ウイルスとの闘い:DHLホワイトペーパーの最新版、新型コロナウイルス感染症の発生から1年の知見を発表
・2022年以降、(再)感染率を低く抑え、変異ウイルス拡大の速度を抑制するため、毎年さらに70〜90億回分のワクチンが必要に
・地域レベルでは、ラストワンマイル配送や物流モデル、ワクチンの継続的な備蓄が2021年以降も重要な課題に
ドイツ、ボン−Media OutReach−2021年5月20日−新型コロナウイルス(SARS-COV-2)のニュースが世界を駆け巡った日から1年以上が経過しました。そして100年に一度と言われる最大級のグローバルヘルスの危機が到来し、社会のあらゆる側面に深刻な影響が及んでいます。パンデミックの発生当初から、ワクチン、検査キット、関連資材、治療薬、個人防護具(PPE)など、パンデミックの抑制に欠かせない医薬品や医療用品の供給、配送において、物流やサプライチェーン管理は重要な役割を担ってきました。DHLは承認済みワクチン2億回分以上を120以上の国に輸送し、350を超える拠点を稼働させ9,000便余りを運航し、初期からパンデミック対応に貢献してきました。製薬会社や公共部門との二組織間あるいは多組織間の連携は50件以上にのぼり、この取り組みから新たな専門サービスもいくつか立ち上がりました。先日公開したDHLのホワイトペーパー「Revisiting Pandemic Resilience(パンデミックレジリエンスの再考)」では、この業界が新型コロナウイルス感染症との闘いから何を学び、今後の公衆衛生の緊急課題にどう活かしていけるかについて、振り返り、考察しています。
DHLチーフ コマーシャル オフィサー、カーチャ ブッシュは次のように説明しています。「物流とサプライチェーンマネジメントはパンデミック管理において重要な役割を担っています。サプライチェーンを稼働し続け、重要な医療用品を確実に届ける取り組みから貴重な学びを得ました。当社はワクチン輸送のための新たな専門サービスをこれまでにないスピードで展開しました。このパンデミックの厳しい局面を乗り越えるためには、あらゆるセクター、業界、国が協力する必要があります。緊密な連携体制の構築とデータアナリティクスの活用がカギとなります。また私たちは、患者数の増加やワクチンの供給数に今後も対応できるよう、物流基盤と輸送能力を維持しつつ、季節変動にも計画的に対応し、将来にわたり安定的で十分に整備された基盤を提供し続ける必要があります。」
研究開発から製造、サプライチェーン管理、そして政策に至るまで、この危機を乗り越えるために世界中で重要な取り組みが成果をあげています。その基盤にあるのは従来の5倍というこれまでにないスピードでワクチンの研究開発が進められたこと、そして記録的な短期間でワクチン製造能力がコロナ禍前の4倍に拡大されたことです。これに物流とサプライチェーンの取り組みが加わり、命を救うワクチンを世界中の患者さんに届けることができました。マイナス70°Cという前例のないコールドチェーンが必要となったにも関わらず、通常の3倍の早さで輸送体制を整備することができました。さらに、公衆衛生や政策関連の関係者と連携することで、迅速なワクチン開発や展開のための枠組みが構築されました。
DHLアジアパシフィック カスタマーソリューション&イノベーション、ライフサイエンスおよびヘルスケア担当責任者、レオノーラ リムは次のように述べています。「これまでシンガポール、マレーシア、日本、オーストラリア、ニュージーランドといった国へのワクチン輸送に貢献してきたことは私たちの誇りであり、光栄に思います。訓練されたスペシャリストたちが、厳しい要件を厳格に遵守しすべて計画通りに手配されるよう業務を遂行してきました。物流業界は今後もその役割を担いつつ、パンデミックとの戦いを強化するための建設的な連携を呼びかけていく必要があると考えます。」
連携が世界的なワクチン供給のカギに
高い水準の予防を実現するためには、2021年末までに世界で約100億本のワクチンが必要となります。一方で、現時点で接種率5割以上を達成している国は4カ国にとどまっており、多くの国や地域ではインフラが十分に整備されておらず、ワクチン接種がさらに困難な状況にあります。ワクチンの供給をスピードアップするためには、次のような対策が必要となります。
- 業界や各国政府が協力し、特に緊密な連携体制とそれを支えるデータを構築することが重要です。
- 安全なインバウンドフローを実現するため、貨物の積極的な輸送能力管理と持続可能なリターンフローが必要です。世界のコロナワクチンの95%以上が8カ国のみで製造され世界に出荷されることから、これは特に重要となります。
- 同時に、地域レベルでも倉庫の戦略的配置、ワクチンと関連資材の物流の同期、接種会場の数や場所などを検討し、適切なラストワンマイルの陸上輸送モデルを整備する必要があります。
今後への備え
積極的な連携、世界的な警鐘体制の強化、エピデミック防止に向けたアジェンダの統一、焦点を絞ったR&D投資を通して医療上の危機をいち早く特定し、抑制していくことが重要です。また、戦略的な予防対策や、より効率的で迅速な対応の実現に向け、ウイルスの抑制や対策(デジタル接触者追跡、国の備蓄など)を強化し制度化することが推奨されます。医薬品(診断薬、治療薬、ワクチン)のスピーディーな展開を可能にするため、各国政府と業界はいつでも稼働できる生産体制を確保し、研究、製造、調達の計画を策定し、地域での展開能力を拡大していく必要があります。
ホワイトペーパーの全文(英語)は以下のリンクからお読みいただけます。
https://www.dhl.com/pandemic-resilience
編集者の方へ:
ライフサイエンス&ヘルスケア業界向けの主力輸送サービスを展開するDHLは、患者様を中心とする包括的なソリューションによる先進的でインテリジェントな医療ロジスティクスサービスを提供しています。DHLの国際的な専門ネットワークに9,000人以上のスペシャリストを配置し、製薬会社、医療機器メーカー、臨床試験施設、研究機関、卸業者、販売業者、病院、医療従事者が、臨床試験から治療の現場まであらゆるステップにおいて、バリューチェーン全体でデジタルを通してつながることができるよう支援します。
高品質でコンプライアンスが徹底された物流・サプライチェーンサービスにより、お客様にメリットを提供し、患者様によりよい治療を届けるため、革新的技術を採用しています。DHLの医療業界向けポートフォリオでは、150名以上の薬剤師、20以上の治験薬保管施設、100以上の認証ステーション、160以上のGDP準拠倉庫、15以上のGMP認証拠点、135以上のメディカルエクスプレス拠点、220の国や地域を結ぶスピード配送の国際エクスプレスネットワークを展開しています。
プレスリリースのダウンロードやその他の情報については、http://www.dpdhl.com/pressreleases
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DHLはDeutsche Post DHL Groupの企業です。当グループの2020年の売上高は660億ユーロ以上でした。持続可能な事業経営と社会や環境への取り組みにより、世界に貢献しています。Deutsche Post DHL Groupでは2050年までにゼロエミッション物流を実現することを目指しています。