高雄市、くまもとエキスポで投資を誘致
羅副市長は、今回のエキスポは主に、2016年の地震や2020年7月の豪雨災害から復興した熊本の類まれな回復力を示すためのものだったと話ました。また台湾積体電路製造(TSMC)の進出が復興のさらなる後押しとなりました。高雄市と熊本はいずれも半導体の重要拠点です。高雄市はウエハーファウンドリ、パッケージング、テストの最先端拠点であり、熊本は材料や装置で傑出しています。両市のさらに緊密な連携を推進するため、高雄市から成新科技股份有限公司、台湾バルカー国際股份有限公司、公準精密工業股份有限公司、新應材股份有限公司の半導体企業4社が来日したと羅副市長は説明しました。これらの企業はブランド認知度を向上させたほか、熊本の半導体ニーズを把握し、事業展開を拡大することに意欲を示しました。
また、甘夏ローヤル株式会社傘下の鶴屋百貨店の岩下晋也社長が高雄市政府の招待を受け、高雄市パビリオンを訪れました。馬玉山食品工業股份有限公司、中外餅舖有限公司、LE PONTと面会した岩下社長は、R&Dの取り組みや、健康と味を両立させた食品に感銘を受けたと話しました。鶴屋百貨店は、台湾の味に高い期待を示し、なるべく早い段階で日本で展開したいとしました。
くまもとエキスポへの参加に加え、高雄市政府は、福岡のスタートアップ支援施設Growth 1で投資促進セミナーを開催しました。IoT、スマート医療機器、グリーンエネルギーといった領域の10社以上のスタートアップ企業から40名以上が参加しました。セミナー後には、協力を探る活発な議論が交わされました。福岡市の創業・立地推進部長の堀浩信氏は、2012年に同市がスタートアップの国家戦略特区に指定されたことで、世界のスタートアップにとって非常に魅力的な投資先となったと話しました。福岡は高雄市と協力して台湾と日本のスタートアップ企業を支援する国境を超えたエコシステムを形成したいと考えています。
高雄市経済発展局の廖泰翔局長は、福岡には多くの有望な世界のスタートアップ企業が集まっており、高雄市はアジアの亜州新湾2.0園区や様々なスタートアップ拠点、育成センターを擁していると話しました。両市が協力して開発を進める中で、研究開発、人材発掘、スタートアップの連携、業界交流における双方向の協力の豊富な機会が存在しており、これにより両市のスタートアップ各社のイノベーションをさらに後押しします。高雄市は日本のスタートアップ企業の誘致を行なっており、市政府はワンストップサービスをはじめとし、必要な支援を提供できる体制を構築しています。
高雄市の訪問団は、下水処理により水素を製造する世界初の施設である福岡市水素ステーションも訪問しました。2050年までのネットゼロ実現を目指す屈指の工業都市として、高雄市は二酸化炭素の削減に取り組み、グリーンエネルギーの最新動向を注視しつつ、最終的には持続可能な開発の実現を目指しています。また、福岡にある九州経済産業局と九州大学を訪問し、半導体業界や人材の交流拡大について意見を交わしました。高雄市と九州で学術、技術連携を強化し、産学連携を深め、教育、研究を支援し、双方の半導体企業の競争力を高めていくことで合意しました。