香川県高松市教育委員会のGIGAスクール端末活用事例を公開
~デジタルアーツの「i-FILTER」だからできる“ホワイト運用”を活用し、ICT教育が当たり前の環境を~
情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、GIGAスクール構想における1人1台端末のセキュリティ対策として、Webセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版を活用した香川県高松市教育委員会の導入事例を、12月1日に公開したことを発表します。端末の適切な活用のためにフィルタリングを導入した教育委員会の事例をご紹介
全国の児童・生徒に1人1台端末と高速ネットワークを整備する「GIGAスクール構想」は、新型コロナウイルス感染症拡大によるオンライン学習の必要性が高まったことも相まって、多くの自治体で2020年度内に端末導入が完了しています。各自治体では、端末の学習での活用方法や、児童・生徒の利用ルールなど運用の詳細について検討し、学校現場でのICT活用を進めています。
このような中、2021年9月には東京都内の小学生女児がGIGAスクール構想で配布された端末のチャット上などでいじめを受けたことを苦に、自殺をするという痛ましい事件が起こったことが判明しました。子どもたちは人間関係やコミュニケーションについても発達段階であり、インターネットリテラシーも未熟な部分があります。こうした段階で、制限なくインターネット端末を利用させてよいのか、GIGAスクール端末の活用について課題が浮き彫りになっています。このような事件が再び起きないよう、子どもの安全を見守り、安心して端末を活用できる方法はないのでしょうか。
2020年4月からデジタルアーツでは、GIGAスクール端末を児童・生徒が安全に使い、教員や保護者の皆さまが安心して端末を持たせることができるよう、Webセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版を提供しています。今回は、同製品を導入され、ICT教育が当たり前になる環境を目指している、香川県高松市教育委員会(以下、高松市)の活用事例を12月1日より公開します。
子どもたちが適切な使い方を判断できるように、最初はルールを設けて運用
高松市は、「ICTを活用した新しい時代に必要な資質・能力の育成」を目指して、授業改善や児童・生徒の情報活用能力の育成などに重きを置きながらICT活用を進めています。GIGAスクール構想ではタブレット端末に加えて、各学校のインターネット回線から通信が行える「ローカルブレイクアウト」を整備するほか、デジタルドリルやクラウドベースの授業支援システムも導入するなど、充実した1人1台環境を築きました。また持ち帰り学習も想定し、セキュリティ対策として「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版(以下、「i-FILTER@Cloud」)を導入しています。フィルタリングの導入について、「1人1台端末で活用するデジタル教材と同じくらい必要なもの」と語るのは、高松市教育委員会 高松市総合教育センター ICT教育推進室 指導主事 大胡賢太郎氏です。
「子どもの主体性を伸ばす観点から、自由に端末を使える環境も大切だと考えていますが、GIGAスクール構想の初期段階から何でも見せてしまうことが、本当に主体性を育むことにつながるかどうかは疑問です。子どもたちが適切に判断して使えるようになるには知識と経験が必要であり、そうした学びの機会をつくるためには、端末を自由に使わせたい先生も不安に感じている先生も、双方が納得して動いてもらうことが大切です。そのために初期段階はある程度のルールが必要だと考えています。安全性を守り、先生方の積極的な活用を促すために、フィルタリングの導入は不可欠と考えました」(大胡氏)。
見せたいYouTube動画だけをURL単位で登録。学校現場のニーズに合った設定が可能
「校務用PCはYouTubeの視聴をすべて許可していますが、教育用PCは一部の教育用動画を除き、カテゴリーで制御しています。このように現場のニーズに合わせた設定が細かくできる点を重宝しており、クラウド版の『i-FILTER@Cloud』でも、その操作感は変わりませんでした」と大胡氏。教育用PCでは、水泳の授業でYouTubeにあるお手本動画を使いたいといった要望があり、授業の目的に合わせて動画を活用するシーンが増えています。現在は、GIGAスクール構想で整備したタブレット端末については動画の閲覧を禁止していますが、将来的には教育用PCと同様に学校のニーズや目的に合わせた運用を目指します。
