TSMC、同社の2nm(N2)シリコンプロセス向けにAnsysのマルチフィジックスソリューションを認定
Ansys、チップの信頼性向上と高度に最適化された設計を可能にする自己発熱解析などでTSMCのN2プロセスの認定を取得
【主なハイライト】- Ansys® Redhawk-SC™とAnsys® Totem™の2つのパワーインテグリティプラットフォームがTSMCのN2プロセスへの使用認定を取得しました
- 本認定の対象には、デバイスとワイヤーの自己発熱作用の算出と、ヒートシンクアウェア型の電子移動フローが含まれます。
ペンシルべニア州ピッツバーグ、2023年4月27日 – Ansys (NASDAQ: ANSS) とTSMC社は、長期にわたる技術提携を継続する形で、AnsysのパワーインテグリティソフトウェアがTSMCのN2プロセステクノロジーでの使用認定を取得したことを発表しました。ナノシートトランジスタ構造を採用したTSMCのN2プロセスは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、モバイルチップ、3D-ICチップレット向けに速度と電力の両面で高い優位性を発揮し、半導体技術を大きく前進させるものです。今回、Ansys RedHawk-SCおよびAnsys Totemの両プラットフォームは、N2でのパワーインテグリティ サインオフ用に認定されたもので、対象技術には自己発熱作用が配線やトランジスタの長期的な信頼性に及ぼす影響の解析が含まれます。今回の提携は、2022年6月にAnsysプラットフォームがTSMCのN4プロセスとN3E FinFLEXプロセスでの使用認定を取得したことに基づき実施されたものです。
Ansys® Redhawk-SC™: https://www.ansys.com/ja-jp/products/semiconductors/ansys-redhawk-sc
Ansys® Totem™: https://www.ansys.com/ja-jp/products/semiconductors/ansys-totem
N3E FinFLEX:https://www.ansys.com/ja-jp/news-center/press-releases/6-24-22-ansys-multiphysics-solutions-achieve-certification-for-tsmc-n3e-and-n4p-process-technologies
TSMCの設計インフラストラクチャ管理部門責任者、Dan Kochpatcharin 氏は次のように述べています。
「TSMCは、Open Innovation Platform®(OIP)エコシステムパートナーと緊密に連携し、それぞれのお客様がTSMCの最新鋭のN2プロセスでフルスタックの設計ソリューションを利用することで、最高の設計結果を達成できるよう支援します。AnsysのRedHawk-SCとTotemの2つの解析ツールに関する今回の協力により、お客様に、設計製品の信頼性を長期にわたり確保できる予測精度の高い電力と熱のサインオフ解析を確実に実行しつつ、省電力性および性能が大幅に強化されたN2テクノロジーのメリットを享受していただけます」
テクノロジーの拡張に伴い、スイッチングデバイスの自己発熱や、相互接続での電流が回路の信頼性にますます影響を与えるようになります。AnsysはTSMCと協力し、隣接する配線への熱伝導を考慮して熱予測精度を高め、ホットスポットの局所的な冷却にもつながるヒートシンクアウェア型フローにより、こうした課題を正確にモデル化しました。これらの計算により、設計者は高い予測精度でマージンを評価し、過剰設計による無駄を回避し、回路性能を高めることができます。
Ansysのバイスプレジデント兼エレクトロニクス・半導体・光学事業部門ゼネラルマネジャー、John Leeは次のように述べています。
「Ansysは、半導体からシステムまでの設計フロー全体を網羅する、包括的な熱管理フローを開発しました。TSMCとの不断の協働関係により、当社のマルチフィジックス解析の適用範囲が最先端のプロセス技術にまで広がり、高速アプリケーションにおける熱と熱放散を管理する新しいソリューションを共同開発することができました」
※本プレスリリースは、米Ansys Inc.が2023年4月27日(現地時間)発表したリリースの抄訳です。原文は、https://www.ansys.com/news-center/press-releases/4-27-23-tsmc-n2-certification をご参照ください。
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