7年連続「ウッドデザイン賞2021」受賞 ~木を身近に。心豊かな暮らしに貢献~
ウッドデザイン賞(主催:ウッドデザイン賞運営事務局 林野庁補助事業)は、木の良さや価値を再発見させる製品や取り組み、技術から特に優れたものを消費者目線で選び、木材利用を促進する顕彰制度です。木を使って暮らしの質を高めるものが対象となる「ライフスタイルデザイン部門」で2点、木を使って人の心を豊かにし、身体を健やかにしているものが対象となる「ハートフルデザイン部門」で2点の合計4点が受賞しました。
【受賞の概要】
<ライフスタイルデザイン部門>
【建築・空間分野】桐朋学園宗次ホール
/前田建設工業㈱・学校法人桐朋学園・隈研吾建築都市設計事務所・住友林業㈱・銘建工業㈱
前田建設工業株式会社と共同企業体(JV)で設計・施工した音楽ホールです。CLT(直交集成板)を意匠・構造・音響面で採用し、折板構造(床や壁等平面の構造を屏風状に折り曲げ平板の強度を増す構造)による17mスパンの無柱空間の実現や木質空間による豊かな音質環境を実現しています。折板構造はスギとヒノキのハイブリッドCLTを現し(あらわし)※として壁と天井に使用。音響効果を考慮した設計で木質感あふれる美しいホールです。 ※現し:木造建築で柱や梁などの構造材が見える状態で仕上げる手法
外観は楽器の弦をイメージする木製ルーバー(スギ集成材)で包まれたデザイン。耐久性、防汚性に配慮して住友林業オリジナルの水性シリコン系木材保護塗料「S-100」を塗布。木目の美しさを保ちます。本施設の主要構造躯体部分の資材製造時のCO2排出量は1,757トンとなり、試算では鉄骨造とした場合より21%、鉄筋コンクリート造とした場合より29%削減されるという結果となりました。本施設に使用した木材は930 m3、746トン(CO2ベース)の炭素を建物に固定し、これは「街を森にかえる」ことにつながります。
【建築・空間分野】てのべたかだや マル勝髙田商店/住友林業㈱・graf・㈱マル勝髙田商店
<ハートフルデザイン部門>
【建築・空間分野】道後温泉 葛城 琴の庭
/住友林業㈱・ボールアーキテクチャ合同会社・㈱BRC・㈱ホテル葛城
愛媛県松山市の「道後温泉 葛城 琴の庭」は、国の重要文化財である道後温泉本館に隣接し、当社が設計監修・施工を担った初めての宿泊施設ホテルです。道後の歴史と文化を継承し、自然の恵みである木と温泉にこだわりました。全10室の客室にはすべて檜の香りが漂う露天風呂を設置。本物の手触りと香りを感じられる無塗装の木材を使用し、源泉掛け流しの「生湯(なまゆ)」との共演を実現。愛媛県で育った良質な檜と杉をふんだんに使い、地産地消の文化も大切に継承しています。時を経て生まれる木の美しさ、風格が街の財産となる建物です。
【技術・研究分野】木製卓上カーリングを使った塗装による潤滑性付与技術の実証
/住友林業㈱筑波研究所
カーリングゲームを気軽に楽しめる木製卓上遊具です。ゲーム盤は国産スギの24㎜構造用合板を活用し、ストーンは国産ブナ材。木材に触れる機会の少ない子供達に、遊びながらその質感や香りを実感できる製品を目指しています。ゲーム盤面と木製ストーン底面の両方に当社オリジナルの水性シリコン系木材保護塗料「S-100」を塗布することで高い表面潤滑性を発揮させます。
地産地消をめざし 地域の山の木材を活用し、地元の工場で合板を製造、加工。学校や児童館で活用することで地域をつなぐ木製遊具となることを目標としています。