【東芝】米国国立標準技術研究所の顔認識技術評価テストで日本企業トップの認識精度を達成
株式会社東芝
当社は、長年、研究開発を進めている顔認識技術において、米国国立標準技術研究所(以下、NIST(*1)) が主催する顔認識の技術評価テスト(FRTE 1:1 Verification(*2))の3つのカテゴリにおいて、日本企業でトップの順位を獲得しました(*3)。
NISTは、100か国以上の様々な人種・性別の数百万人の顔画像の大規模データベース用いた顔認識技術評価テストを継続しています。世界各地の346団体から1000を超えるアルゴリズムが投稿されており、業界標準の技術評価テストに位置付けられています。技術評価テストは、2つの顔写真が同一人物かを判定する「1:1照合」において、7つのカテゴリで本人照合精度が評価されます。
今般、当社の顔認識技術は、「1:1照合」において、出入国時の撮影画像を用いた照合テスト「Visa-Borderカテゴリ(*4)」にて、正しく本人と認識されないエラー率が0.21%(*5)と、高い精度で個人を見分けることができ、世界10位、日本企業で1位の成績を獲得しました。前回2021年にプレスリリース(*6)を行った時点の性能と比較して、約4割のエラーの削減を実現しました。
また、10万人オーダーのビザの画像のみを用いた本人照合テスト(Visaカテゴリ)および「Visa-Borderカテゴリ(*4)」で顔の向きが45度以上の角度がついた顔画像による本人照合テスト(Visa-Border Yaw≧45カテゴリ)においても、日本企業で1位の成績となりました。
これらのテストは、多様な状況での本人確認などをモチーフとしており、スマートホームやスマートオフィスにおけるアクセス制御やビル・改札などのゲート通行管理、工場や倉庫でのセキュリティ管理などへの応用が見込まれています。
当社グループは、さまざまな場面での非接触の本人確認に顔認識技術(*7)を活用しています。SATLYS映像解析AI(*8)顔認識モデルのクラウドAPI/オンプレミス用SDKはその一例です。また、映像コンテンツに特化したメディアの向けの顔認識AI「カオメタ」(*9)の提供を行っています。今後も、プライバシーについて十分に配慮しながら、さまざまな人物認識技術を状況に応じて適切に組み合わせて活用し、さらに安全・安心で便利なサービスの提供を行い、社会に貢献いたします。
*1 National Institute of Standards and Technology
*2 Face Recognition Technology Evaluation (2023年8月より、評価プログラムが従来のFace Recognition Vendor Test から変更)
*3 2023年9月29日レポート公開時。詳細は以下リンク先をご覧ください。
https://pages.nist.gov/frvt/html/frvt11.html
*4 米国入国及び出国時に撮影協力を依頼した100カ国以上の100万人オーダーの人々の顔画像と、10万人オーダーのビザの画像を用いた本人照合テスト
*5 他人を本人として誤認識する確率(False match rate)を0.0001%としたときの本人を見逃す確率(False Non-match rate)
*6 https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/21/2111-02.html
*7 https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/security-automation/face.html
*8 https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/ai-iot/satlys.html
*9 https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/industrial-ict/kaometa.html