“ホワイト運用“や、きめ細かなフィルタリングで、適切な活用と安全な環境を実現
フィルタリングに関しては、安全が確認できたWebサイト以外はアクセスさせない“ホワイト運用”を活用しています。“ホワイト運用”は、「i-FILTER」のフィルターデータベースに未登録で、接続の安全が確認できていないURLをブロックするもので、児童・生徒が危険なURLにアクセスする危険を最小限にすることができます。高松市では”ホワイト運用“を問題なく使えているといいい、アクセスしたいURLが発生すれば、ブロックを解除するだけなので運用も簡単に安心・安全を確保できるとのことです。
また学年に合わせて使えるフィルタリングのテンプレートも利用。これは、「小学校低学年」「小学校高学年」「中学校」「高校」と学年別に適切なフィルタリングを簡易的に設定できる機能です。高松市では現在、小学校と中学校とでは同じテンプレートを使用していますが、将来的にはニーズに合わせて分けてテンプレートを作成したいと考えているそうです。さらに、不適切なサイトにアクセスしたときに端末をブロックする「隔離機能」のアラートが来た際は、ログを見て児童生徒がどのようなサイトにアクセスしたのかを確認するといいます。大胡氏は「なかには不適切なサイトを見に行く生徒もいます。こういう時は指導の機会と捉えて、学校に連絡することもありますね」と語ってくれました。
高松市ではパイロット校を中心にICT活用が広がっているようです。授業支援システムを活用した協働学習やオンライン授業など、ICTのメリットを活かした学習が増えています。さらに授業以外の活用についても、子どもたちが休み時間にプログラミングツール「Scratch」を用いて作品を作ったり、デジタルドリルに自ら取り組んだりする姿も見られるといいます。今後については、持ち帰り学習や校外学習でのタブレット端末の利用も視野に入れ、準備を進めています。「児童・生徒が各家庭で安心してタブレットを学習に使用できるよう、環境を整えていきたいですね」(大胡氏)。
■香川県高松市教育委員会導入事例の全文はこちら ▶ https://www.daj.jp/bs/case/case87/
デジタルアーツの「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版特別ラインアップ
いじめに関する書き込みを禁止する「POST制御」や「Webサービス制御」のほか、「子ども見守りシステム」も搭載
デジタルアーツのWebセキュリティクラウドサービス「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版は、GIGAスクール構想における1人1台端末を、教育の現場で安全にかつ円滑な学習ができるよう利用いただくために改良した学校用フィルタリングサービスです。国内導入シェアNo.1※の「i-FILTER」におけるフィルタリングデータべースを基に、学習の現場に合わせたきめ細やかなフィルタリングルール設定が可能です。
また、文部科学省がGIGAスクール構想で推奨する3OSすべてで、児童・生徒による裏掲示板やSNSサイトへの書き込み、端末搭載のカメラで撮影した写真のアップロードを制御する「POST制御」機能が利用できます。これにより、児童・生徒が端末を私的に利用し、学習に関係のない使い方やいじめなどにつながる書き込みを防ぐことができます。また、Webサービスごとに「ログイン、書き込み、アップロード、ダウンロード」等の機能を制御する「Webサービス制御」や、生徒が自分の端末から自殺関連サイトへアクセスした際、「i-FILTER@Cloud」でブロックすると同時に指定された教職員もしくは教育委員会へメールでアラートを通知する「子ども見守りシステム」など、子どもの見守りや悩みにいち早く気付くことのできる、教育現場をサポートする機能も備えています。
「i-FILTER@Cloud」GIGAスクール版 ▶ https://www.daj.jp/es/lp/GIGA/
※株式会社富士キメラ総研「2021 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」Webフィルタリングツール市場占有率(2020年度)(2021年9月発行)