【調査レポート】連載:変容するウェルスマネジメントビジネス 顧客起点のビジネスモデルに変革せよ 第1回:顧客ニーズを起点としたウェルスマネジメント事業モデル
富裕層と貧困層の二極化というグローバルトレンドは、かつて1億総中流と呼ばれた日本においても着実に進行しており、さらにコロナ禍を経て、富裕層の資産の拡張、都市部および限定的な地方部の資産価値の高騰、特定職種への富の集中などさまざまな形で現出しつつあります。富裕層セグメントを対象としたウェルスマネジメント事業に本腰を入れて取り組み、顧客のライフステージに中長期で寄り添いながら資産に関する相談相手、パートナーとなり得る金融機関が、業界のトップティアプレーヤーとしてのポジションを獲得すると言えます。
本連載では全回を通して、顧客セグメントごとのペルソナおよびニーズを明らかにしつつ、金融機関が揃えるべき体制および機能をフロントからバックに至るまで顧客起点で定義し、トランスフォーメーションの進め方などに関して提言を行います。
連載第1回となる本レポート「顧客ニーズを起点としたウェルスマネジメント事業モデル」ではまず、Strategy&が2021年7月に国内のマスアフルエント層(3,000万円以上の金融資産を保有)から超富裕層(10億円以上の金融資産を保有)6,000名弱を対象に実施した調査結果に基づいて、富裕層セグメントと特徴、金融機関への期待値などについて解説を行っています(図表参照)。
さらに、金融機関のコアビジネスである決済や貯蓄などがデジタルプレーヤーに浸食され始めているなか、デジタルをいかに導入し活用していくかなど、まだ創世期にある日本のウェルスマネジメント事業の計画・強化を実行するうえでの要点を提示しています。
ぜひともご一読いただければ幸いです。