本覚書を通じ、大阪市・大阪公立大学とさらなる強固な協力関係を築き、蓄積してきたATESの豊富な知見を広く共有することで、日本におけるATES普及に尽力し、循環型社会の実現に寄与してまいる所存です。
 

(左から) 大阪市 環境局エネルギー政策担当部長 河合 祐藏 氏
在大阪オランダ王国総領事館 総領事 マーク・カウパース
大阪公立大学 副学長/都市科学・防災研究センター所長 重松 孝昌氏


【帯水層蓄熱システム 「ATES」】
地下に広がる帯水層から熱エネルギ ーを採り出し、貯蔵・回収することで、建物の冷暖房を効率的に行う技術。オランダの冷暖房環境において、冷暖房に必要なエネルギー消費量を 40〜65%、CO2 排出量を最大 60%削減し、冷房時のピーク電力を 90%まで回避できることから、CO2 排出量の大幅削減に貢献するサステナブルな循環型エネルギーシステムとして、期待されています。オランダは、オフィスビル、工場、温室、ホテルや病院等で、すでに3,000件を超えるATESの導入実績を誇り、豊富な経験と専門知識を有しています。


【大阪市でのATES実証事業】
大阪市では、2015年から2018年まで「うめきた2期暫定利用区域」で、2018年から2020年まで、アミティ舞洲(舞洲障がい者スポーツセンター)にてATESの実証事業が実施されました。とりわけ、「うめきた2期暫定利用区域」における実証事業では、地盤沈下などの周辺地盤環境への影響を生じることなく、従来システム比35パーセントの省エネルギー効果が確認され、初のATES大規模商用利用として、現在、建設準備が着々と進められています。これらの実証実験では、地盤情報に基づく揚水量や蓄熱効率等における大阪公立大学の高度な専門的知見が大いに活かされました。
(詳しくは大阪市HP https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000476996.html を参照ください。)

 
帯水層蓄熱利用システムの仕組み


【今後のATES関連プログラムについて】
1.  ATES ウェビナー(2024年5月24日)
2.  ATESオランダ現地視察ツアー(2024年9月予定)



『コモングラウンド』~共に分かち合い、共に新しい価値を生み出す~
 オランダは2025年大阪・関西万博において、日本および東アジア地域との経済的、政治的、文化的協力関係を強化し、『コモングラウンド』を基盤にエネルギー転換等の分野でイノベーションを共創していきます。万博に向けたキャンペーン、“Road2Osaka”においても、オランダならではの活動を通して、世界的な課題に対し革新的で活用可能な解決策へと乗り出していきます。

特設サイト: 日本語 www.orandaexpo2025.nl 英語www.nlexpo2025.nl
 


 

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