これからの新しいオフィスの在り方や価値を探る「HUMAN FIRST研究所」 オフィス・働き方の研究に関する外部アドバイザーとして石川善樹氏、永山晋氏、比嘉邦彦氏、横石崇氏が就任
第一弾としてビッグデータ分析を通じた「チームの生産性を高める因子」に係る研究を開始
野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:宮嶋 誠一、以下当社)は、2020年6月に設置した「HUMAN FIRST(ヒューマン ファースト) 研究所」の活動において、オフィス研究に関するアドバイザーに、石川善樹氏、永山晋氏、比嘉邦彦氏、横石崇氏(※五十音順)が就任したことをお知らせします。今後、第一弾の研究として、組織論・経営学の専門家である永山氏とともに、アンケート調査およびヘルスケアデバイスによるビッグデータ分析を通じた「チームの生産性を高める因子」の研究を行ってまいります。「HUMAN FIRST 研究所」は、企業や有識者とのパートナーシップのもと、新しいオフィスの在り方や価値に係る調査研究を実施することを目的として本年6月に設立されました。これからの生き方・働き方・オフィスの在り方にまつわる様々な協働研究や調査を実施し、研究や調査で得た新たな知見を新しいブランドや新サービスのプロトタイプ開発に役立てることを企図しています。
今回、第三者の視点から研究開発をより迅速・強固なものにしていくことを目的に、様々な研究分野に専門的知見を持つアドバイザー4名を招聘しました。安心/信頼/愛着などを高める人間回帰視点の働き方(ソフト面)についてウェルビーイングやワーケーションに知見を有する石川氏と共に、個ならびに個の集合体であるチームの生産性に影響を及ぼす新指標についてチームの生産性・創造性に造詣の深い永山氏と共に、分散ワークにおける最適解やこれからの働き方についてテレワークの第一人者である比嘉氏、これからの働き方の提唱者である横石氏と共に、今後の研究に取り組んでまいります。
左から3番目より、横石崇氏、比嘉邦彦氏、石川善樹氏、永山晋氏
■今後の研究予定とロードマップ
「HUMAN FIRST 研究所」では、エンゲージメント、創造欲、ウェルビーイングなどを高めることで、個の能力を最大限発揮できる(=人の潜在能力を解放する)オフィスとサービスを提供する、というHUMAN FIRSTの思想に基づき働き方に関する研究を行っていきます。具体的には、価値創造社会におけるオフィスの新条件を、以下の4つの側面から調査研究していく予定です。
(1)「集まる価値」を最大化するための新しいオフィス様式(ハード面)
(2)安心/信頼/愛着などを高める人間回帰視点の働き方(ソフト面)
(3)個ならびに個の集合体であるチームの生産性に影響を及ぼす新指標
(4)分散ワークにおけるチームビルディングプロセスの最適解
今年5月に実施した「働く場所と生産性に関する意識調査」では、働き方や働く場所についてオフィスユーザーのニーズや意識が変化していることが分かっています。そして今、多くの企業でオフィスの見直し・再編が検討され、ワークプレイスの分散化が加速する中で、生産性を高める因子や方法論も変わっていくと予想されます。ニューノーマル時代の働き方において何が個人やチームの生産性を高めるのか、「選択肢に対する満足度」「適度な環境変化」「人や場所への愛着」などが新たな指標になり得るのではないか、という問いや仮説をもとに、その答えを探る調査研究の計画を進めており、今年度中に第1弾の研究結果を発表する予定です。
(研究活動のロードマップ)
(第一弾研究概要)
研究の第一弾として、組織論・経営学の専門家である永山氏とともに、個の集積であるチームのパフォーマンスを高める因子についての研究を行ってまいります。事業成長や事業創造につながるチームの生産性を高める要素、レジリエンス(環境変化に対する強さ)を高める要素が何かを、アンケート調査およびヘルスケアデバイスによるビッグデータ分析を通じて明らかにすることで、「チームの生産性に影響を与える指標」の発見を目指します。そしてゆくゆくは、指標に基づいたワークスタイルの適性診断モデル、指標を向上させる商品/サービスの開発を目指します。
■「HUMAN FIRST 研究所」について
「HUMAN FIRST 研究所」では、アドバイザーをはじめとする有識者や企業とのパートナーシップのもと、人が本来保有する普遍的な能力の研究を通じて、これからの働く場に必要な視点や新しいオフィスの在り方を発見、それらを実装していくことで、価値創造社会の実現に貢献します。
「HUMAN FIRST」とは、価値創造社会を生き抜くために、働く人の気持ちに寄り添い、個の能力を最大限発揮できる(=人の潜在能力を解放する)オフィスとサービスを提供するという事業思想です。当社では、人の潜在能力を解放する方法として2つの考え方が存在すると考えています。ひとつは、デザインやテクノロジーの力で、人間が保有する能力を120%、150%へと高める「人間進化」という考え方。もうひとつが、「ストレスにさらされながら働く現代のビジネスパーソンは、そもそも人間が本来保有する能力を使い切れていないのではないか」という仮説に基づき、個々の能力を100%発揮できる状態に取り戻す「人間回帰」という考え方です。この2つのアプローチを通じて、社員一人ひとりのエンゲージメント、創造欲、ウェルビーイングなどを高め、一人当たりの生産性UP(付加価値/投下時間)を目指します。
「HUMAN FIRST 研究所」詳細:https://www.officenomura.jp/kenkyujo
■アドバイザー プロフィール(五十音順)
略歴:1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事。「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念進化論など。近著は、フルライフ(NewsPicks Publishing)、考え続ける力(ちくま新書)など。
略歴:広島生まれ。広島市立大学を退学し、音楽制作会社で働く。その後、早稲田大学に編入学し、同大学より修士号および博士号を取得。2018年4月より現職。双子(2018年生まれ)の父。『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』などに論文を発表。
研究分野:クラウドソーシングおよびテレワーク全般、支援ツール、地域活性化等
略歴:州立アリゾナ大学経営・政策学院経営情報システム専攻博士課程修了。1988年学術博士。東京工業大学社会理工学研究科経営工学専攻助教授を経て、1999年より東京工業大学理財工学研究センター教授、2005年4月より東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科技術経営専攻教授
略歴:多摩美術大学卒。広告代理店・人材会社を経て、2016年に&Co.を設立。ブランド開発や組織開発を手がけるプロジェクトプロデューサー。主催する国内最大規模の働き方の祭典「Tokyo Work Design Week」では3万人の動員に成功。鎌倉のコレクティブオフィス「北条SANCI」支配人。法政大学キャリアデザイン学部兼任講師。著書に『これからの僕らの働き方』(早川書房)、『自己紹介2.0』(KADOKAWA)などがある。