米国ノースカロライナ州で壁パネル・トラス製造工場を設立 ~高品質な部材の安定供給、材工一貫体制の確立でFITP事業を加速~
■立地の特性
NC州では住友林業グループのDRB Group(President, CEO: Ronald Salameh、本社:メリーランド州ロックビル)が戸建分譲住宅事業、Crescent Communities, LLC(Chairman, CEO: Brian Natwick、本社:NC州シャーロット)が不動産開発事業を展開しています。両社への資材供給に加え、将来は外部ビルダーへも販売し、本工場の規模拡大を目指します。
NC州政府等からは工場設立に伴う投資や雇用創出の観点で期待が寄せられており、行政の補助金を活用しつつ雇用創出など地域社会への貢献も目指します。
■FITP事業に取り組む意義とこれまでの取り組み
本工場では2030年までに年間2,800戸分の住宅構造用部材を生産する計画です。住友林業グループは2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」で事業方針の1つに「グローバル展開の進化」を掲げ、米国の年間住宅供給戸数23,000戸を目指しています。長期ビジョン実現に向け、本工場の設立を通じ米国東海岸南部で安定した資材調達・供給網を構築します。
現在、米建設業界では労働力不足やサプライチェーンの混乱による資材不足が深刻で労務費や資材価格の高騰、工期長期化等が課題となっています。住友林業は昨年9月、FITP事業を統括・推進する100%子会社Builder Solutions Group, LLC(社長:藤田 怜、本社:テキサス州アディソン、以下BSG)を設立。すでに内製化しているフレーミングや内外装工事等の施工機能、トラスやパネル等の製造機能に加え、今回設立する工場の運営もBSG社が統括します。米国で戸建分譲住宅事業を展開する当社グループ各社との連携で、施工合理化による工期短縮、経費削減、品質向上等を目指しています。
■今後の取り組み・方針
住宅構造用部材と住友林業グループのフレーミングや内外装工事等の施工機能をあわせて販売し、材工一貫でサービスを提供します。当社グループが米国内外に持つ木材・建材の仕入れ・流通機能を活用し、住宅構造用部材のサプライチェーン強化、価格競争力向上を目指します。さらに工場、施工会社、住宅ビルダー各社のシステム連携を進め、FITP事業全体の効率化も図ります。
新工場の運営には昨年9月に買収したトラス・パネル等の製造を手掛けるStructuralグループ※3の事業運営ノウハウを活用します。住友林業グループとして工場立ち上げのノウハウも蓄積し将来は他州でのFITP事業の展開も目指します。
米国東海岸南部でのFITP事業の早期確立により住宅・建築・不動産事業を拡大するほか、木材建材事業でも新規流通網の開拓と拡大、新規事業の創出を図り、当社グループの収益拡大・収益源の多様化を促進します。
住友林業グループは森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅をはじめとした木造建築請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業をグローバルに展開しています。2030年までの長期ビジョン「Mission TREEING 2030」では住友林業のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回すことで、森林のCO2吸収量を増やし、木造建築の普及で炭素を長期にわたり固定し、自社のみならず社会全体への脱炭素に貢献することを目指しています。長期ビジョンで事業方針の1つに掲げた「グローバル展開の進化」を推進し、米国でも脱炭素化への取り組みを加速させます。
※1. 1USD=132.35円(2023年2月6日の為替レートで計算)
※2. 米国商務省センサス局発表の2021年戸建住宅着工許可件数に基づく
※3. 関連リリース:https://sfc.jp/information/news/pdf/2022-09-30.pdf
■FITP事業のイメージ
■壁パネル・トラス製造工場イメージ
■工場概要
■Builder Solutions Group, LLC概要