組織培養で増やした梅のフラスコ苗と培養苗を展示 ~北野天満宮のご神木「紅和魂梅(べにわこんばい)」も「長浜盆梅展」で~
※1 盆栽の梅
今回は昨年展示したフラスコ苗に加えて、2020年10月の培養成功から順調に生育した「不老」の培養苗も展示します。培養成功から約1年間で成長した培養苗の姿をご覧いただけます。
北野天満宮のご神木の飛梅「紅和魂梅」は2015年2月、住友林業が梅の古木から組織培養により増殖に成功したもので、苗生産などの実用化を想定した研究開発としては世界初※2の成功例です。今回「紅和魂梅」の展示は、北野天満宮で開催中の「第1回 北野盆梅展」に長浜観光協会が出展協力していることから実現しました。北野盆梅展でも「紅和魂梅」と「不老」のフラスコ苗と培養苗を展示しています。
※2 学術資料検索サイト : Web of science/Google Scholar/J DreamⅢ 調べ
■長浜盆梅展
滋賀県長浜市の慶雲館で1952年から始まった歴史・規模ともに日本一の盆梅展。約300鉢の中から開花時期に合わせて入替しつつ、常に見頃の盆梅を約90鉢展示しています。(会期:1月9日~3月10日)
■北野盆梅展
北野天満宮で初めて、「長浜盆梅展」の梅を常時14鉢程度展示しています。菅原道真公ゆかりの梅の名所である北野天満宮の梅苑「花の庭」とともに、北野と長浜の梅花の競演をお楽しみいただけます。(会期:1月28日~2月13日)
当社グループは神社仏閣や自治体の皆様が所有・管理する名木・貴重木を後世に受け継ぐ取組みをサポートしています。樹勢・生態調査及びDNAによる品種同定などの結果を基にした保存活用計画の立案・後継樹の増殖、樹勢回復などを行っています。今後も松・桜・梅など歴史的・社会的に貴重な樹木を後世に繋ぎ、伝統ある風景を次世代へ受け継ぐ取組みを進めていきます。
≪参考資料≫
■組織培養法とは
バイオテクノロジーの一手法で、挿し木や接ぎ木と同様に元の木と全く同じ形質をもつ苗をつくれます。
“茎頂(けいちょう)”という芽の先端分裂組織を材料に用いた手法(茎頂培養法)で増殖した苗は、樹病などを継承しないウイルスフリーである可能性が高いと言われているほか、対象となる樹木の樹齢と比較して“幼若化(若返り現象)”が期待されています。
■組織培養の流れ
■関連する対外発表
・住友林業「北野天満宮本殿前“御神⽊の梅”の組織培養による苗⽊増殖に成功」(2015年3月11日)
https://sfc.jp/information/news/2015/pdf/2015-03-11.pdf
・住友林業「推定樹齢400年の盆梅、組織培養で増殖」(2020年10月21日)
https://sfc.jp/information/news/2020/pdf/2020-10-21.pdf
・長浜観光協会「第71回長浜盆梅展は1月9日(日)〜3月10日(木)」(2021年12月14日)
https://bonbai.jp/news/?p=304
■名木の増殖実績